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《出生的苦恼》三

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发表于 2005-10-21 09:44:55 | 显示全部楼层 |阅读模式
三  夕やみはだんだん深まって行った。事務所をあずかる男が、ランプを持って来たついでに、夜食の膳(ぜん)を撙埭Δ葘い亭郡⑺饯悉窑绀盲趣工毪染搐悉筏胜い趣いπ膜扭い椤ⅳ铯钉趣饯韦蓼蓼摔筏皮い皮猡椁盲啤ⅳ蓼郡袱辘膜瑜Δ嗽寮垽讼颏盲俊4螭誓肖巫摔课荩à丐洌─椁韦盲饯辘认à菩肖韦颉⒁曇櫎韦悉氦欷烁肖袱啤⒍蓟幛榫盲筏证辘抢搐埔姢毪取⑽铯扦馊摔扦獯螭妞盲郡辘筏皮い毪韦私瘠丹椁胜橐环Nの圧迫をさえ感ずるのだった。 暮色渐渐暗下去了。在事务所值班的大汉端来煤油灯,顺便问我是否吃晚饭,我惦记你万一要来就特意没有让大汉端来饭菜,又埋头在书稿里了。我感到大汉的身影在我的视野尽头慢吞吞地从房间里消失了。从都市来到久违的故地,见到的人和事都是慢条斯理、从容不迫;事到如今,我甚至有了一种压抑的感觉。  渋りがちな筆がいくらもはかどらないうちに、夕やみはどんどん夜の暗さに代わって、窓ガラスのむこうは雪と闇(やみ)とのぼんやりした明暗(キャロスキュロ)になってしまった。自然は何かに気を障(さ)えだしたように、夜とともに荒れ始めていた。底力のこもった鈍い空気が、音もなく重苦しく家の外壁に肩をあてがってうんともたれかかるのが、畳の上にすわっていてもなんとなく感じられた。自然が粉雪をあおりたてて、所きらわずたたきつけながら、のたうち回ってうめき叫ぶその物すごい気配(けはい)はもう迫っていた。私は窓ガラスに白もめんのカーテンを引いた。自然の暴威をせき止めるために人間が苦心して創(つく)り上げたこのみじめな家屋という領土がもろく小さく私の周囲にながめやられた。 迟滞的笔头进展得很不顺利。这时候黑夜匆匆代替了薄暮,玻璃窗的对面是积雪和夜色交织的浑沌背景。大自然似乎生着谁的气,夜晚降临时又开始肆虐起来。我坐在“榻榻咪”上,兀自感到凝重有力的空气沉闷无语地紧贴在房子的外壁。大自然卷起雪花一边四处摔打一边满地翻滚,痛苦呻吟和叫嚣的恐怖景象也随之迫来。我拉上白棉布窗帘。为了抵御大自然的淫威,人们苦心建造了这个可怜的称作房子的领地。在我的周围,这块领地看上去既脆弱又渺小。  突然、ど、ど、ど‥‥という音が――邉婴à饯Δい龊稀⒁簸冗動との区別はない)天地に起こった。さあ始まったと私は二つに折った背中を思わず立て直した。同時に自然は上歯を下くちびるにあてがって思いきり長く息を吹いた。家がぐらぐらと揺れた。地面からおどり上がった雪が二三度はずみを取っておいて、どっと一気に天に向かって、址矗à啶郅螅─扦猡工毪瑜Δ恕⒔丹辘盲菩肖ⅳ伪长使饩挨ⅳ蓼钉蓼钉炔课荩à丐洌─沃肖摔工螭扦い胨饯蜗胂瘠烁·伽椁欷俊¥坤幛馈4盲郡趣长恧猡侠搐浃筏胜ぁM\噲訾椁窝┑坤悉猡Δ趣Δ寺瘠蓼盲皮筏蓼盲郡诉`いないから。私は吹雪(ふぶき)の底にひたりながら、物さびしくそう思って、また机の上に目を落とした。 突然,天地间发出“咚、咚、咚、”的声响——(在这种时候,声响就意味着更加恶劣)。糟糕,又发作了。我这样想到,不由得直起弯成两半的身子。与此同时,大自然咬紧牙关,竭尽全力鼓起长气,房子在狂风中摇曳。我蜗居在房子里,眼前生动地描绘着这样的悲壮景象:雪花从地面卷起来,急速形成二、三个漩涡,猛然向天空窜去,接着又像策反一般呼啦啦抛撒下来。看来今天没有指望了。我果然没有把你等来,因为从车站通往这儿的道路肯定早已被大雪掩埋。我一边感受着暴风雪的凄厉一边这样惆怅地猜测着,又重新把目光收回到桌前。  筆はますます渋るばかりだった。軽い陣痛のようなものは時々起こりはしたが、大切な文字は生まれ出てくれなかった。こうして私にとって情けないもどかしい時間が三十分も過ぎたころだったろう。農場の男がまたのそりと部屋にはいって来て客来を知らせたのは。私の喜びを君は想像する事ができる。やはり来てくれたのだ。私はすぐに立って事務室のほうへかけつけた。事務室の障子をあけて、二畳敷きほどもある大囲炉裏の切られた台所に出て見ると、そこの土間に、一人の男がまだ靴(くつ)も脱がずに突っ立っていた。農場の男も、その男にふさわしく肥(ふと)って大きな内儀(かみ)さんも、普通な背たけにしか見えないほどその客という男は大きかった。言葉どおりの巨人だ。頭からすっぽりと頭巾(ずきん)のついた盲荬ね馓祝àい趣Γ─蜃扭啤⒀─蓼撙欷摔胜盲啤⒖冥榘驻はⅳ颏啶椁啶椁韧陇訾工饯巫摔稀g際人間という感じを起こさせないほどだった。子供までがおびえた目つきをして内儀さんのひざの上に丸まりながら、その男をうろんらしく見詰めていた。 君ではなかったなと思うと僕は期待に裏切られた失望のために、いらいらしかけていた神経のもどかしい感じがさらにつのるのを覚えた。 写作越来越慢。虽然轻微的阵痛时常发作,但是,宝贵的文字就是出不来。对我来说,无情、焦灼的时间大约持续了三十多分钟,农场的大汉又一次慢吞吞进来告诉我说客人到了。你可以想象我那时的喜悦。你到底没有让我白等一场,我马上站起来向事务室跑去。拉开事务室的拉门,来到地炉都有四、五平米大小的厨房一看,在那间没有“榻榻咪”的房间里直立着一位穿着长统靴的壮汉。这位被称作客人的壮汉身材魁伟。农场的大汉和与大汉身材相称的婆姨本来就已经够高的了,壮汉看他们就像看普通人似的,真是人们常说的巨人。壮汉穿着一件发黑的外套,头上的风帽又用头巾紧紧地裹了一层,全身沾满了雪花,嘴里呼呼地吐着白气,那模样仿佛是天外来客。孩子吓得畏缩在婆姨的大腿上,恐惧的目光可疑地注视着眼前的壮汉。 我心里说,这是你吗?我感到大失所望,焦躁的神经令人越发急不可奈起来。   「さ、ま、ずっとこっちにお上がりなすって」  農場の男は僕の客だというのでできるだけ丁寧にこういって、囲炉裏のそばの煎餅(せんべい)蒲団(ぶとん)を裏返した。  その男はちょっと頭で挨拶(あいさつ)して囲炉裏の座にはいって来たが、天井の高いだだっ広い台所にともされた五分心(ごぶしん)のランプと、ちょろちょろと燃える木節(きぶし)の囲炉裏火とは、ご螭蕢K的(マッス)とよりこの男を照らさなかった。男がぐっしょり湿った兵隊の古長靴(ふるながぐつ)を脱ぐのを待って、私は黙ったまま案内に立った。今はもう、この男によって、むだな時間がつぶされないように、いやな気分にさせられないようにと心ひそかに願いながら。   “快请到这儿来。” 因为是我的客人,农场的大汉尽量客气地说道,掀开了地炉旁边又薄又硬的被子。 壮汉只是点了点头,算作回答,便来到地炉口的位子上坐下了。不过,屋顶很高,厨房又大,五分芯的煤油灯和木材徐徐燃烧的小火苗却照不清黑塔似的壮汉。我缄默地站在传达室里等着壮汉脱去湿淋淋的旧军用长靴,心里暗自说道,但愿眼前的壮汉不要白费时间,不要破坏我的心情。
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 楼主| 发表于 2005-10-21 09:47:36 | 显示全部楼层
部屋(へや)にはいって二人が座についてから、私は始めてほんとうにその男を見た。男はぶきっちょうに、それでも四角に下座にすわって、丁寧に頭を下げた。  「しばらく」  八畳の座敷に余るような※(さび)を帯びた太い声がした。  「あなたはどなたですか」  大きな男はちょっときまりが悪そうに汗でしとどになったまっかな額をなでた。  「木本(きもと)です」  「え、木本君!?」 回到房间二人坐下之后,我才真正看清壮汉的面孔。壮汉笨拙而又拘谨地坐在下座,恭敬地弯腰点头道: “让你久等了。”,声音低沉宏亮,响彻在十七、八平米的宽敞房间里。 “你是哪位?”,我问。 壮汉有点难为情,摸着汗水湿漉的羞红额头回答说: “我是木本。” “你是木本?”  これが君なのか。私は驚きながら改めてその男をしげしげと見直さなければならなかった。疳(かん)のために背たけも伸び切らない、どこか病質にさえ見えた悒鬱(ゆううつ)な少年時代の君の面影はどこにあるのだろう。また落葉松(からまつ)の幹の表皮からあすこここにのぞき出している針葉の一本をも見のがさずに、愛撫(あいぶ)し理解しようとする、スケッチ帳で想像されるような鋭敏な神経の所有者らしい姿はどこにあるのだろう。地(じ)をつぶしてさしこをした厚衣(あつし)を二枚重ね着して、どっしりと落ち付いた君のすわり形は、私より五寸も高く見えた。筋肉で盛り上がった肩の上に、正しくはめ込まれた、牡牛(おうし)のように太い首に、やや長めな赤銅色の君の顔は、健康そのもののようにしっかりと仱盲皮い俊=钊赓|な君の顔は、どこからどこまで引き締まっていたが、輪郭の正しい目鼻立ちの隈々(くまぐま)には、心の中からわいて出る寛大な微笑の影が、自然に漂っていて、脂肪気のない君の容貌(ようぼう)をも暖かく見せていた。 「なんという無類な完全な若者だろう。」私は心の中でこう感嘆した。恋人を紹介する男は、深い猜疑(さいぎ)の目で恋人の心を見守らずにはいられまい。君の与えるすばらしい男らしい印象はそんな事まで私に思わせた。 你果真是木本吗?我不得不惊讶地重新频频审视你。那位忧郁的,因癫痫伸不直腰,多少有些病态的少年时代的你的身影跑到哪里去了呢?而且从速写本能够想象的,凝聚着作者的深情和感受,仔细描绘从落叶松树干的表皮伸向各处的每一根针叶,具有敏锐的神经感觉的主人跑到哪里去了呢?你穿着用二件破袄缝成的厚衣,巍然不动地坐在我的面前,看上去比我高出大半个头。肌肉隆起的肩膀上端正地竖立着公牛一般的粗壮脖子,古铜色的微长面颊筋肉饱满结实,透出健康人的硬朗;轮廓分明,相貌堂堂,处处自然地洋溢着发自内心的豪爽微笑和热情的阳刚之气。 “这是一个多么完美无双的年轻人啊。”,我在心中感叹道。从你充满男子汉气概的相貌上,我甚至想:小伙子向你介绍女朋友时恐怕必须用满腹狐疑的目光警惕女朋友的心吧。  「吹雪(ふぶ)いてひどかったろう」  「なんの。……温(ぬく)くって温くって汗がはあえらく出ました。けんど道がわかんねえで困ってると、しあわせよく水車番に会ったからすぐ知れました。あれは親身(しんみ)な人だっけ」  君の素直な心はすぐ人の心に触れると見える。あの水車番というのは実際このへんで珍しく心持ちのいい男だ。君は手ぬぐいを腰から抜いて湯げが立たんばかりに汗になった顔を幾度も押しぬぐった。  夜食の膳(ぜん)が撙肖欷俊!袱猡ξ衣胜螭亭ā工妊预盲啤⒕辖瘠蓼菆预筏皮い郡窑钉颏氦筏皮ⅳ挨椁颏い俊!袱沥绀Δ幛螭摔工铯毪长趣胜螭兢悉悉ⅳ亭à猡螭坤椤!苟摔献庸─嗓Δ筏韦瑜Δ蕵Sしい心で膳(ぜん)に向かった。君の大食は愉快に私を驚かした。食後の茶を飯茶わんに三杯続けさまに飲む人を私は始めて見た。 “暴风雪太大了。” “没什么的。……我还觉得浑身发热呢,汗水一个劲地往外冒。只是不认识路才叫人犯难,幸好碰见了看守水磨房的人才弄清道。那可是一个大好人。” 你的纯朴心灵仿佛一眼就能看透人的内心。那位看守水磨房的人的确是这一带少有的心地善良的人。你从腰间掏出手巾不停地擦拭脸上快要变成热气的汗水。 晚饭端来了。“真受不了啦”,说着,你把腿从膝盖上拿下来席地而坐,“老规矩的确够呛”,二人像孩子一样无拘无束地吃起来。你的饭量之大让我吃惊,饭后你又喝了二、三碗茶水,这样的人也是我第一次见到。  夜食をすましてから、夜中まで二人の間に取りかわされた楽しい会話を私は今だに同じ楽しさをもって思い出す。戸外ではここを先途とあらしが荒れまくっていた。部屋(へや)の中ではストーブの向かい座にあぐらをかいて、癖のように時おり五分刈りの濃い頭の毛を逆さになで上げる男ぼれのする君の顔が部屋を明るくしていた。君はがんじょうな文鎮(おもし)になって小さな部屋を吹雪(ふぶき)から守るように見えた。温(あたた)まるにつれて、君の周囲から蒸(む)れ立つ生臭い魚の香は強く部屋じゅうにこもったけれども、それは荒い大海を生々しく連想させるだけで、なんの不愉快な感じも起こさせなかった。人の感覚というものも気ままなものだ。  楽しい会話と言った。しかしそれはおもしろいという意味ではもちろんない。なぜなれば君はしばしば不器用な言葉の尻(しり)を消して、曇った顔をしなければならなかったから。そして私も苦しい立場や、自分自身の迷いがちな生活を痛感して、暗い心に捕えられねばならなかったから。 吃完晚饭,我们二人促膝长谈,一直谈到深夜。那情景即使现在回想起来也仍然令我沉浸在当时的兴奋中。户外的狂风刮得正猛,房间里,你席地坐在火炉的对面。你好像有一种癖好,每隔一会儿就要向上拢一拢自己浓黑的中分头。你充满了男性魅力的脸庞使房间里荡漾着快活的气氛,看上去就像一块沉重的镇纸在暴风雪中守护着这间小屋。烤着烤着,从你的身上冒出带着鱼腥味的热气浓烈地散发在房间里。不过,它只让人生动地联想到波涛汹涌的大海,却没有任何不愉快的感觉。人的感觉原来也是很古怪的。 提到愉快的交谈,那当然不是风趣的意思。因为你笨拙的谈话常常不得不中途停下来,脸上愁眉紧锁。我也切肤感受着自己的痛苦境遇和优柔寡断的生活,陷在黯然的心绪中。  その晩君が私に話して聞かしてくれた君のあれからの生活の輪郭を私はここにざっと書き連ねずにはおけない。  札幌(さっぽろ)で君が私を訪れてくれた時、君には東京に遊学すべき道が絶たれていたのだった。一時北海道の西海岸で、小樽(おたる)をすら凌駕(りょうが)してにぎやかになりそうな気勢を見せた岩内港は、さしたる理由もなく、少しも発展しないばかりか、だんだんさびれて行くばかりだったので、それにつれて君の一家にも生活の苦しさが加えられて来た。君の父上と兄上と妹とが気をそろえて水入らずにせっせと働くにも係わらず、そろそろと泥沼(どろぬま)の中にめいり込むような家撙嗡荬颏嗓Δ工胧陇猡扦胜盲俊Q枻趣いΔ猡韦伺d味がなく、従って成績のおもしろくなかった君が、芸術に捧誓(ほうせい)したい熱意をいだきながら、そのさびしくなりまさる古い港に帰る心持ちになったのはそのためだった。そういう事を考え合わすと、あの時君がなんとなく暗い顔つきをして、いらいらしく見えたのがはっきりわかるようだ。君は故郷に帰っても、仕事の暇々には、心あてにしている景色でもかく事を、せめてもの頼みにして札幌(さっぽろ)を立ち去って行ったのだろう。 在这里,我必须把那天晚上你讲给我的生活轮廓粗略交代一下。 你在札幌拜访我的时候正好断绝了去东京求学的道路。在北海道的西岸,曾经一派繁华,气势胜过小樽的岩内港不知什么原因不但没有得到任何发展,反而逐渐衰弱下去了。因此,你的一家也随之加重了生活的艰难。你的父兄和妹妹即使齐心合力拼命劳作也挽救不了家道徐徐陷入泥沼的颓势。为此,不爱学习,成绩难尽人意的你虽然怀着对艺术的满腔热情,但还是定下心来回到了一日不如一日的古老港口。综合你那时候的处境,我仿佛彻底明白了你那时为什么脸色多少有些阴沉,看上去忧心匆匆。你也许是怀着即使回到故乡,在劳动之余,至少可以把描绘憧憬中的景色作为一种寄托这种心情离开札幌的吧。
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 楼主| 发表于 2005-10-21 09:50:18 | 显示全部楼层
しかし君の家庭が君に待ち設けていたものは、そんな余裕の有る生活ではなかった。年のいった父上と、どっちかと言えば漁夫としての健康は持ち合わせていない兄上とが、普通の漁夫と少しも変わりのない服装で網をすきながら君の帰りを迎えた時、大きい漁場の持ち主という風(ふう)が家の中から根こそぎ無くなっているのをまのあたりに見やった時、君はそれまでの考えののんき過ぎたのに気がついたに違いない。充分の思慮もせずにこんな生活の渦巻(うずまき)の中に我れから飛び込んだのを、君の芸術的欲求はどこかで悔やんでいた。その晩、磯臭(いそくさ)い空気のこもった部屋(へや)の中で、枕(まくら)につきながら、陥穽(おとしあな)にかかった獣のようないらだたしさを感じて、まぶたを合わす事ができなかったと君は私に告白した。そうだったろう。その晩一晩だけの君の心持ちをくわしく考えただけで、私は一つの力強い小品を作り上げる事ができると思う。 然而,你的家庭等待你的并不是那种悠闲的生活。上了年纪的父亲以及作为渔夫来说身体欠佳的兄弟,身穿与普通渔夫没有差别的衣服织着渔网迎接你归去的时候;作为大渔场主的家道已经从家中彻底荡尽的惨状展现在你面前的时候;你一定发现你以前的想法过于悠裕,容不得你细想便投身到这种生活的漩涡中去了。你的艺术追求在你的某处懊恼不已。你告诉我,那天晚上,你在怪石嶙峋下的房间里头枕枕头,感到自己就像一头掉进陷阱急得团团转的野兽,翻来覆去不能合眼。我想你没有骗我。只要仔细琢磨你那个通宵的心情,也许就足够我写出一篇感人肺腑的短文了。  しかし親思いで素直な心を持って生まれた君は、君を迎え入れようとする生活からのがれ出る事をしなかったのだ。詰(つ)め襟(えり)のホックをかけずに着慣れた学校服を脱ぎ捨てて、君は厚衣(あつし)を羽織る身になった。明鯛(すけそう)から鱈(たら)、鱈から鰊(にしん)、鰊から烏伲àい─趣いΔ瑜Δ恕⑺募窘~える事のない忙(いそが)しい漁撈(ぎょろう)の仕事にたずさわりながら、君は一年じゅうかの北海の荒波や激しい気候と戦って、さびしい漁夫の生活に没頭しなければならなかった。しかも港内に築かれた防波堤が、技師の飛んでもない計算違いから、波を防ぐ代わりに、砂をどんどん港内に流し入れるはめになってから、船がかりのよかった海岸は見る見る浅瀬に変わって、出漁には都合のいい目ぬきの位置にあった君の漁場はすたれ物同様になってしまい、やむなく高い駄賃(だちん)を出して他人の漁場を使わなければならなくなったのと、北海道第一と言われた鰊の群来(くき)が年々減って行くために、さらぬだに生活の圧迫を感じて来ていた君の家は、親子が気心をそろえ力を合わして、命がけに働いても年々貧窮に追い迫られ勝ちになって行った。 然而,生来体贴父母,心地朴实的你没有逃避生活对你的选择。你脱掉穿惯了的不扣立领风纪扣的校服,一跃变成了身披厚袄的渔夫。你不得不一边从事从明鲷到鳕鱼,从鳕鱼到鲱鱼,从鲱鱼到墨鱼,四季不断的繁忙捕鱼作业,一边与北海一年中的汹涌波涛和复杂多变的气候搏斗,埋头在单调乏味的渔夫生活中。而且,修建在港内的防波堤由于工程师的错误设计,不但不能阻挡波浪,相反却让砂砾滚滚流进港内。在这种窘况下,以船为生的海岸眼睁睁变成了浅滩,处于出海便利,占据显要位置的你的渔场变成了一块废场,你家不得不以高昂的价格租用他人的渔场。此外,由于号称北海道第一的鲱鱼群一年少似一年,加上你家越来越感到生活的压迫,尽管父子同心协力,殊死劳作,但还是不能摆脱贫困的纠缠。  親身(しんみ)な、やさしい、そして男らしい心に生まれた君は、黙ってこのありさまを見て過ごす事はできなくなった。君は君に近いものの生活のために、正しい汗を額に流すのを悔いたり恥じたりしてはいられなくなった。そして君はまっしぐらに労働生活のまっただ中に仱瓿訾筏俊:瞍炔à悉趣Γ─攘Δ铯钉然膜炷肖椁趣谓护铯辘暇谓罟扦榷刃丐趣蜮煠韦瑜Δ隋懁ㄉ悉菠俊>悉工工却竽兢韦瑜Δ摔郡蓼筏胜盲俊  「岩内にも漁夫(りょうし)は多いども腕力(うでぢから)にかけておらにかなうものは一人だっていねえ」  君はあたりまえの事を言って聞かせるようにこう言った。私の前にすわった君の姿は私にそれを信ぜしめる。 生来具有孝顺善良之心和男子汉气概的你不能默默望着眼前的惨景度日。为了家庭的生活,你不后悔,不耻于额头淌下正直的汗水。你勇猛地投身到劳动生活的激流险滩中。在与寒暑波涛的战斗中,在繁重体力劳动和与粗犷男子汉的交往中,你炼出了一副钢铁般的筋骨和意志。你犹如一颗大树迅速地强壮起来。 “在岩内虽然有很多渔夫,论体魄没有谁比得上我。” 你斩钉截铁地对我说道。望着坐在眼前的你,我相信这是实话。  パンのために生活のどん底まで沈み切った十年の月日――それは短いものではない。たいていの人はおそらくその年月の間にそういう生活からはね返る力を失ってしまうだろう。世の中を見渡すと、何百万、何千万の人々が、こんな生活にその天授の特異な力を踏みしだかれて、むなしく墳墓の草となってしまったろう。それは全く悲しい事だ。そして不条理な事だ。しかしだれがこの不条理な世相に非難の石をなげうつ事ができるだろう。これは悲しくも私たちの一人一人が肩の上に背負わなければならない不条理だ。特異な力を埋め尽くしてまでも、当面の生活に没頭しなければならない人々に対して、私たちは尊敬に近い同情をすらささげねばならぬ悲しい人生の事実だ。あるがままの実相だ。パンのために精力のあらん限りを用い尽くさねばならぬ十年――それは短いものではない。それにもかかわらず、君は性格の中に植え込まれた憧憬(どうけい)を一刻も捨てなかったのだ。捨てる事ができなかったのだ。 为了生存,十年来你沉到了生活的最底层——十年的岁月不是短暂的。对大多数人来说,在这样长的时间里恐怕早已丧失了挽救苦难生活的力量。放眼社会,大概有几百万、几千万人被这样的生活压迫得失去了那种大自然赋予的超常力量,枉自变成了坟墓上的一棵野草。那是非常可悲,非常不合理的。然而,有谁能向这个不合理的社会掷去一块非难的石子呢?这是既可悲却又强加在我们每个人肩上的不合理。对那些既拥有超常力量又能埋头于眼前生活的人们,这是我们必须给予近乎尊敬般同情的可悲的人生事实,是不折不扣的社会实况。为了生存,十年来你不得不发挥你的全部精力——十年不是短暂的。尽管如此,你每时每刻都没有放弃过扎根在你性格中的憧憬。你不能放弃。  雨のためとか、風のためとか、一日も安閑としてはいられない漁夫の生活にも、なす事なく日を過ごさねばならぬ幾日かが、一年の間にはたまに来る。そういう時に、君は一冊のスケッチ帳(小学校用の粗雑な画学紙を不器用に網糸でつづったそれ)と一本の鉛筆とを、魚の鱗(うろこ)や肉片がこびりついたまま、ごわごわにかわいた仕事着のふところにねじ込んで、ぶらりと朝から家を出るのだ。 在风里来雨里去,每天忙忙碌碌的渔夫生活中,一年里偶尔也有那么几天清闲的日子。这时候,你便带上一册速写本(将小学生用的粗糙学画纸用线简陋装订成的本子)和一支铅笔,怀揣在沾满鱼鳞、肉沫的硬梆梆的劳动服里,一大早就心惊胆颤地离开了家门。  「会う人はおら事気違いだというんです。けんどおら山をじっとこう見ていると、何もかも忘れてしまうです。だれだったか何かの雑誌で『愛は奪う』というものを書いて、人間が物を愛するのはその物を強奪(ふんだく)るだと言っていたようだが、おら山を見ていると、そんな気は起こしたくも起こらないね。山がしっくりおら事引きずり込んでしまって、おらただあきれて見ているだけです。その心持ちがかいてみたくって、あんな下手(へた)なものをやってみるが、からだめです。あんな山の心持ちをかいた絵があらば、見るだけでも見たいもんだが、ありませんね。天気のいい気持ちのいい日にうんと力こぶを入れてやってみたらと思うけんど、暮らしも忙(せわ)しいし、やってもおらにはやっぱり[#「やっぱり」に傍点]手に余るだろう。色もつけてみたいが、絵の具は国に引っ込む時、絵の好きな友だちにくれてしまったから、おらのような絵にはまた買うのも惜しいし。海を見れば海でいいが、山を見れば山でいい。もったいないくらいそこいらにすばらしいいいものがあるんだが、力が足んねえです」 と言ったりする君の言葉も様子も私には忘れる事のできないものになった。その時はあぐらにした両脛(りょうすね)を手でつぶれそうに堅く握って、胸に余る興奮を静かな太い声でおとなしく言い現わそうとしていた。 “每次碰到人都把我当成一个疯子,但是,当我目不转睛看山的时候就什么都忘了。曾经有人在什么杂志上发表过《夺爱》这篇小说,好像说爱物就是为了占有。我看山的时候完全没有这种想法。山石与我融合在一起。我只是对山怀着一种肃然起敬的心情。我想画出那种心情,也做过那种蠢事,可是白费工夫。要是有画出那种心情的画,我真想看一看,可是没有。我曾想在天气好心情也好的日子里尽力试试,但是生活太忙,即使画我也没有那个能力。我也曾想给它们涂上颜色瞧瞧,因为从札幌回来的时候把画具全都送给喜爱画画的朋友了,所以,像我这样的画再买又可惜。看海海好,看山山好,令人心醉的美景多得很,可惜我力不从心。” 你这样讲述着。我不能忘记你的话语和你讲话的神态。那时,你似乎要掐碎似地,死死地握着席地而坐的双腿,平静而又宏亮的声音娓娓述说着心中的兴奋。  私どもが一時過ぎまで語り合って寝床にはいって後も、吹きまく吹雪(ふぶき)は露ほども力をゆるめなかった。君は君で、私は私で、妙に寝つかれない一夜だった。踏まれても踏まれても、自然が与えた美妙な優しい心を失わない、失い得ない君の事を思った。仁王(におう)のようなたくましい君の肉体に、少女のように敏感な魂を見いだすのは、この上なく美しい事に私には思えた。君一人が人生の生活というものを明るくしているようにさえ思えた。そして私はだんだん私の仕事の事を考えた。どんなにもがいてみてもまだまだほんとうに自分の所有を見いだす事ができないで、ややもするとこじれた反抗や敵愾心(てきがいしん)から一時的な満足を求めたり、生活をゆがんで見る事に興味を得ようとしたりする心の貧しさ――それが私を無念がらせた。そしてその夜は、君のいかにも自然な大きな生長と、その生長に対して君が持つ無意識な謙譲と執着とが私の心に強い感激を起こさせた。 我们交谈了一个多小时,上床休息以后,暴风雪还在猛烈地刮着。你是你,我是我,这一晚都意外地没有入眠。我在想,你尽管遭受了这样和那样的不幸,但没有失去也不可能失去大自然赋予的那颗美丽和善良的心。在你金刚一般魁伟的躯体里,我发现了一颗宛若少女的敏感灵魂,不由得使我感到至高无上的美,甚至使我感到你自然地照亮着人生的生活。后来,我渐渐想到了自己的工作。虽然在痛苦地抗扎,但远远没有发现自己真正拥有的东西,往往只是从肤浅的扭曲的反抗和一吐为快的泄愤中寻求暂时的满足;把兴趣放在扭曲的生活中——这种内心的贫乏使我懊丧。在那天夜里,你完全顺乎自然迅速成长以及成长过程中所具备的无意识的谦逊和执著使我受到了强烈的震撼。  次の日の朝、こうしてはいられないと言って、君はあらしの中に帰りじたくをした。農場の男たちすらもう少し空模様を見てからにしろとしいて止めるのも聞かず、君は素足にかちんかちん[#「かちんかちん」に傍点]に凍った兵隊長靴(ながぐつ)をはいて、ね馓祝àい趣Γ─颏筏盲辏郏!袱筏盲辍工税悖葑扭长螭峭灵gに立った。北国の冬の日暮らしにはことさら客がなつかしまれるものだ。なごりを心から惜しんでだろう、農場の人たちも親身(しんみ)にかれこれと君をいたわった。すっかり[#「すっかり」に傍点]頭巾(ずきん)をかぶって、十二分に身じたくをしてから出かけたらいいだろうとみんなが寄って勧めたけれども、君は素朴(そぼく)なはばかりから帽子もかぶらずに、重々しい口調で別れの挨拶(あいさつ)をすますと、ガラス戸を引きあけて戸外に出た。 次日早晨,你说不能这样呆下去了,就开始准备重返暴风雪中,甚至农场的人们也不能劝动你天好之后再走。你光脚伸进冻得硬绑绑的旧军用长统靴里,仔细穿好发黑的外套,站在没有“榻榻咪”的房间里。也许是北国的冬天特别牵动人的情怀,农场的人们恋恋不舍深情地安慰着你。大家围在旁边劝你裹好头巾,好好打扮结实之后出发;但是,你怀着质朴的礼仪,连风帽也没有戴,郑重地说完道别的话,拉开玻璃门出到了户外。   私はガラス窓をこずいて外面に降り積んだ雪を落としながら、吹きたまったまっ白な雪の中をこいで行く君を見送った。君のぷ摔熄D―やはり頭巾をかぶらないままで、頭をむき出しにして雪になぶらせた――君のぷ摔稀驻さ孛妞搜蓼锹瘠蓼盲啤ⅳⅳ毪い蠞猡ⅳⅳ毪い媳·⒖c(しま)になって横降りに降りしきる雪の中を、ただ一人だんだん遠ざかって、とうとうかすんで見えなくなってしまった。  そして君に取り残された事務所は、君の来る前のような単調なさびしさと降りつむ雪とに閉じこめられてしまった。  私がそこを発(た)って東京に帰ったのは、それから三四日後の事だった。 我推开玻璃窗一边扒掉窗外的积雪一边目送你头顶漫天飞雪,在雪地里犁开一条雪道。你的黑色身影——依然没有裹上头巾,头露在外面迎着飞雪——你的黑色的身影被银白的地面埋至腰深,时而浓,时而淡,变成一座孤岛,在横飞的雪中独自渐渐远去,最终模模糊糊消失了。你走后,事务所又恢复到你来之前的样子,回到单调和积雪封闭的寂寞中去了。 你走后又过了三、四天,我也离开农场回到了东京。
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