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《出生的苦恼》五

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发表于 2005-10-21 14:55:02 | 显示全部楼层 |阅读模式
五  長い冬の夜はまだ明けない。雷電峠と反対の湾の一角から長く突き出た造りぞこねの防波堤は大蛇(だいじゃ)の亡骸(むくろ)のようなまっぷ摔蜻hく海の面に横たえて、夜目にも白く見える波濤(はとう)の牙(きば)が、小休(おや)みもなくその胴腹に噛(く)いかかっている。砂浜に繁(もや)われた百艘(そう)近い大和船は、舳(へさき)を沖のほうへ向けて、互いにしがみつきながら、長い帆柱を左右前後に振り立てている。そのそばに、さまざまの漁具と弁当のお櫃(ひつ)とを持って集まって来た漁夫たちは、言葉少なに物を言いかわしながら、防波堤の上に建てられた組合の天気予報の信号灯を見やっている。暗い闇(やみ)の中に、白と赤との二つの火が、夜鳥の目のようにぎらりと光っている。赤と白との二つの球は、危険警戒を標示する信号だ。船を出すには一番鳥(いちばんどり)が鳴きわたる時刻まで待ってからにしなければならぬ。町のほうは寝しずまって灯(ひ)一つ見えない。それらのすべてをおおいくるめて凍った雲は幕のように空低くかかっている。音を立てないばかりに雲は山のほうから沖のほうへと絶え間なく走り続ける。汀(みぎわ)まで雪に埋まった海岸には、見渡せる限り、白波がざぶんざぶん砕けて、風が――空気そのものをかっさらってしまいそうな激しい寒い風が雪に閉ざされた山を吹き、漁夫を吹き、海を吹きまくって、まっしぐらに水と空との閉じ目をめがけて突きぬけて行く。 漫长的冬夜尚未吐白。在雷电岭的对面,从海湾的一角伸出一条长长的建错了的防波堤,漆黑的堤身就像大蛇的尸骨横亘在海面上。黑夜看上去也是白色的波涛张着犬牙无休止地撕咬着它的胴体。海滩上系着近百条日本渔船,船头面向大海,互相依偎在一起,高耸的桅杆前后左右摇晃着。在渔船的附近聚集了带各式各样渔具和盒饭桶的渔夫。他们偶尔交谈几句不多的话语,眼睛望着合作社建在防波堤上的天气预报信号灯。在黑暗中,红白二色灯火宛如夜鸟的眼睛光芒闪烁。红白二种灯泡是标志危险警戒的信号,出海必须等到第一声鸟叫响过之后。小镇沉睡在梦乡中看不见一点灯火。乌云就像黑幕低低地垂悬在小镇的上空,把小镇包裹得密密实实。山的那边,乌云向着海面不声不响地飞快飘移,一刻儿也不停留。在积雪埋至水边的海岸上,双目所望,白浪滔滔,发出沉沉的声响。风——几乎要把空气刮尽的凛冽狂风吹打着冰雪封冻的群山,吹打着渔夫,吹打着海面,向着水天相接的方向势不可挡地吹打而去。  漁夫たちの群れから少し離れて、一団になったお内儀(かみ)さんたちの背中から赤子の激しい泣き声が起こる。しばらくしてそれがしずまると、風の生み出す音の高い不思議な沈黙がまた天と地とにみなぎり満ちる。  やや二時間もたったと思うころ、あや目も知れない闇(やみ)の中から、硫黄(いおう)が丘(たけ)の山頂――右肩をそびやかして、左をなで肩にした――が雲の産んだ鬼子のように、空中に現われ出る。鈍い土がまだ振り向きもしないうちに、空はいち早くも暁の光を吸い初めたのだ。  模範船(港内に四五艘(そう)あるのだが、船も大きいし、それに老練な漁夫が仱贽zんでいて、他の船にかけ引き進退の合図をする)の船頭が頭をあつめて相談をし始める。どことも知れず、あの昼にはけうとい羽色を持った烏(からす)の声が勇ましく聞こえだす。漁夫たちの群れもお内儀(かみ)さんたちのかたまりも、石のような不動の沈黙から急に生き返って来る。 距离渔夫们不远是一群婆姨们,她们背上的孩子在大声地哭喊。哭声持续一段时间之后停息下来,只留下狂风呼啸下的异样沉默充溢在天地之间。 时间大约过去了二小时,夜色中仍然不能分辨颜色。这时,硫磺岳的山顶——右肩高耸,左肩溜圆的山顶——就像乌云产下的怪胎开始露出空中。沉睡的大地尚未醒来的时候,空中开始迅速呈现拂晓时分的亮光。 示范船(港内有四、五只示范船。船体既大又载着老练的渔夫,由它指挥其余船只的前进和后退)的船头们开始碰头商议。不知从哪儿传来勇敢的鸟叫,那是一只白天看腻了的鸟。渔夫们和婆姨们顿时打破了固如磐石的沉默。  「出すべ」  そのさざめきの間に、潮で※(さ)び切った老船頭の幅の広い塩辛声(しおからごえ)が高くこう響く。  漁夫たちは力強い鈍さをもって、互いに今まで立ち尽くしていた所を歩み離れてめいめいの持ち場につく。お内儀さんたちは右に左に夫(おっと)や兄や情人やを介抱して駆け歩く。今まで陶酔したようにたわいもなく波に揺られていた船の艫(とも)には漁夫たちが膝頭(ひざがしら)まで水に浸って、わめき始める。ののしり騒ぐ声がひとしきり聞こえたと思うと、船はよんどころなさそうに、右に左に揺らぎながら、船首を高くもたげて波頭を切り開き切り開き、狂いあばれる波打ちぎわから離れて行く。最後の高いののしりの声とともに、今までの鈍さに似ず、あらゆる漁夫は、猿(ましら)のように船の上に飛び仱盲皮い搿¥浃浃趣猡工毪取Ⅳ叮à丐丹─虬钉讼颏堡瑜Δ趣工氪沃肖椁稀㈤Lい竿(さお)が水の中に幾本も突き込まれる。船はやむを得ずまた立ち直って沖を目ざす。 “出发!” 在喧嚷的人群中高高地响起老船头苍老、宏量的声音。 渔夫们迈出沉重有力的步伐离开了刚才互相站立的地方向着自己的岗位涌去。婆姨们围在左右奔跑着叮咛丈夫,兄弟和恋人。在刚才还像喝醉酒,迷迷糊糊随波摇晃的渔船船尾,渔夫们发出叫喊,下到齐膝深的海水里。叫喊声响过一阵,渔船顿时没有着落地一边左右摇荡一边高高地翘起船头,越过波峰,掠过海浪,从波涛汹涌的海水边离岸而去。随着最后一声高叫,全体渔夫一反刚才的沉重,好似猴子一般敏捷地跃上渔船。几根长竿从渔船里伸出来插入水中,于是,似乎要折回海岸的船头又被迫重新摆正方向,面向大海。  この出船の時の人々の気組み働きは、だれにでも激烈なアレッグロで終わる音楽の一片を思い起こさすだろう。がやがやと騒ぐ聴肖韦瑜Δ孰叅洳à螖_乱(じょうらん)の中から、漁夫たちの鈍いLargo pianissimoとも言うべき邉婴黏长盲啤ⅳ饯欷激幛韦Δ沥现車欷悟X音の中に消されているけれども、だんだんとその邉婴蠠崆榈膜趣胜炅Δ扭い菩肖盲啤㈦懁虻盲郡瑜Δ恕O夫の仱贽zんだ舟が波を切り波を切り、だんだんと早くなる一定のテンポを取って沖に仱瓿訾筏菩肖丹蓼稀⒘姢S手の手で思い存分大胆にかなでられるAllegro Moltoを思い出させずにはおかぬだろう。すべてのものの緊張したそこには、いつでも音楽が生まれるものと見える。 渔夫们出海时的激情不禁让人联想到一首以激烈快板结束的音乐。乌云和波浪就像嘈杂的观众,渔夫们在纷挠中开始了可以称作广板的缓慢运动。虽然最初的时候湮没在周围的噪声中,但是,运动开始逐渐加快,变得富有激情和力量。渔船像获得了灵气似地载着渔夫们破浪前进,以某种越来越快的节奏驶向大海。那种场面不禁让人想到乐手用强健的手尽情发挥、充分演奏的快慢板。音乐似乎永远诞生在人们的紧张劳动中。  船はもう一個の敏活な生き物だ。船べりからは百足虫(むかで)のように艪(ろ)の足を出し、艫(とも)からは鯨のように舵(かじ)の尾を出して、あの物悲しい北国特有な漁夫のかけ声に励まされながら、まっ暗に襲いかかる波のしぶき[#「しぶき」に傍点]をしのぎ分けて、沖へ沖へと岸を遠ざかって行く。海岸にひとかたまりになって船を見送る女たちの群れはもう命のないな长恧韦瑜Δ摔筏姢à胜ぁO夫たちは艪をこぎながら、帆綱を整えながら、浸水(あか)をくみ出しながら、そのな长恧取⒛9牬纹Aから一字を引いて怪火(かいか)のように流れる炭火の火の子とをながめやる。長い鉄の火箸(ひばし)に火の起こった炭をはさんで高くあげると、それが風を食って盛んに火の子を飛ばすのだ。すべての船は始終それを目あてにして進退をしなければならない。炭火が一つあげられた時には、天候の悪くなる印(しるし)と見て船を停(と)め、二つあげられた時には安全になった印として再び進まねばならぬのだ。暁闇(ぎょうあん)を、物々しく立ち騒ぐ風と波との中に、海面低く火花を散らしながら青い炎を放って、燃え上がり燃えかすれるその光は、幾百人の漁夫たちの命を勝手に支配する呙问证馈¥饯喂猡命の物すごさをもって海上に長く尾を引きながら消えて行く。 渔船变成了一个敏活的生命体,船沿上伸出蜈蚣似的橹,船尾伸出鲸鱼般的舵尾,在北国渔夫们特有的悲怆号子的鼓舞下,掠过漆黑中袭来的浪花,向着大海,向着大海的更远处离岸而去。在海岸上站成一团,目送渔船的妇女们看上去已经变成了没有生命的小石块。渔夫们一边摇橹,调整帆绳,舀出船舱的渍水,一边眺望海岸上那些黑色的小石块和示范船船尾划成一字、好似鬼火流动的木炭火星。那大量的火星是从高扬的火剪夹的木炭火把上迎着寒风吹散出来的,所有的渔船必须始终以它为目标前进或者后退。炭火举起一个的时候表示天气变坏必需停船,举起二个的时候表示安全可以再次前进。在黎明前的黑暗里,在凄厉的寒风和波涛中,火把向海面低低地散开火花,发出一道道青烟。这燃烧的、一掠而过的火花是任意支配几百名渔夫性命的命运之手,这火花载着恐怖的命运拖着长长的尾巴消失在海面上。  どこからともなく海鳥の群れが、白く長い翼に羽音を立てて風を切りながら、船の上に現われて来る。猫(ねこ)のような声で小さく呼びかわすこの海の砂漠(さばく)の漂浪者は、さっと落として来て波に腹をなでさすかと思うと、翼を返して高く舞い上がり、ややしばらく風に逆らってじっとこたえてから、思い直したように打ち連れて、小気味よく風に流されて行く。その白い羽根がある瞬間には明るく、ある瞬間には暗く見えだすと、長い北国の夜もようやく明け離れて行こうとするのだ。夜の闇(やみ)は暗く濃く沖のほうに追いつめられて、東の空には黎明(れいめい)の新しい光が雲を破り始める。物すさまじい朝焼けだ。あやまって海に落ち込んだ悪魔が、肉付きのいい右の肩だけを波の上に現わしている、その肩のような雷電峠の絶巓(ぜってん)をなでたりたたいたりして叢立(むらだ)ち急ぐ嵐雲(あらしぐも)は、炉に投げ入れられた紫のような光に燃えて、山ふところの雪までも透明な藤色(ふじいろ)に染めてしまう。それにしても明け方のこの暖かい光の色に比べて、なんという寒い空の風だ。長い夜のために冷え切った地球は、今そのいちばん冷たい呼吸を呼吸しているのだ。 不知从哪儿飞来一群海鸥拍打着又长又白的翅膀,发出振翅的音响,一边迎着风浪,一边在渔船的上空盘旋。这群荒海中的流浪者用小猴那样的声音低语着,敏捷地俯冲下来,身体刚贴在波浪上,转瞬间又向高空飞起,迎着风浪矫健地飞行了一会儿后,似乎改变想法又加入到鸥群中愉快地顺风飞去。洁白的羽毛一忽儿呈现亮色,一忽儿呈现暗色,北国的漫长冬夜在这种景致中终于完全大亮了。漆黑的夜色向着大海退缩着,在东方的天空上,黎明时分的曙光开始驱散乌云,变成了瑰丽的朝霞。误入大海的恶魔在波涛中露出肥胖的右肩。一团一团的乌云缠绕着雷电岭右肩的绝顶升起来,就像投进火炉中燃烧发出的紫光,连山腹的积雪也被染成了透明的藤色。尽管如此,与黎明时分的温暖阳光相比,空中的狂风更加显得奇寒无比。在长夜中冷透了的地球现在正在呼吸最寒冷的空气。  私は君を忘れてはならない。もう港を出離れて木の葉のように小さくなった船の中で、君は配縄(はいなわ)の用意をしながら、恐ろしいまでに荘厳(そうごん)なこの日の序幕をながめているのだ。君の父上は舵座(かじざ)にあぐらをかいて、時々晴雨計を見やりながら、変化のはげしいそのころの天気模様を考えている。海の中から生まれて来たような老漁夫の、皺(しわ)にたたまれた鋭い眼は、雲一片の徴(しるし)をさえ見落とすまいと注意しながら、顔には木彫のような深い落ち付きを見せている。君の兄上は、凍って自由にならない手のひらを腰のあたりの荒布にこすりつけて熱を呼び起こしながら、帆綱を握って、風の向きと早さに応じて帆を立て直している。雇われた二人の漁夫は二人の漁夫で、二尋(ふたひろ)置きに本縄(ほんなわ)から下がった針に餌(え)をつけるのに忙(せわ)しい。海の上を見渡すと、港を出てからてんでんばらばら[#「てんでんばらばら」に傍点]に散らばって、朝の光に白い帆をかがやかした船という船は、等しく沖を目がけて波を切り開いて走りながら、君の船と同様な仕事にいそしんでいるのだ。 我不能忘记你。在已经远离海港小得犹如一枚树叶的渔船上,你一边做着撒网的准备一边注视庄重得让人生畏的朝幕。你的父亲盘腿坐在舵位上,经常打量着晴雨表,分析变化莫测的天气情况。在海水中诞生的老渔夫用藏在皱纹下的锐利目光仔细观察天空中的每一片云彩,脸上像木雕那样深邃沉稳。你的兄弟在腰间的粗布上磨擦冻僵的双手,一边唤起热量一边紧握帆绳,根据风向和速度调整桅帆。雇用的二名渔夫也是称职的渔夫,正在忙着每隔三、四米给渔网上的鱼钩挂鱼饵。渔船离开港口后零零散散地散落在海面上,白帆晃眼地反射出清晨的阳光。其它的渔船同你们的渔船一样,一边向大海破浪前进一边忙着同样的事情。  夜が明け離れると海風と陸風との変わり目が来て、さすがに荒れがちな北国の冬の海の上もしばらくは穏やかになる。やがて瀬は達せられる。君らは水の色を一目見たばかりで、海中に突き入った陸地と海そのものの界(さかい)とも言うべき瀬がどう走っているかをすぐ見て取る事ができる。 天色大亮后,海风和陆风相遇,北国冬天的荒海终于迎来了暂时的平静。你们不久到达了不妨说是伸入海中的陆地和海水的分界线的浅滩,你们只要看一看水色就能够立刻判断它的走向。  帆がおろされる。勢いで走りつづける船足は、舵(かじ)のために右なり左なりに向け直される。同時に浮標(うき)の付いた配縄(はいなわ)の一端が氷のような波の中にざぶんざぶんと投げこまれる。二十五町から三十町に余る長さをもった縄全体が、海上に長々と横たえられるまでには、朝早くから始めても、日が子午線近く来るまでかからねばならないのだ。君らの船は艪(ろ)にあやつられて、横波を食いながらしぶしぶ[#「しぶしぶ」に傍点]進んで行く。ざぶり‥‥ざぶり‥‥寒気のために比重の高くなった海の水は、凍りかかった油のような重さで、物すごいインド藍(あい)の底のほうに、雲間を漏れる日光で鈍く光る配縄の餌(え)をのみ込んで行く。 帆降了下来。敏捷的渔船依靠舵手忽左忽右地改变方向,同时带着浮漂的渔网从一端开始“噗咚噗咚”投入沸水一般的波浪中。要把全长约有五、六里的渔网长长地横亘在海面之间,必须从清晨忙到日上中天。你们的渔船凭借橹横过波浪缓慢前进。“噗咚……”,“噗咚……”,海水因为寒冷比重增大,就像快要上冻的油脂,在深蓝色的海底下,沉闷地吞噬挂在渔网上的鱼饵。渔网柔和地闪耀着从云彩之间射出来的阳光。  今まで花のような模様を描いて、海面のところどころに日光を恵んでいた空が、急にさっ[#「さっ」に傍点]と薄曇ると、どこからともなく時雨(しぐれ)のような霰(あられ)が降って来て海面を泡立(あわだ)たす。船と船とは、見る見る薄い糊(のり)のような青白い膜(まく)に隔てられる。君の周囲には小さな白い粒がかわき切った音を立てて、あわただしく船板を打つ。君は小ざかしい邪魔者から毛糸の襟巻(えりまき)で包んだ顔をそむけながら、配縄を丹念におろし続ける。 刚才还是鲜花绽放,阳光普照大海的天空突然泛起一层薄云。也不知是从哪儿来的好似阵雨的霰子打在海面上,激起无数的水泡,渔船和渔船之间转眼被浆糊状的苍白薄膜隔开。在你的周围,白色的小园粒发出“咔喯咔喯”的声音急冲冲地打在船板上。你用毛线围巾缠着头,背对这些调皮的家伙,聚精会神地向大海里继续撒网。  すっと空が明るくなる。霰(あられ)はどこかへ行ってしまった。そしてまっさおな海面に、漁船は陰になりひなたになり、堅い輪郭を描いて、波にもまれながらさびしく漂っている。  きげん買いな天気は、一日のうちに幾度となくこうした顔のしかめ方をする。そして日が西に回るに従ってこのふきげんは募って行くばかりだ。 天空又倏然晴朗起来,雪霰不知跑向了何方。渔船在深蓝色的海面上,一会儿出现在云影里,一会儿出现在阳光下,在波浪的搓揉下有条不紊地来回穿梭,同时也飘荡着几分寂寞。 变化无常的天气每天无数次地皱起面容,随着太阳西下,阴沉的脸色越发加重。  寒暑をかまっていられない漁夫たちも吹きざらしの寒さにはひるまずにはいられない。配縄(はいなわ)を投げ終わると、身ぶるいしながら五人の男は、舵座(かじざ)におこされた焜炉(こんろ)の火のまわりに慕い寄って、大きなお櫃(ひつ)から握り飯をわしづかみにつかみ出して食いむさぼる。港を出る時には一かたまりになっていた友船も、今は木の葉のように小さく互い互いからかけ隔たって、心細い弱々しそうな姿を、涯(はて)もなく露領に続く海原(うなばら)のここかしこに漂わせている。三里の余も離れた陸地は高い山々の半腹から上だけを水の上に見せて、降り積んだ雪が、日を受けた所は銀のように、雲の陰になった所は鉛のように、妙に険しい輪郭を描いている。 不惧寒冷的渔夫们更不畏惧风雨的袭击。布完渔网,五个男子汉瑟缩着发抖的身子来到舵舱里,围在小炉子的周围,从大饭桶里抓起饭团狼吞虎咽地吃起来。离开港口时还是团队的友船现在犹如树叶一样渺小,遥遥相对。在漫无边际,与俄罗斯领海相接的荒海上到处都是令人心惊胆战、柔弱不禁的景象。海面上映现着远在二十多公里的高耸山峦。山腹上的积雪,有的在阳光下银光闪耀,有的藏在云彩里呈现出铅灰色,描绘着奇妙险峻的山姿。  漁夫たちは口を食物で頬張(ほおば)らせながら、きのうの漁(りょう)のありさまや、きょうの予想やらをいかにも地味な口調で語り合っている。そういう時に君だけは自分が彼らの間に不思議な異邦人である事に気づく。同じ艪(ろ)をあやつり、同じ帆綱をあつかいながら、なんという悲しい心の距(へだた)りだろう。押しつぶしてしまおうと幾度試みても、すぐあとからまくしかかって来る芸術に対する執着をどうすることもできなかった。 渔夫们一边大口地咀嚼食物一边朴实地谈论昨天的收获和今天的期望。每当这个时候,你就奇怪地感到自己是一个外国人身处在他们中间。虽然操纵同样的橹和同样的帆网,心里却隔着一层无尽悲哀的隔膜。你几次想踏碎它,可是,它马上又缠绕上来。你怎么也摆脱不掉对艺术的执着。  とはいえ、飛行機の将校にすらなろうという人の少ない世の中に、生きては人の冒険心をそそっていかにも雄々しい頼みがいある男と見え、死んでは万人にその英雄的な最後を惜しみ仰がれ、遺族まで生活の保障を与えられる飛行将校にすらなろうという人の少ない世の中に、荒れても晴れても毎日毎日、一命を投げてかかって、緊張し切った終日の労働に、玉の緒で炊(た)き上げたような飯を食って一生を過ごして行かねばならぬ漁夫の生活、それにはいささかも遊戯的な余裕がないだけに、命とかけがえの真実な仕事であるだけに、言葉には現わし得ないほど尊さと厳粛さとを持っている。ましてや彼らがこの目ざましいけなげな生活を、やむを得ぬ、苦しい、しかし当然な正しい生活として、誇りもなく、矯飾(きょうしょく)もなく、不平もなく、素直に受け取り、軛(くびき)にかかった輓牛(ひきうし)のような柔順な忍耐と覚悟とをもって、勇ましく迎え入れている、その姿を見ると、君は人間の呙韦悉胜丹让坤筏丹趣送瑫rに胸をしめ上げられる。 然而,在这个没有几人想成为一名飞行将校的世界里,在这个没有几人想成为富有冒险精神,哪怕被看作具有宏伟理想,死后也受万人景仰,为他壮丽的死而感到痛惜,他的遗属还能得到生活保障的飞行将校的世界里,渔夫们不管天气恶劣还是晴朗,每天都必须拎着生命,起早贪黑地紧张劳动,吃着用生命换来的食物度过一生。这样的生活正因为没有丝毫游戏的空隙,正因为是用生命作代价的真实劳动,所以在言谈中具有无法比拟的崇高和庄重。何况作为被迫无奈、艰苦但又是当然正确的生活,他们没有夸耀,没有骄饰,没有不平,坦然接受;他们就像上了轭的牛匹那样,凭着温顺的忍耐和觉悟勇敢地迎接这种惊天动地的生活。每当面对他们的身影,你胸中同时又因为人生的动荡和壮美而感到不安。  こんな事を思うにつけて、君の心の目にはまざまざと難破船の痛ましい光景が浮かび出る。君はやはり舵座(かじざ)にすわって他の漁夫と同様に握り飯を食ってはいるが、いつのまにか人々の会話からは遠のいて、物思わしげに黙りこくってしまう。そして果てしもなく回想の迷路をたどって歩く。 想到这里,遇难船只的悲壮场面历历浮上你的心头。你虽然仍然坐在船舱里同其他渔夫一样吃着饭团,但是,在不知不觉之间,你却从他们的谈话中远离开来,一言不发,愉快地沉浸到茫茫无尽的回忆中去了。
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