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发表于 2006-2-3 10:17:45
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【天声人語】
2006年02月03日(金曜日)付
昨日、寺の連なる道を歩いていて、ふと和菓子屋の前に出た。ガラス戸に「うぐいすもち」と張り紙がある。先のすぼんだ黄緑色の餅が、棚の中で行儀よく並んでいた。〈鴬餅の持重りする柔かさ 篠原温亭〉。
昨天,走在通往寺院的路上时,无意中来到一家和式点心铺前。店的玻璃门上贴着写有“莺饼”的纸。头尖尖的黄绿色的饼,整整齐齐地摆放在架子上。《莺饼的温暖,在手上越拿越重 篠原温亭》
店を行きすぎた坂道の脇に立つ掲示板に、今日の知らせが出ている。「節分祭 三日午後三時 豆まき」。森鴎外の短編「追儺(ついな)」には、明治期の節分の日が記されている。料亭の座敷で、約束までの時間をもてあましていると、突然、赤いちゃんちゃんこを着たおばあさんがひとり、ずんずんと入って来る。
过了店子的一个斜坡路边有一块公告板,上面写着今天的通知:“立春前日 三号下午三点 撒豆”。在森鸥外的短篇小说《追儺》里,描写了明治时期立春前日的情形:在料理屋的座位上消磨时间,一直等到预定好的时间,这时,突然一个穿红背心的老太太风风火火地跑了进来。
ちょこんとあいさつして、豆をまき始めた。「福は内、鬼は外」。女性が数人ばらばらと出てきて、こぼれた豆を拾う。「お婆さんの態度は極めて活々(いきいき)としてゐて気味が好い」(『森鴎外 現代小品集』晃洋書房)。
只见她略略打了个招呼,就开始撒豆了。“福进来,鬼出去”。之后,几个女子纷纷走出,把撒下的豆子检起。“老太太的表现非常活跃,气氛很好” (《森鴎外 現代小品集》晃洋书房)。
確かに豆まきは、やや大げさなぐらいに声をあげて、勢いよくまくのがほほえましい。昨今では、近所からうるさがられるかもしれないが、邪気を払う願いに免じてだけは許してもらいたい気がする。
的确,撒豆的时候,略带夸张地提高声音,气势高涨地撒才合适。现在,可能有些人会怕骚扰到住旁边的人,不过,我希望在这种求福驱邪的时候大家还是网开一面吧。
豆をまく時のかけ声は、ところによって変わる。寺の宝が鬼の面という名古屋市の大須観音では「福は内」だけだ。東京の稲荷鬼王神社では、神社の名前をおもんぱかって「福は内、鬼は内」、入谷鬼子母神は「福は内、悪魔外」だそうだ。
撒豆时喊的东西,不同地方有也有不同。在名古屋市的大須観音寺,人们认为寺宝就是鬼的脸,所以只喊“福进来”。而东京的稲荷鬼王神社则顺应自己神社的名称喊“福进来,鬼进来”,还有入谷鬼子母神社据说喊的是“福进来,恶魔出去”。
近年は、大がかりな見せ物と化した豆まきの行事もあるようだ。しかし、それぞれの家や居場所で、それぞれに福と鬼とを思うことが、本来の姿なのだろう。〈節分の豆少し添へ患者食 石田波郷〉
近年来,似乎还出现了一些已异化成一种盛大的表演的撒豆仪式。然而,人们心目中,只有那些在各自的家或住处所进行的撒豆时招进的福和赶出的鬼,才是真正的吧。《添点撒豆时撒过的豆子拿给病人吃 石田波乡》 |
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