人間の定義は様々だが、「火を使う動物」とも言う。太古から火の扱いに長じてきた。その理由について作家の池澤夏樹さんが、「人の身体サイズは火を使うのにちょうど良い大きさだった」という説を引いている(『母なる自然のおっぱい』新潮社)
人类有各种各样的定义,其中之一为”会使用火的动物“。从远古开始,人类就擅长于用火。对于人类为什么擅于用火,作家池泽夏树先生认为”人类体型大小正好适于用火“(《自然母亲的乳房》新潮社)
▼人がもしネズミのようなサイズだったら、身の丈に合うのは極小の焚(た)き火だ。消えないようにするのは至難の業だったろう。逆にゾウのように大きければ、山火事の心配のない焚き火場を見つけるのは難しかったに違いない
人类如像老鼠大小,则与体型适合的将是非常小的火,要维持这么小的火种不熄灭是非常困难的。相反,如果人类体型像大象一样庞大,那么想找一个地方生火而不用担心引起山火也是非常困难的。
▼つまり人間は、燃やし続けやすく扱いやすい火の大きさに、ぴたりのサイズに生まれついたのだそうだ。とはいえ、火はときに、人の身の丈をはるかに超えて猛(たけ)る。オーストラリアの山野をなめる炎の犠牲者は、200人に近づいている
总之,人类生来的体型似乎正适合利用火及维持火种。话虽如此,火有时候是会远远超过人类体型大小而猛烈燃烧的。在澳大利亚山野大火中有近200人丧生。
▼「燎原(りょうげん)の火」を地でいく勢いで広がったようだ。樹林を包むように燃える「樹冠火(じゅかんか)」と呼ばれる火災で、専門家によれば、炎の丈は20から30メートルにも達するという。風次第では時速50キロぐらいで広がる。被災者は巨大な怪物に追われる心地だったろう
灾难好像是”燎原之火“在大地上顺势蔓延而造成的。据有关专家称,在这种围住森林燃烧,被称为”树冠火“的火灾中,火焰高达20-30米。借着风势,火的燃烧速度能达到每小时50公里。受害者感觉被一个巨大的怪物追赶着。
▼いまが夏の現地は猛暑が続き、メルボルンでは46.4度を記録した。湿度は一桁(ひとけた)台だったという。異常な天候に、情報伝達の遅れという人的要因も重なっての惨事のようである。大阪府の2倍に近い焼失面積にも驚くばかりだ
当地现正处于夏天,遭受着持续不断的酷热。墨尔本当地的温度创纪录达到了46.4度。而湿度则是个位数。据说,在如此异常的天气下,主要是因人为因素而造成信息传达接二连三的延误,最终酿成惨剧。被大火烧毁的面积将近是大阪府面积的2倍,实在让人吃惊。
▼ひと雨来れば、焼け跡からは新しい芽が萌(も)え出すだろう。太古からの自然の営みだが、山野は色をかえしても失われた命は戻らない。悼みつつ、手なずけたつもりでいる火の怖さを改めて思う。
一场雨后,大火烧过的地方又会生出新芽吧。大自然自古以来即如此。但山野虽能恢复绿色,失去的生命却无法挽回。哀悼的时候,也反思一下,我们想要驯服的火有多么可怕。
词汇:
一桁:个位数
手なずける:驯服、使顺从
[ 本帖最后由 天天爬树 于 2009-2-14 00:47 编辑 ] |