好きこそものの上手なれ
人物:真紀(20代) 美保(20代)
場面:休み時のおしゃべり
真紀:ねえ、この頃則子元気ないんじゃない?
美保:知らないのお?則子、池田信男が好きなんだって。
真紀:えーっ?池田ってあの無口な暗い人でしょ?笑い声聞いたこともないわ。
美保:その寡黙なところがよいんだって。今時の男には珍しいって言うのよ。確かに軽くはなさそうだけど。
真紀:だけどさー、私はやだな、ああいうの。面白くないじゃん。
美保:「蓼食う虫も好きすき」ってやつよ。則子が気に入っちゃったんだから仕方ないわよ。
真紀:だけど、池田君あれじゃあ絶対彼女いないに決まってるから、則子が言ったらすぐOKじゃない。
美保:ところが池田君、女の子に全然興味ないらしいわよ。もう碁一筋なんだって。
真紀:ゴって?あの白い石と黒い石の碁?わあオジサンの趣味!信じらんない。
美保:そーよね。だけど、「好きこそものの上手なれ」って、かなりいい線いくらしいの。全国大会なんかで。
真紀:へーえ、すごいじゃん。でも、いくら碁が上手でも、やっぱりツマンナイやつよね。
美保:ま、私もそう思うけどね。それで話がしたいからって、則子、碁習い始めたのよ。
真紀:えーっ、そこまでやるの!でも池田君悪い人じゃなさそうだから、ま、則子のお手並み拝見ってとこね。
美保:そういうこと。池田君なら私たちと取り合いでケンカになることもないし、高見の見物でいきますか。
単語
好きこそものの上手なれ:(惯用)着迷才能出成就
真紀(まき):(人名)真纪
美保(みほ):(人名)美保
おしゃべり:(名)闲聊
則子(のりこ):(人名)则子
池田(いけだ):(姓氏)池田
信男(のぶお):(人名)信男
無口(むくち):(形动)不爱说话的,沉默的
暗い(くらい):(形)阴沉,不明朗
寡黙(かもく):(形动)沉默寡言
珍しい(めずらしい):(形)稀有,罕见的
蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきすき):(惯用)人各有所好
碁(ご):(名)围棋
一筋(ひとすじ):(名)一心一意
手並み(てなみ):(名)本领,本事
高見の見物(たかみのけんぶつ):(惯用)袖手旁观,作壁上观 |