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发表于 2015-9-15 20:06:12
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山崎は十一杯目のコーヒーを入れた。俺は一気に二杯目のラーメンを啜りこんだ。
山崎开始搅第十一杯咖啡。我则消灭掉了第二桶泡面。
「……わかりましたよ佐藤さん。ならば話しましょう。僕の目論見《もくろみ》を話して聞かせましょう」
“......情况我已经大致了解了,佐藤哥。那就请先听听我的看法吧。”
山崎は身を乗り出して、低い声でささやいた。
山崎凑过身来,低声道。
「いいですか? 現在のゲームは、あまりにも大規模です。大量のデータと緻密《ちみつ》なプログラムが必要で、僕たち素人には絶対に手が出せません。せいぜい、一昔前のファミコンゲーム程度を作るのがやっとです。それでは到底、ゲームクリエイターを名乗ることなどできません」
“知道吗?现在的游戏,制作规模之大不亚于拍电影。需要编写庞大的数据和程式,我们这种垃圾怎么可能做得来。就算做出来了,顶多也就是红白机游戏的程度”
红白机游戏:初代任天堂家用机NES(俗称红白机,日本以外地区叫做Nintendo Entertainment System,即NES;日本叫做Family Computer,即FC。最初发售日期是1983年7月15日,普及是在八十年代末,九十年代初)的游戏,以动作类游戏见长。代表作是魂斗罗系列,恶魔城系列,超级马里奥系列,双截龙系列,古巴英雄,洛克人系列,忍者龙剑传系列,忍者神龟系列。
「だったら──」
“那就算——”
口を挟もうとする俺を、山崎は素早く遮った。
我正要插言,山崎却忽然抬高了声音。
「いいから聞いてください。……方法は、あるんですよ。予算もない、仲間もいない、極々限られたリソースしかない──そういった貧しい状況でも、だけど、方法はあるんです。ろくなプログラムが組めなくても、ヘボい音楽しか用意できなくても、五十枚程度のCGと、小説一本分ぐらいのシナリオさえあれば、ただそれだけでオッケーな、そんなゲームのジャンルが存在するんです!」
“先不要急着下结论。......办法呢,还是有的。即使是在没有资金,没有人手,手头资源又极为有限的糟糕条件下——办法,也是有的。既不需要编写复杂的程序,曲子不太好也没关系,只要五十张CG左右的插图,一本小说字数的剧本,就足矣了。像这种低投入的游戏种类确实也是有的!”
※CG:Computer Graphics的简称,计算机技术制作的图像
山崎の声には、いまや紛れもない情熱が込められていた。
山崎的声音中,迸发出前所未有的狂热。
「そ、そのジャンルとは?」俺の声もうわずっている。
“那,游戏的种类是?”我的声音兴奋地颤抖着。
「プログラムは、フリーのゲーム用インタプリタを借用すればオッケーです。音楽もフリー素材のCDから適当に抜きましょう。そしてCGは僕が書きます。佐藤さんはシナリオです」
“程序上,用免费的简易游戏引擎就好。音乐就从扯不上版权问题的CD里搜刮。至于CG就由我一手操办好了。佐藤哥你负责剧本”
──シナリオ? あぁ、どうせ、『悪者に攫《さら》われたお姫様を主人公が助けに行く』って感じのお話を、適当にこさえればいいんだろう?
——剧本?喔喔,不就是“公主被坏人劫走,主角毅然前去营救”之类的嘛,适当地编一个就是啦。
「ああ、ゲームのシナリオぐらい、いくらでも書いてやるよ!……だから、そのゲームのジャンルは?」
“没问题,区区一个游戏剧本,小菜一碟啊!......话说,游戏的种类是?”
「やってくれますか佐藤さん!」山崎は俺の肩を叩いた。
“总之你干不干吧佐藤哥!”山崎着力地拍了下我的肩。
「よし、やろう山崎君。俺たち二人でゲームを作ろう! だからゲームのジャンルは?」
“干,当然干啦山崎君。咱俩一起制作游戏!所以游戏的类型是?”
「CGとシナリオさえ良ければ、がつんと有名になれますよ。ゆくゆくはプロだって目じゃありません。同人で一儲《ひともう》けしたら、会社だって作れます」
“”只要CG和剧本足够好,成名根本就不是难事儿。随着名气越来越大,一些名家都要向我们跪拜。干同人赚足了钱,就能开公司啦“
※没有商业注册的集团,个人制作的游戏叫做同人游戏。基本不受任何法律保护,不可用于商业手段。但在日本有集中贩卖同人产品的场合,如comic market,以及一些同人性质的展会,里面分摊位卖,自产自销,形同地摊。虽属民间,其中不乏逸品。
「おお、会社! それは凄いな山崎君。君が社長だ。俺は副社長だ!……だからゲームのジャンルは?」
“噢噢,公司!那真是大手笔啊山崎君。你当社长,我当副社长!......所以游戏的种类是?”
「やるんですよね? 佐藤さん」
“真的干吗?佐藤哥”
「……あぁ、やるよ」
“......嗯,干”
「ここまできたら、後戻りはできませんよ」
“既然这么说,可就没有回头路了”
「しつこいなぁ」
“别废话啦”
「それじゃあ、握手です。明日に向かって、僕たちは駆け抜けましょう!」
“那么,握手吧。向着明天,我们一起奔跑吧!”
山崎は俺の手を取り、固く握りしめた。
山崎抓起我的手,紧紧地握在一起。
「僕たちは、同志です」
“咱们今后,就是朝夕与共的同志了”
「だから、ゲームのジャンルは?」
“所以,游戏的类型是?”
「僕たちは、仲間です!」
“咱们今后,是并肩战斗的伙伴了啊!”
「ゲームのジャンルは?」
“游戏的种类是?”
「僕たちはクリエイターです!」
“咱们今后就是游戏制作人了!”
「……だから、ゲームのジャンルはなんなんだよ?」
“......所以啊,那游戏的种类到底是啥啊啊?”
何度目かのその問いに対し、ついに山崎は胸を張って答えた。
在我的一再追问之下,山崎终于慷慨激昂地做出了回答。
「エロゲーです!」
“黄游!”
……誰か、助けてくれ。
......我靠,救救我吧。
*
ふらつく足取りで自室に戻ろうとする俺を、山崎が引き留めた。
就当我气若游丝地站起准备回房之际,山崎拉住了我。
「これが資料です。早いところ、目を通しておいてください。これだけの数のゲームをプレイすれば、業界の傾向が理解できるでしょう」
“这些算是资料。趁早接触一下吧。打完这个数量的游戏,应该就能了解业界的倾向啦”
彼はそう言って、ゲームのパッケージを三十本はど俺に手渡した。
他说着,把约三十个游戏软件盒递给了我。
そのパッケージには、「責」「濡」「虐」「淫」「縛」「学園」「監禁」「陵辱」「鬼畜」「純愛」「調教」「アドベンチャー」などなどといった、普段あまりお目にかからない種類の単語が大量にちりばめられていた。
那些个包装盒上,罗列着诸如“贵” “湿” “虐” “淫” “缚” “学园” “监禁” “凌辱” “鬼畜” “纯爱” “调教” “探险”等等等等平日里难得一见的偏门字眼。
俺は泣きたくなった。しかし山崎は笑っていた。
我差点泪洒长襟,山崎则眉飞色舞,口若悬河。
「十八歳未満購入禁止のゲームですよ。エロいゲームですよ。つまりそれこそエロゲーですよ。エロゲーこそが、僕たちに残された唯一の道なんです。エロゲーでクリエイターになりましょう。エロゲーでクラスの奴らを見返してやりましょう。エロゲーで億万長者になりましょう。エロゲーで世界に羽ばたきましょう。エロゲーでハリウッドに進出しましょう。エロゲーで文化勲章をもらいましょう。エロゲーでノーベル──」
“就是未满十八岁禁止购买的游戏啦。也就是十八禁,黄色游戏。故简称黄游。能够指引我们走向成功的,只有黄游!还等什么!让我们以黄游为跳板成为一流的游戏制作人吧。让我们用黄游改变世人对我们的看法吧。让我们靠黄游成为亿万富翁吧。让我们的黄游突破人与人之间的一切鸿沟,传播到世界各地吧!让我们用黄游进军好莱坞吧!用黄游拿诺贝尔——”
その笑顔はどこまでもどこまでも晴れ晴れとしていて、「やーめた!」と言って逃げ出せるだけの雰囲気は、もはやどこにも残されていなかった。
看着他满脸春风,自我陶醉的样子,我纵是有满心的放弃,又怎能说得出口。 |
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