|
32(4)
五反田君は微笑んだ。「たしかに電話一本で外国で女が買えるシステムがあるというのは聞いたことがある。試したことはないけどね。たぶん同じ組織だろう。で、ホノルルのコールガールの何が知りたいの?」
「ジューンという東南アジア系の女の子がいるかどうか知りたい」
五反田君は少し考えていたが、それ以上は何も質問しなかった。手帳をだして女の名前をそこに書いた。
「ジューン。姓は?」
「よせよ、コールガールだぜ」と僕は言った。「ただのジューン。六月のジューン」
「わかった。明日連絡をつけてみよう」と彼は言った。
「恩に着るよ」と僕は言った。
「着なくていい。僕のために君がやってくれたことに比べればこんなの本当に些細なことだ。気にしなくていい」彼は親指とひとさし指の先をつけて目を細めた。「ところで、ハワイは一人で行ったの?」
「ハワイに一人で行く人間なんていない。もちろん女の子と二人で行ったよ。恐ろしく綺麗な子だよ。まだ十三だけど」
「十三の子と寝たの?」
「まさか。まだ胸だってろくに膨らんでないような子だぜ」
「じゃあいったいハワイまで行って二人で何してたんだ?」
「テーブル?マナーを教えたり、性欲の仕組みを解説したり、ボーイ?ジョージの悪口を言ったり、『E.T.』を観たり、いろいろ」
五反田君はしばらく僕の顔を見ていた。それから上唇と下唇をほんのちょっとずらせるようにして笑った。「変わってる」と彼は言った。「君のやることはいつも本当に変わってる。どうしてだろう?」
「どうしてだろう?」と僕は言った。「僕だってとくにやりたくてやっているわけじゃない。事態がそういう方向に流されていくんだ。メイの時と同じようにね。あれだって誰のせいでもない。でもああなってしまうんだ」
「ふうん」と彼は言った。「でもハワイは楽しかった?」
「もちろん」
「よく焼けてる」
「もちろん」
五反田微笑了一下。“确实听说过有这样的组织,打一个电话就可以在国外交易妓女。但没有试过。那应该是同一个组织吧。那么,你想知道火奴鲁鲁妓女的什么呢?”
“想知道名叫六月的那个东南亚裔的女孩现在还在不在?怎么样了?”
五反田稍想了一会儿,再也没有问什么。拿出记事本把那女人的名字写到那里。
“六月。是姓吗?”
“不,是个妓女代号吧。”我说。“只是这个六月。六月的六月。”
“明白了。明天联系一下试试。”他说。
“那就谢谢了。”我说。
“不用谢。与你为我所做的事相比,这真是微乎其微了。不用操心了。”他把拇指尖和食指尖合在一起眯上眼。“可是,夏威夷是一个人去的吗?”
“不会一个人去夏威夷的。当然是和女孩两人去的。是个极其美丽的女孩。可是才十三岁。”
“和十三岁的女孩睡觉?”
“怎么会呢。那女孩还是个胸部平平的孩子。”
“那为什么去了夏威夷?两人都做什么了?”
“教她西餐的规矩,解释性欲的构造,说些男人口头坏话,看《ET》,等等。”
五反田看了一下我的脸。然后上下唇张开一点点笑了起来。“不一般。”他说。“你所做的事总是很个别。到底是怎么回事呢?”
“是怎么回事呢?”我说。“我并不是想做就做。而事态却就朝那个方向发展。就给五月那时一样的。那个也并不是谁的原因。结果就那样了。”
“嗯。”他说。“夏威夷好玩吗?”
“当然了。”
“这次被晒得够狠的。”
“当然。” |
|