重金属による中国の食糧汚染、年間1200万トン 詳細を国家機密にして逆に広がる疑心暗鬼
2014.5.29 07:23 (1/2ページ)[環境・エコ]
中国の土地汚染がますます深刻化している。ある農業の専門家によると、毎年、1200万トンもの食糧が重金属によって汚染されているという。政府は今年4月に初めて「全国土壌汚染状況調査公報」を発表したが、その内容はかなり大雑把なもので、より詳細な内容は「国家機密」を理由に公開されていない。公開することによって、各地でパニックが起こるのを恐れているのだろうか。
「全国土壌汚染状況調査公報」は、2005年4月から13年末までの長期にわたって全国調査した結果をまとめたもので、調査面積は630万平方キロに及ぶ。それによると、汚染物質によって基準を超えている土壌は全国の16.1%に達している。軽微、軽度、中度、重度の4段階に分けると、それぞれ11.2%、2.3%、1.5%、1.1%となっている。
汚染物質ではカドミウム、水銀、鉛といった重金属が全体の82.8%を占めている。地域別には長江下流域や珠江デルタなど南方の汚染が際立っている。このほか工業廃棄物関連では、調査した81カ所のうち約35%が基準を超えていたなどのデータが載っている。
だが中国紙の経済参考報は、公表されたデータだけでは全体の傾向は把握できたとしても、個別の詳細な状況は未公表なので、被害の本当の深刻さが分からないと厳しく批判している。
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