竜王の子孫であり転生した姿でもある四人兄弟が、人界や天界の悪と戦っていく物語であり、作者の現代日本社会に対する批判が最も直接的に表現されている作品でもある。
時代設定は第1巻(1987年発行)では1990年代中盤だったが、巻を重ねるうちに、作中では半年しか経っていないにもかかわらず、実際の年月は1990年代が終わってしまったため、いつの間にか21世紀の話に書き換えられてしまっている(単純に「近未来」という意味合いのものではないかという擁護的意見もある)。
その物語が展開する世界は現代社会とは似て異なるパラレルワールドであるが、唐突に文中へ織り込まれる件にはモデルが類推できるものも多く、多くの読者に右傾化する現代日本への警告を啓発している。
第1巻は1987年8月に刊行され、当初は年1~2冊のペースだったがしだいに減速し、11巻以降はほぼ3年に1冊のペースとなっている(13巻は2003年6月刊行)。
登場人物
[編集] 人界
[編集] 竜堂兄弟
声優名は(アニメ:CDドラマ1:CDドラマ2)の順。
竜堂 始(りゅうどう はじめ)
声 - 堀秀行:速水奨:宮本充
長男、23歳。共和学院高校の元世界史教師。“活字中毒者”。頑固で厳しいが、弟思いの大黒柱。前世は東海青竜王敖広。文庫版の挿絵を担当したCLAMPの中では一番人気だそうである。作者の代表作である「銀河英雄伝説」に登場するヤン・ウェンリーと共通点が多く、本作における語り部的な存在と言える。ただし、ヤン・ウェンリーと違い、勤勉な性格である。
東海青竜王 敖広(とうかいせいりゅうおう ごうこう)
姓は敖、名は広、字は伯卿(はくけい)、号は東海青竜王。竜種の長。重力を司る。騎獣は青臞疏(せいかんそ)。
竜堂 続(りゅうどう つづく)
声 - 飛田展男:置鮎龍太郎:同左
次男、19歳。共和学院大学人文学部西洋史学専攻。美形だが毒舌家で、敵対する相手には冷徹極まりない。『卑怯が大好き』『嫌いな人間の苦痛には無限に耐えられる』随分な性格。小さい頃から兄の始を大変尊敬しており、基本的に始の決めたことにしか従わない。また、茉理にも頭が上がらない。前世は南海紅竜王敖紹。
南海紅竜王 敖紹(なんかいこうりゅうおう ごうしょう)
姓は敖、名は紹、字は仲卿(ちゅうけい)、号は南海紅竜王。炎と冷気を司る。騎獣は紅飛廉(こうひれん)。
竜堂 終(りゅうどう おわる)
声 - 中村大樹:石川英郎:同左
三男、15歳。共和学院高校一年生。腕白坊主。身体能力の冴えは兄弟随一。決して大柄な体格ではないが大食漢で、食に対しては才能以上のものを発揮することもある。よく“小遣い抜きの刑”をくらい、よく“食べることに関する懐柔策”にひっかかる。その歌唱力は、ナルサスの絵に匹敵すると言われている。得意技はヘリ落とし。前世は西海白竜王敖閏。
西海白竜王 敖閏(せいかいはくりゅうおう ごうじゅん)
姓は敖、名は潤、字は叔卿(しゅくけい)、号は西海白竜王。風と音を司る。騎獣は白麒麟(はくきりん)。
竜堂 余(りゅうどう あまる)
声 - 山口勝平:緑川光:石田彰
四男、13歳。共和学院中学一年生。おとなしい気性だが、時として無邪気に終をヘコませる影の毒舌家。兄弟のうち最初に覚醒した。時間と空間を超越できる『夢』を見る能力がある。前世は北海黒竜王敖炎。
北海黒竜王 敖炎(ほっかいこくりゅうおう ごうえん)
姓は敖、名は炎、字は季卿(きけい)、号は北海黒竜王。雨と雷を司る。騎獣は火眼黒狻猊(かがんこくしゅんげい)。潜在能力は最大。 |