吾輩(主人公の猫)
珍野家で飼われている猫。本編の語り手で、名前は未だない。人間の生態を鋭く観察したり、猫ながら古今東西の文芸に通じており哲学的な思索にふけったりする。人間の内心を読むこともできる。
三毛子
隣宅に住む二絃琴の御師匠さんの家の雌猫。主人公の事を「先生」と呼ぶ。
車屋の黒
大柄な雄の黒猫。べらんめい調で教養がなく、大変な乱暴者なので主人公は恐れている。
珍野苦沙弥(ちんの くしゃみ)
猫の飼い主で中学の英語教師。妻と3人の娘がいる。偏屈な性格で胃が弱くノイローゼ気味である(漱石自身がモデルとされる)。
迷亭(めいてい)
苦沙弥の友人の美学者。ホラ話で人をかついで楽しむのが趣味の粋人(美学者大塚保治がモデルともいわれるが漱石は否定したという。また、漱石の妻鏡子の著書『漱石の思ひ出』には、漱石自身が自らの洒落好きな性格を一人歩きさせたのではないかとする内容の記述がある)。
水島寒月(みずしま かんげつ)
理学者で、苦沙弥の元教え子。なかなかの好男子(寺田寅彦がモデルといわれる)。
越智東風(おち とうふう)
詩人で、寒月の友人。「おちこち」と自称している。
八木独仙(やぎ どくせん)
哲学者。ヤギのような髭を生やし意味不明な警句を吐くが、誰も分からない。
甘木先生
苦沙弥の主治医、温厚な性格。
金田(かねだ)
近所の実業家。苦沙弥に嫌われている。苦沙弥をなんとかして凹ませてやろうと嫌がらせをする。
鼻子(はなこ)
金田の細君。寒月と自分の娘との縁談について珍野邸に相談に来るが、横柄な態度で苦沙弥に嫌われる。巨大な鼻の持ち主で「鼻子」と猫につけられる(鼻が大きくて「鼻の圓遊」と呼ばれた明治の落語家初代三遊亭圓遊にヒントを得て創作されたという説がある)。
富子(とみこ)
金田の娘。母親似でわがまま。
鈴木籐十郎(すずき とうじゅうろう)
苦沙弥、迷亭の学生時代の同級生。金田家に出入りし、金田の意を受けて苦沙弥の様子をさぐる。
多々良三平(たたら さんぺい)
苦沙弥の教え子。
牧山(まきやま)
静岡在住の迷亭の叔父。園遊会出席のため上京、苦沙弥と出会う。丁髷を結い鉄扇を手放さない旧幕時代の権化のような人物である(内藤鳴雪がモデルとされる)。
おさん
珍野家の下女。主人公の猫を好いていない。
雪江
苦沙弥の姪、女学生。時々珍野邸に来て苦沙弥とケンカする。
二絃琴の御師匠さん
三毛子の飼い主。天璋院様の御祐筆の妹の御嫁に行った先きの御っかさんの甥の娘である。
以上转载自日文的wiki |