日本語構造伝達文法の中国語への適用―予備的考察―
http://www.linguistics.com.cn/jiang/dxy10.pdf
要 旨
本稿は「日本語構造伝達文法の中国語への適用」という研究の予備的考察である。予備的考察として,主に,文法研究に関する基本的な考え方や立場,これから行おうとする研究の目的と対象,日本語構造伝達文法の基礎等を述べた。具体的に言えば,まずは,文を考察するために,深層格,表層格,文の成分,「主題-解説」構造といった文の四つのレベルを区別する必要性を主張した。次に,中国語の文の研究でよく利用されてきた符号図示法,枠式図示法,黎錦煕の図示法を紹介した。それに,研究の基本的立場,目的,考察対象等を述べた。最後に,日本語構造伝達文法の基礎,即ち構造モデルと時空モデルについて論じた。
キーワード:文の四つのレベル,文の図示法,日本語構造伝達文法,構造モデル,時空モデル |