[山本弘] まだ見ぬ冬の悲しみも
山本 弘(やまもと ひろし 1956年 - )は日本のSF作家、ファンタジー作家、ゲームデザイナーである。京都府出身。京都市立洛陽工業高等学校電子科卒業。 と学会会長として知られる。「山本弘」はペンネームだが、本名も読みは同じ。
1978年、第1回奇想天外SF新人賞佳作を受賞した『スタンピード!』でデビュー。このとき同時に佳作を受賞した作家に新井素子がいる。処女長編は1988年出版の『ラプラスの魔』(角川文庫より刊行)。
ゲームデザイナー集団グループSNEでSF、ファンタジー小説を手がけ、現在はグループSNE社友。著作の大半はライトノベルの長短編で『ソード・ワールド』シリーズ(富士見ファンタジア文庫)および『妖魔夜行』・『百鬼夜翔』シリーズ(角川スニーカー文庫)の主要著者グループの一人である。ソード・ワールドにおいては西部諸国、『妖魔夜行』シリーズでは世界観の基本設定を担当し、森崎摩耶、穂月湧を主人公としたシリーズを執筆している。また浜本弘として自作にチョイ役で出演している。このことは後日コンプRPGの読者にシナリオネタにされている(『生みの親を死守せよ!』という作品が同雑誌の妖魔夜行コーナーで投稿作品として紹介されている)。
ライトノベルSFの分野では『サイバーナイト』や『時の果てのフェブラリー』などの作品があり、この分野においては、野尻抱介らとともにハードSF志向が強い作家のひとりである。「SFの本質はバカ(バカバカしさ&真剣さ)である」というスタンスを表明しており、現実にはありえない発想に科学考証を加えるというセンス・オブ・ワンダーを重視している。
ライトノベル分野以外でも近年SF作品を精力的に発表しており、2004年の日本SF大賞候補作に長編『神は沈黙せず』が、2005年のSFマガジン読者賞に短編『メデューサの呪文』が選ばれるなど、正統派のSF作家としての評価は高まっている。また、「主人公は世界の本当の姿を知らない」「現実は見た目どおりではない」というスタンスの作品を示す『パラノイアSF』という概念をたびたび提唱している。
2006年5月には角川書店から『アイの物語』が発行され、同年8月のJGC2006においては出演した山本が熱心に宣伝活動を行っていた。

[まだ見ぬ冬の悲しみも]
タイムトラベル実験の恐るべき顚末を描いた表題作、謎の異星生命体との危険なコンタクトを果たした詩人の手記「メデューサの呪文」、アキバ系科学幻想譚「シュレディンガーのチョコパフェ」等、科学と奇想と語りの饗宴全6篇。 |