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○ロッテ11-0巨人●
ロッテが3連勝で、貯金を今季最多の20とした。一回、堀の左越えソロで先制し、八回には福浦が右中間へ2ラン。九回には6連打を含む7安打を巨人の真田に浴びせた。先発の小野は七回途中まで無失点に抑えて5勝目。巨人は拙攻が目立ち連勝は4で止まった。
◇シュートで3併殺稼ぐ
パ・リーグのトップをひた走るロッテと、交流戦で首位の巨人。3連戦の第1ラウンドは、ロッテが完膚なきまでに、巨人をたたきのめした。バレンタイン監督は拍手で選手を出迎え、巨人の選手は下を向いてベンチ裏へ。好調同士でぶっかった両者を勝者と敗者にわけたのは、ロッテの強気な姿勢にある。
前日から内角攻めを宣言していた先発の小野。その通りに武器のシュートを軸に強気の投球を見せた。
四回1死一、三塁の場面。村田を三ゴロ併殺に仕留めたのは内角に鋭く食い込むシュート。五回の無死一塁でも、仁志をシュートで併殺に打ち取った。計3併殺をすべてシュートで奪い、巨人打線を無失点に抑えた。「走者を出しても、気持ちで追い込まれることはなかった。自分の投球だけを心がけた」
打線も、巨人のエース上原との対決に闘争心をみなぎらせていた。一回に左中間ソロを放った堀は内角の直球をとらえ、二回のベニーも内角の球を打ち返し、左翼席場外まで飛ばした。バレンタイン監督は言う。「堀とベニーの2本塁打が大きかった。打線は巨人打線に劣らず、活発に点を取ってくれた」
3連勝で貯金は今季最多の20。「全員が野球を楽しみながら、勝利に貢献しようとしている」。勝利の余韻に浸るバレンタイン監督の声が、長野の夜に響いた。【田中義郎】
○…6試合連続本塁打のパ・リーグ記録に挑んだロッテの李承スプのバットから快音は響かなかった。二回の第1打席で、上原の外角へのフォークに空振り三振を喫し、五回の第2打席でも三振に倒れるなど4打数無安打と完全に抑え込まれてしまった。「今日は自分のスイングが出来なかった。ホームランもヒットも打てず、悔しい。また明日から自分のスイングができるようにしたい」と、気持ちを切り替えていた。
▽ロッテ・バレンタイン監督 今までいい野球ができている。ケガがなければチームとしてやっていける。
▽巨人・堀内監督 リリーフ陣があれだけ打たれれば試合にならない。打線は本塁打でなく、ヒット狙いでつなごうとしているが…。
○…二回に左翼場外に消える8号ソロを放ったロッテのベニー。上原の内角への球に対し、身長183センチ、体重100キロとぽっちゃりした体を鋭く回転して完ぺきに打ち返した。ぎっしりと埋まったスタンドからはどよめきが起こり、ベニーは「長野でなかなかプロ野球を見られないお客さんの前でいい本塁打が打ててうれしい」と上機嫌だった。 |
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