菅義偉官房長官は26日の記者会見で、中国で「抗日戦争勝利記念日」「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」を設ける法案が審議されたことについて、「なぜ終戦後69年たって記念日を設置しようとしているか疑問がないとは言わないが、基本的には(中国の)国内問題だ」と述べた。
南京事件に関する安倍政権の立場については、菅氏は従来の政府見解に沿って「事実関係をめぐって様々な議論が存在していることは承知している。そういうなかで、旧日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害、略奪行為があったことは否定できない」と説明した。
中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は27日、9月3日を「抗日戦争勝利記念日」、12月13日を「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」とする法案を採択した。今後は正式に国を挙げて記念・追悼行事を実施していくとみられる。国営新華社通信が伝えた。
中国では、日本が1945年9月2日に降伏文書に調印した翌3日を正式な抗日戦争勝利記念日と位置づけているが、記念行事としては定例化していない。また、中国メディアによると、江蘇省や南京市では94年から、12月13日に地元政府幹部や遺族らを招いた南京大虐殺の犠牲者追悼式典を独自に行ってきた。
今回、法律で記念日を定めたことで、国家指導者による演説や献花、中国全土での半旗掲揚などが行われる可能性があり、国際社会にも積極的に発信されていくとみられる。
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