26日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米国景気への先行き警戒感が後退する一方、日本経済への悲観論が広がって続伸して始まった。午前9時現在は、1ドル=97円41―44銭と前日(午後5時、97円15―18銭)比26銭のドル高・円安。
前日海外市場でドル円相場は、NY株安にもかかわらず堅調を持続。一時は98円台をうかがう辺りまで水準を切り上げた。本邦GDPや貿易の統計悪化が明らかになる中、円資産がリスク回避の対象としにくいとの見方が広がったため。市場筋によるとバーナンキFRB議長が議会証言で「日本は今もデフレに苦しんでいる」と発言したと伝わったことも円売りに拍車を掛けたという。
けさのシドニー市場でも、日本経済への不安を背景にドルは97円台後半へ上伸。明けた東京市場は97円台前半での落ち着いた取引となっているが、市場筋によると、毎週木曜日は週末を控えた海外勢のポジション調整がかさむため、値動きが大きくなる可能性があるという。
このところのドル高要因に米債大量発行を挙げる向きが多いが、三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明氏は「米金利上昇すなわちドル高との理解は可能だが、一方では財政負担増つまりドル安とも受け取れる」と固定的な材料視に懐疑的だ。
目先の注目材料は海外企業決算発表。日本時間今晩は米GMの発表が控えるほか、RBSなどの決算も欧州景気を占う上で要注意だ。
ユーロは対円、対ドルで下落。午前9時現在、1ユーロ=123円83―88銭)(前日午後5時、125円04―07銭)、対ドルで1ユーロ=1.2715―18ドル(同1.2871―74ドル)。(了) |