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8 風の特殊なとおり道(8)
その午後、僕はパンを焼いた。鼠の部屋でみつけた「パンの焼き方」という本はとても親切な本で、表紙には「文字さえ読めればあなたにも簡単にパンを焼けます」と描いてあったが、実にそのとおりだった。僕は本の指示に従って実に簡単にパンを焼いた。家じゅうに香ばしいパンの香りが漂い、暖かい雰囲気をそこに作りあげた。味の方も初心者にしては悪くなかった。台所には小麦粉(こむぎこ)もイースト菌もたっぷりあったし、もしここで一冬を越さねばならなくなったとしても少なくともパンの心配だけはしなくて済みそうだった。米もスパゲティーもうんざりするほどある。
僕は夕方にパンとサラダとハム?エッグを食べ、食後に桃の缶詰を食べた。
翌朝僕は米を炊き、鮭(さけ)の缶詰とわかめとマッシュルームを使ってピラフを作った。
昼には冷凍してあったチーズ?ケーキを食べ、濃いミルク?ティーを飲んだ。
三時にはヘイゼルナッツ?アイスクリームにコアントロをかけて食べた。
夕方には骨つきの鶏肉をオーブンで焼き、キャンベルのスープを飲んだ。
僕は再び太りつつある。
九日めの昼下がりに書棚の本を眺めていて、僕は一冊の古い本がごく最近に読まれたらしいことを発見した。上部の誇りがそこだけ綺麗になって、背表紙も列から少しはみ出していた。
僕はそれを棚からひっぱり出し、長椅子に座ってページをめくってみた。「亜細亜(あじあ)主義の系譜」という戦争中に発行された本だった。紙質はひどく悪く、ページをめくるたびにかびの匂いがした。戦争中ということもあって内容は一方的で他愛なく、三ページごとにあくびがでるくらい退屈だったが、それでもところどころに伏せ字があった。二?ニ六事件に関して一行も記述がなかった。
那天下午我烤了面包。在老鼠房子里发现的那本《烤面包的方法》介绍非常详细实用,在封皮上就写有:“只要你能认得文字,你就能简单地烤面包。”实际上就像书上所写的那样。我根据书的指导简单地烤了面包。在家中漂着芳香的面包味,也给家里增加了温馨。那面包味道对初学者来说很不错。在厨房里有面粉、酵母和菌,放得满满的。若必须在这里越冬的话,不用对面包担心会能轻松度过。大米以及意大利面条都多得烦人。
在傍晚我吃了面包、色拉、火腿,饭后又吃了桃罐头。
第二天早上做了大米饭,用鲑罐头、裙带菜和蘑茹做了炒饭。
中午吃了冷冻的奶酪,喝了浓浓的牛奶。
在三点钟往冰激棱上涂抹了果汁,我把它也吃了。
傍晚我用烤箱烤了带骨头的鸡肉,然后喝了果汁。
我继续在发胖。
在第九天的下午我看着书架上的书,发现了一本有人刚刚读过的古书。排列在一起的那些书的上面,只有那本书没有灰尘非常干净,其套封皮也多少突出了一点。
我把那本书从书柜里抽出来,坐到长椅上翻页读了起来。书名叫《亚细亚主义的系谱》,是在那战争年代发行的书。纸质非常低劣,翻页时就有陈腐的味道。也有有关战争中的事情,内容单调很无聊,每翻到三页就要打起哈欠很无聊。既如此时不时地也有避讳的字。有关二•二六事件一字也没有记述。 |
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