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(原帖地址 http://high2008.gicp.net:88/disp ... p;star=1&page=1)
丘の上には、3人のおこじょが集まっていました
「あれれ?ここでなにをしてるの?」
「やあ、ここはいい場所だね」
「僕たちも一緒にお昼寝していい?」
ハルは、とってもとっても大喜び、
「うん、一緒にお昼寝しよう」
よいしょ、よいしょ、よいしょ
おこじょのハルは、
今日も一生懸命
小さな体で
大きな丘を登ります。
きょうも、4人で
いっしょにお昼寝。
よいしょ、よいしょ、よいしょ。
「ここに大きな木を植えよう」
おこじょのアキが、いいました。
「そうすればもっといい場所になるよ」
みんなも大賛成
この木は、みんなの宝物。
みんなで頑張って植えた宝物。
よいしょ、よいしょ、よいしょ。
きょうも、4人で一緒にお昼寝。
丘の天辺(てっぺん)の木の下に集まります。
「あれれれ?木の実が生(な)ってるよ」
木には、小さな小さな木の実が
ひとつだけ付いていました
新しい宝物が、生まれていました
「おいしそうな木の実、食べたいな」
おこじょのハルが、いいました。
「だめだよ、僕が見つけたんだ」
「僕が、食べるよ」
おこじょのナッツが、いいました。
「ばかだなあ、木の実を植えれば」
木が生えて、
もっとたくさん木の実が生るよ」
おこじょのアキが、いいました。
「だめだよ、採(と)っちゃだめだよ。
せっかく頑張ってできた
木の実だもの」
おこじょのフユユが、いいました。
たいへんたいへん、喧嘩になっちゃった。
木の実がひとつしかないから喧嘩になっちゃった。
「もうみんなと一緒にお昼寝なんかしないよ」
「さよなら」
「さよなら」
「さよなら」
丘の天辺にはハルだけが残りました。
みんな一緒の楽しいお昼寝。
今は、ハルだけになってしまいました。
次の日、ハルはおうちでお昼寝。
次の日も次の日も、一人でお昼寝。
寂しいよ、寂しいよ。
会いたいよ、みんなに会いたいよ。
よいしょ、よいしょ、よいしょ。
次の日、ハルは丘を登ります。
小さな体で一生懸命登ります。
よいしょ、よいしょ、よいしょ。
丘の上には、すっかり大きくなった
木がありました。
大きな木には、たくさんの木の実が付いていました。
でも、あんまり嬉しくありません。
ほしかった宝物なのに、
ハルは、ほしくありません。
寂しいよ、一人ぼっちは寂しいよ。
会いたいよ、みんなに会いたいよ。
よいしょ、よいしょ、よいしょ。
本当の宝物を見つけたハルは、
信じています。
いつかまたみんなで仲良くお昼寝することを
ずっと信じています。
そうしてハルは、
今日も一生懸命、
小さな体で
大きな丘を登ります。
こうしてハルは、
本当の宝物を
見つけたのです。 |
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