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2004年は、天災と人災に恐怖を感じた年
財団法人日本漢字能力検定協会(本部:京都市/理事長:大久保昇)は、漢字の奥深い意味を伝授する活動の一環として、毎年年末に全国公募による1年の世相漢字を決定しております。
本年も10月下旬から12月初旬までの間、2004年を表す世相漢字「今年の漢字」を全国公募した結果、過去最多の91,630通の応募をいただき、「災」が20,936票(22.84%)を集めて1位になりました。
つきましては、2004年「今年の漢字」を「災」と決定いたします。
「災」を選んだ理由には、台風、地震、豪雨、猛暑など、記録的な天災に相次いで見舞われたことをはじめ、イラクでの人質殺害や子供の殺人事件、美浜原発の蒸気噴出事故、自動車のリコール隠しなど、目を覆うような人災が多発したことが挙げられています。
そんな中、次々と人災を起こす人間の身勝手さに対して、神や自然が怒ったように感じたという意見や、天災に対して人間がいかに無力であるかを痛感したという意見も多く、「災い転じて福となす」の諺のように、来年は福の多い年になって欲しいと祈るばかりだという意見が多数、寄せられました。
中には、いつ起こるかわからない天災への不安を「災」の一文字に込め、清水寺に奉納して清めて欲しいという、当行事に寄せる期待も見受けられました。
なお、「災」は2位の「韓」に1万4千票以上の大差をつけ、全応募者の2割を超える票を集めています。また、3位「震」、6位「風」、7位「嵐」、8位「乱」、9位「揺」、10位「命」にも、「災」と同様の理由が見受けられました。ベストテンにランクインした漢字のうち半数以上に同じ理由が挙げられたのも、今年の大きな特徴です。
本日は、このような今年の世相を「災」の一文字に託して、日本を代表する寺「清水寺」の森清範貫主に大きく揮毫していただき、清水寺「奥の院」のご本尊・千手観音に奉納する儀式を行います。これにより、「災」に託された人々の不安と今年の世相が清められ、来年は福多き年になることを願ってやみません。なお、揮毫された「災」は大晦日まで、清水寺の本堂に置かれ、一般の方々に公開されます。
また、この行事は「漢字の日」(12月12日=いい字一字)の年中行事に位置づけております。今年は「漢字の日」が日曜日にあたるため、会場での混乱を避けるために、本日12月13日に行いますが、行事の主旨は変わりません。この行事により、国民の皆様が、今年の世相とともに漢字の持つ奥深い意味を認識していただくことを願っております。 |
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