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[日文读物]斜陽 太宰治 片断欣赏

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发表于 2005-7-31 20:07:44 | 显示全部楼层 |阅读模式
  斜陽
太宰治



     一

 朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
「あ」
 と幽(かす)かな叫び声をお挙げになった。
「髪の毛?」
 スウプに何か、イヤなものでも入っていたのかしら、と思った。
「いいえ」
 お母さまは、何事も無かったように、またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み、すましてお顔を横に向け、お勝手の窓の、満開の山桜に視線を送り、そうしてお顔を横に向けたまま、またひらりと一さじ、スウプを小さなお唇のあいだに滑り込ませた。ヒラリ、という形容は、お母さまの場合、決して誇張では無い。婦人雑誌などに出ているお食事のいただき方などとは、てんでまるで、違っていらっしゃる。弟の直治(なおじ)がいつか、お酒を飲みながら、姉の私に向ってこう言った事がある。
「爵位(しゃくい)があるから、貴族だというわけにはいかないんだぜ。爵位が無くても、天爵というものを持っている立派な貴族のひともあるし、おれたちのように爵位だけは持っていても、貴族どころか、賤民(せんみん)にちかいのもいる。岩島なんてのは(と直治の学友の伯爵のお名前を挙げて)あんなのは、まったく、新宿の遊廓(ゆうかく)の客引き番頭よりも、もっとげびてる感じじゃねえか。こないだも、柳井(やない)(と、やはり弟の学友で、子爵の御次男のかたのお名前を挙げて)の兄貴の結婚式に、あんちきしょう、タキシイドなんか着て、なんだってまた、タキシイドなんかを着て来る必要があるんだ、それはまあいいとして、テーブルスピーチの時に、あの野郎、ゴザイマスルという不可思議な言葉をつかったのには、げっとなった。気取るという事は、上品という事と、ぜんぜん無関係なあさましい虚勢だ。高等御(おん)下宿と書いてある看板が本郷あたりによくあったものだけれども、じっさい華族なんてものの大部分は、高等御乞食(おんこじき)とでもいったようなものなんだ。しんの貴族は、あんな岩島みたいな下手な気取りかたなんか、しやしないよ。おれたちの一族でも、ほんものの貴族は、まあ、ママくらいのものだろう。あれは、ほんものだよ。かなわねえところがある」
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发表于 2005-7-31 21:48:45 | 显示全部楼层
期待期待!楼主继续加油贴阿!
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 楼主| 发表于 2005-7-31 22:08:58 | 显示全部楼层
谢谢。真有人看么?很长的说~~我慢慢贴
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 楼主| 发表于 2005-7-31 22:11:23 | 显示全部楼层
スウプのいただきかたにしても、私たちなら、お皿(さら)の上にすこしうつむき、そうしてスプウンを横に持ってスウプを掬(すく)い、スプウンを横にしたまま口元に撙螭扦い郡坤韦坤堡欷嗓狻ⅳ袱丹蓼献笫证韦袱蜉Xくテーブルの縁(ふち)にかけて、上体をかがめる事も無く、お顔をしゃんと挙げて、お皿をろくに見もせずスプウンを横にしてさっと掬って、それから、燕(つばめ)のように、とでも形容したいくらいに軽く鮮やかにスプウンをお口と直角になるように持ち撙螭恰ⅴ攻抓Ε螭渭舛耍à护螭郡螅─椤ⅴ攻Ε驻颏饯韦ⅳい坤肆鳏忿zむのである。そうして、無心そうにあちこち傍見(わきみ)などなさりながら、ひらりひらりと、まるで小さな翼のようにスプウンをあつかい、スウプを一滴もおこぼしになる事も無いし、吸う音もお皿の音も、ちっともお立てにならぬのだ。それは所謂(いわゆる)正式礼法にかなったいただき方では無いかも知れないけれども、私の目には、とても可愛(かわい)らしく、それこそほんものみたいに見える。また、事実、お飲物は、口に流し込むようにしていただいたほうが、不思議なくらいにおいしいものだ。けれども、私は直治の言うような高等御乞食なのだから、お母さまのようにあんなに軽く無雑作(むぞうさ)にスプウンをあやつる事が出来ず、仕方なく、あきらめて、お皿の上にうつむき、所謂正式礼法どおりの陰気ないただき方をしているのである。
 スウプに限らず、お母さまの食事のいただき方は、頗(すこぶ)る礼法にはずれている。お肉が出ると、ナイフとフオクで、さっさと全部小さく切りわけてしまって、それからナイフを捨て、フオクを右手に持ちかえ、その一きれ一きれをフオクに刺してゆっくり楽しそうに召し上がっていらっしゃる。また、骨つきのチキンなど、私たちがお皿を鳴らさずに骨から肉を切りはなすのに苦心している時、お母さまは、平気でひょいと指先で骨のところをつまんで持ち上げ、お口で骨と肉をはなして澄ましていらっしゃる。そんな野蛮な仕草も、お母さまがなさると、可愛らしいばかりか、へんにエロチックにさえ見えるのだから、さすがにほんものは違ったものである。骨つきのチキンの場合だけでなく、お母さまは、ランチのお菜(さい)のハムやソセージなども、ひょいと指先でつまんで召し上る事さえ時たまある。
「おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか。あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ」
 とおっしゃった事もある。
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发表于 2005-7-31 22:12:49 | 显示全部楼层
虽然不是太合我胃口,但是日文的真得很难的滴说,我都好久没逛书店了。HOHO````支持一下
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 楼主| 发表于 2005-7-31 23:13:08 | 显示全部楼层
谢谢妹妹捧场~~~太宰治的都比较艰深隐晦,不过斜阳是名作。以后贴点好玩的
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发表于 2005-8-1 10:07:01 | 显示全部楼层
呵,不谢不谢。
是有点儿艰深晦涩........我加油看哦~~其实相对来说,我还是比较喜欢看北原白秋的那些童谣。最近在看《平家物语》。^_^
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