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本帖最后由 yangzedonggg 于 2011-5-5 16:53 编辑
一高の一年の頃、浅草の日本館にオペラのさきがけがあって、河合澄子がポチャッとした肉体で舞台からキスを投げたりして、当時の風潮では破天荒のエロ騒動を起し、所謂ペラゴロ連がワンサと押掛けて、君子士人のヒンシュクをかい、一高生の私などは映画見物に行ってその日本館の前を通るのも恥しかった頃、わが川端少年(?)はちゃんと白線のついた正帽をかぶり、袴をつけて朝の十時から恥し気もなく二階特等席の最前列に腰かけて、たった一人ニコニコと河合澄子の見物に出掛けたものである。一高の中堅会に見つかったら、夜校庭の鉄拳制裁を受けるところだろう。その彼が僕にあんな面白いものを見に行かないのはどうしてだと、まるで解し兼ねるような顔付で親友の僕をいぶかるのである。まるで聖人君子だ。こっちはそれどころではない、聞いても顔から火が出る思いだった。
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