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[其他翻译] 「ダンスダンスダンス」の翻訳(63)

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发表于 2016-6-26 21:01:57 | 显示全部楼层 |阅读模式
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それは恐ろしいほどの完璧な暗闇だった。
何ひとつとして形のあるものを識別することができないのだ。自分自身の体さえ見えないのだ。そこに何かがあるという気配さえかんじられないのだ。そこにあるものは黒色の虚無だけだ。
そんな真の暗闇の中では自分の存在が純粋に観念的なものに思えてくる。肉体が闇の中に溶解し、実体を持たない僕という観念がエクトプラズムのように空中に浮かびあがってくる。僕は肉体から解放されているが、新しい行き場所を与えられてはいない。僕はその虚無の宇宙を彷徨っている。悪夢と現実の奇妙な境界線を。
僕はしばらくそこにじっと立ちすくんでいた。体を動かそうにも、手足は麻痺したように本来の感覚を失っていた。まるで深海の底におしこまれたみたいだった。濃密な闇が僕に奇妙な圧力を加えていた。沈黙が僕の鼓膜を圧迫していた。僕はなんとか少しでも暗闇に目を馴らそうとした。でも無駄だった。時間が経てば目が馴れるというような生半可な暗闇ではないのだ。完全な暗闇だった。黒色の絵具を幾重にも幾重にも塗り重ねたような深く隙のない闇だった。僕はポケットを無意識に探ってみた。右のポケットの中には財布とキイ?ホルダーが入っていた。左の方には部屋のカード?キイとハンカチといくらかの小銭。でもそんなものは闇の中では何の役にも立たない。僕は煙草をやめたことを初めて後悔した。煙草をやめていなければ、そこにはライターなりマッチなりがあったはずなのだ。でも今そんなことを悔やんでも仕方無い。僕はポケットから手を出し、壁のありそうな方に伸ばしてみた。闇の奥に僕は固い縦の平面を感じた。壁がそこにあった。壁はつるりとして冷やかだった。ドルフィン?ホテルの壁にしては冷たすぎる。ドルフィン?ホテルの壁はこんなに冷たくない。エアコンがいつも穏やかな温度に空気を保っているからだ。落ち着いてゆっくりと考えよう、と僕は自分に言い聞かせた。
落ち着いて考えるんだ。
まずだいいちにこれはあの女の子が遭遇したのとまったく同じ事態なのだ。僕はそれをなぞっているだけなのだ。だから脅えることはないのだ。彼女だって一人でちゃんとこの状況を切り抜けたのだ。もちろん僕にだってできる。できないわけはないのだ。だから落ち着くんだ。彼女がやったのとまったく同じように行動すればいいのだ。このホテルには何かしら奇妙なものが潜んでいるし、それはおそらく僕自身にも関わっていることなのだ。このホテルは間違いなくどこかであのいるかホテルと繋がっているのだ。だからこそ僕はここに来たのだ。そうだろう?そうだ。彼女と同じように行動し、そして彼女が見なかったものを見届けなくてはいけないのだ。
怖いか?
怖い。
やれやれ、と僕は思った。冗談抜きで怖いのだ。丸裸にされたような気がする。嫌な気分だ。深い暗黒は暴力の粒子を僕のまわりに漂わせている。そして僕はそれがうみへびのように音もなくするすると近寄ってくるのを見ることさえできないのだ。救いようのない無力感が僕を支配している。体中の毛穴という毛穴が直に暗闇に曝されているような気がする。シャツが冷たい汗でぐっしょりと濡れている。喉がからからになる。唾を飲み込むのにすごく骨が折れる。

  那是无比恐怖的真正的黑暗。
  不能识别任何有形的东西。连自己的身体都不能看到。在那里有什么东西的迹象?连这都没有感觉到。因为那里所存在的东西都是黑色的虚无。
  在那样真切的黑暗中,自己的存在纯粹是观念的东西。肉体溶解到了黑暗中,已经没有实体的我这个概念像灵魂那样悬浮在空中。我从肉体中解放出来了,但并没有得到新的去处。我彷徨在那个虚无的宇宙中,浮跨在恶梦和现实的奇妙境界线上。
  我在那里站立了一会儿。想挪动一下身体,但手脚都已经麻木失去了原有的感觉。就像是被推进了深海海底那样。浓稠的黑暗向我增加了奇妙的压力。沉默在压迫着我的耳膜。我力图使眼睛能习惯那样的黑暗。但那是无用的。随着时间的推进也没有能习惯那样无法形容的黑暗。那是用黑墨多次反复塗染了的没有缝隙的黑暗。我无意识地摸了摸口袋。在右侧的口袋里放有钱包和钥匙链。左侧口袋里放有房间的门卡、手帕和几个零钱。可是那些东西在黑暗中并没有什么作用。我开始后悔戒掉了烟。若是没有戒掉烟的话,在口袋中应放有打火机或者火柴什么的。可是现在后悔也没有什么办法。从口袋里把手掏出来,向有墙壁的方向伸出去摸索。在黑暗之中我触摸到了坚硬的竖立的平面。在那里有墙壁。墙很光滑很冰冷。比海豚宾馆的墙要冷得多。海豚宾馆的墙并不像这么冷。空调应总是让空气保有稳定的温度。沉静下来慢慢地思考吧。我对自己这样说。
  沉静地思考。
  首先,这和那个女孩所遭遇的事完全相同。我正在想象描绘着那件事。因为也并没有害怕之处。那位女的一人也能从这样的状况中逃脱出来,所以我当然也可以了。不可能的理由并不存在。所以要沉静下来。采取和她完全相同的行动是最佳选择。在这个宾馆里应该潜伏有什么奇妙的东西,恐怕那也和我自身有关系。这个宾馆在什么地方肯定和老宾馆有关联。所以我才来到了这里。对不对?对的。和她采取一样的行动,而且也必须要看到她没有看到的东西。
  害怕吗?
  害怕。
  就这样。我想。不是开玩笑的害怕。有种赤身裸体的感觉。一种很讨厌的心情。漆黑让暴力的离子漂浮在我的周围。它像海蛇那样无声地滑溜地靠近。我连这样的事也看不见。没有挽救的无力感支配着我。体内的毛孔直接在黑暗中暴露出来。衬衫被冷汗湿透后继续湿着。喉咙干裂,连咽口唾味都很难。
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 楼主| 发表于 2016-6-26 21:02:44 | 显示全部楼层
描写得让人害怕。
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