ホンダが５日、自動車レースの最高峰Ｆ１シリーズから撤退すると発表した。福井威夫社長が東京都港区の本社で「金融危機と各国に広がった実体経済の急速な後退により、撤退を決定した。Ｆ１に注いできた情熱や資源を、新しい時代に振り向ける」などと苦渋の決断の理由を説明した。年間５００億円を超えるとみられる経費の削減を図るとともに、Ｆ１関係の技術者を環境対策など新しい研究開発に投入する方針。福井社長は来年、ホンダ系の三重・鈴鹿サーキットで３年ぶりに行う予定の日本グランプリ（ＧＰ）については「開催する」とした。
東京五輪が開催された１９６４年、ホンダはＦ１に初参戦した。だがＦ１ホンダの歴史は、四輪市販車を販売する前に始まっている。創業者の故本田宗一郎氏が６０年代初頭に参戦を決断。６４年に２０人ほどのチームで、３戦に出走した。
翌年のメキシコ・グランプリ（ＧＰ）で初優勝。米国人ドライバーのリッチー・ギンサーがトップでゴールすると、チーム全員が泣いたという。その後も「Ｆ１車は走る実験室」（本田氏）として新技術を次々に投入。市販車への還元も図られた。
６８年を最後に撤退したが、８３年にウィリアムズなどにエンジン供給を開始した。８８年には独自開発したターボエンジンで年間１６戦中１５勝と、Ｆ１界を席巻。ドライバーの故アイルトン・セナ（ブラジル）や中嶋悟らが人気を集め、日本に空前のＦ１ブームを巻き起こした。ホンダ製エンジンで走ったドライバーは５年連続で年間優勝を飾り、人気と実力を兼ね備えて黄金時代を築き上げた。
再度の撤退を経て２０００年から３度目のＦ１参戦。０６年から車体とエンジンの両方を独自に製作する単独チームになり同年のハンガリーＧＰで優勝を果たした。同年からは鈴木亜久里氏のスーパーアグリにもエンジンなどを供給していた。
だが、昨年から不振に陥り、今季は１周の速さを競う予選から下位に沈むＧＰが続き、決勝は後方からの苦しい戦いとなった。表彰台は１度だけで、フル参戦１０チーム中９位だった。
◆福井社長 一問一答
－今の気持ちは。
当初目標としていた成果が出せずに撤退するのは悔しいし、残念。ファンに大変申し訳ない。
－決定したのはいつ。
会社として意思決定したのは昨日（４日）。
－エンジンのサプライヤーとして活動する考えは。
エンジン供給の活動継続は今後、考えていない。中途半端な参加はしたくない。
－Ｆ１はホンダの文化といわれていた。
それほど自動車産業を取り巻く環境が厳しい。マーケットが冷え込んでいるだけでなく、自動車産業は新しい時代に入ってきている。時代の変わり目に経済危機が来たと理解している。
－ほかのカテゴリーのレースは。
（オートバイの）モトＧＰと、（自動車の）インディカー・シリーズは続ける。それ以外はこれから詰める。
◆ｊチーム買収３人名乗り ＢＢＣ報道
【ロンドン＝共同】自動車Ｆ１シリーズからのホンダの撤退を受け、チームのニック・フライ最高経営責任者（ＣＥＯ）は５日、早くも３人の買い手が名乗りを上げたと英ＢＢＣ放送に明らかにした。
「この１２時間のうちに３人の真剣な候補が、チームを買収したいとの意向を伝えてきた」と語った同ＣＥＯは、英国に本拠を置く同チームは最新設備がそろい、魅力的な資産であることを強調した。 |
发表于 2008-12-8 09:08:50
提升卡
变色卡
发表于 2008-12-8 09:13:16
