|
かばね 0 【▽姓】
古代の豪族が氏(うじ)の下につけた称号。臣(おみ)・連(むらじ)・造(みやつこ)・直(あたい)・首(おびと)・史(ふびと)・吉士(きし)など三十種余に及ぶ。古くは氏人が氏の長(おさ)に付した尊称であったが、朝廷のもとに諸豪族が組織づけられるにつれて政治的・社会的な序列を示すものとなり、世襲されるようになった(氏姓制度)。684年、天武天皇が八色(やくさ)の姓を定め、皇親を中心として再編成したが、氏よりも家(いえ)に分裂する傾向が強まる中で自然消滅した。
やくさのかばね 【八▽色の▽姓】
684年に制定された新たな姓の制度。真人(まひと)・朝臣(あそみ)・宿禰(すくね)・忌寸(いみき)・道師(みちのし)・臣(おみ)・連(むらじ)・稲置(いなぎ)の八階よりなるが、実際には道師・稲置の二姓の賜姓は行われなかった。皇親を中心とした新たな政治的秩序の構成を図ったもの。はっしきのかばね。
まひと 1 【真人】
684年に制定された八色(やくさ)の姓(かばね)の第一。継体天皇以降の諸天皇の後裔(こうえい)で、それまで公(きみ)の姓を称した氏族に与えられた。まうと。まっと。
あそみ 1 【▽朝▽臣】
古代の姓(かばね)の一。684年に制定された八色(やくさ)の姓の第二位。最初は皇別の有力な氏に与えられたが、平安時代以降、有力な氏や皇子皇孫にも与えられるようになった。あそ。あそん。あっそん。
すくね 0 【▽宿▼禰】
八色(やくさ)の姓(かばね)の第三。大伴・佐伯など主に連(むらじ)姓の有力豪族に与えられた。
いみき 【忌▽寸】
八色(やくさ)の姓(かばね)の第四位。主として、国造(くにのみやつこ)や渡来人の有力氏族に与えられた。
みちのし 3 【道師】
684年に制定された八色(やくさ)の姓(かばね)の第五位。技術に通じた有力氏族に与えるためのものと考えられるが、実際には賜姓は行われなかった。
おみ 1 【▽臣】
上代には皇別と称する諸氏に与えられ名門とされたが、八色(やくさ)の姓の制で有力な者には第二等である朝臣(あそん)の姓が与えられ、臣自体は第六等の姓とされた。
むらじ 1 0 【▽連】
古代の姓(かばね)の一。大和政権を構成する豪族のうち、伴造(とものみやつこ)系の有力氏族に与えられた姓。大伴連・中臣連・物部連・忌部連など。684年の八色(やくさ)の姓で第七位。連姓から第二、三位の朝臣(あそみ)・宿禰(すくね)を賜姓されたものも多い。
いなぎ 0 【稲▽置】
天武天皇の時代に制定された八色姓(やくさのかばね)の第八位。実際には賜姓は行われなかった。 |
|