き・く 0 【聞く/聴く】
(動カ五[四])
(1)音・声を耳で感じとる。耳に感じて、知る。
「雨の音を―・く」「講義を―・く」「この近くと―・いて来た」
(2)心を落ち着け注意して耳に入れる。傾聴(けいちよう)する。《聴》
「音楽を―・く」
(3)人の言うことを理解して、受け入れる。また、従う。ききいれる。
「親の言うことなどちっとも―・かない」「願いを―・く」「内に入りてそそのかせど女はさらに―・かず/源氏(明石)」
(4)(「訊く」とも書く)たずねて、答えを求める。問う。
「名前を―・く」「自分の胸に―・く」
(5)においをかぐ。鑑賞したり調べたりする。
「香を―・く」
(6)(「利く」とも書く)酒を味わって優劣などを判定する。
(7)釣りで、当たりがあったかどうか確かでないときに軽く竿(さお)をあげて合わせてみる。
[可能] きける
聞いて呆(あき)・れる
(言うことと実際が離れすぎていて)まじめに聞けない。
「名人が―・れる」
聞いて極楽(ごくらく)見て地獄(じごく)
聞くと見るとは非常に差があるというたとえ。
聞いて千金(せんきん)見て一文(いちもん)
聞いたことと実際とは大きな差があるというたとえ。
聞きしに勝(まさ)・る
実態は、聞いて予想していた以上の程度である。
「―・る惨状」
聞くは=一時(いつとき)(=一旦(いつたん))の恥(はじ)、聞かぬは=末代(まつだい)(=一生)の恥
知らないことを聞くのはそのとき恥ずかしい思いをするだけだが、聞かずに知らないままで過ごせば一生恥ずかしい思いをする。問うは一度の恥。
聞く耳持たぬ
これ以上聞く気はない。
聞けば聞き腹
聞かなければ知らないから平気だが、聞けば腹立たしくなるということ。
聞けば気の毒、見れば目の毒
何事でも見たり聞いたりすると、欲望が起こって心身の害となる。
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