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【天声人語】
2006年02月23日(木曜日)付
「——一度きりの人生で、挑戦しない手はない」。きのう東京地検に再逮捕されたライブドアの堀江貴文・前社長は『堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方』の序章にそう書いていた。
“人生只有一次,不去挑战枉为人。”这是昨天再度被东京地方检查局逮捕的活力门公司前社长堀江貴文在《堀江貴文的心里话!如何打造赚钱的公司》一书的序言中所写的一句话。
挑戦という言葉は本の末尾にも登場する。「私は、背負っている約12万人の株主(2004年6月末現在)を幸せにするために、これからもたくさんのリスクを取って挑戦し続けていく。そしてこれからも、たくさんのワクワクする体験が待っていると期待している」
挑战一词在书的末尾也出现了。“为了让我背负着的约12万股东(2004年6月底的数据)得到幸福,我今后将会继续挑战,迎接更多的风险。我也期待着今后更多等待着我的让人心潮澎湃的体验。
本の出版後も株主の数が増え続けたが、先日は、株価の急落による株主救済のためとして「ライブドア株主被害弁護団」が結成された。背負っていたはずの株主から損害賠償を求められることにもなりそうだ。
该书出版后股东的数量还在继续增加,然而前几天,一个以救助因活力门股价急跌而损失惨重的股东为目的的“活力门股东受害辩护团”成立了。看来,堀江貴文要被本由他背负着的股东们追索损失赔偿了。
「犯罪は、その独特の輝きと独特の忌はしさで、われわれの日常生活を薄氷の上に置く作用を持つてゐる」。作家・三島由紀夫は独特の犯罪論をこう続けている。「それは暗黙の約束の破棄であり、その強烈な反社会性によつて、却つて社会の肖像を明らかに照らし出すのである」(『決定版 三島由紀夫全集』)。
“犯罪以其独特的魅力和独特的禁忌,使我们的生活如同置于薄冰之上。”这是作家三島由紀夫的独特的犯罪论。“犯罪是对缄默的约定的破坏,由于其强烈的反社会性,反而把社会的肖像清楚地映照出来。” (《決定版 三島由紀夫全集》)。
ライブドアの拡大への「挑戦」が犯罪にまで至っていたかどうか、最終的には裁判所の判断を待つほかはない。しかし事件はやはり、今の世の中を映しているようだ。
活力门为了扩张而做的“挑战”是否构成犯罪,最终还是要等待法院的判决。然而这次的事件,多多少少的确映照出了当今的世界的样貌。
金銭や財物、あるいは勢力拡大への執着は、人間の歴史と同じくらい古い昔からある。一方、インターネットの世界は激しく変わり続けている。この古い欲望が新しい道具立てと交差して結んだ一つの肖像を、事件は照らし出している。
对金钱、财富或扩大势力的追求,几乎与人类的历史一样由来已久。而另一方面,互联网的世界在不断急速变化。这个事件映照出的,是这个古老的欲望与新的工具交汇缔结在一起的肖像。 |
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