ZTたとえば、1月2日に会った人に
「きのうは新年おめでとうございました」
と言う人はないだろう。
おめでたいのはその出来事を指すのであって、その瞬間のことを言うのではないのだ。
だいたい「おめでとう」に過去形はないのに、わざわざ「ござる」と言う丁寧語を付けて過去形にするなんて、慇懃無礼と言うしかない。
うれしくてはしゃいでいる人たちに向かって、パンパンと手を叩き、
「はいはい、もうおしまい」と水を差すようなものだ。
とても礼儀を知った大人のやることではない。
この言葉を使うのは、主に司会進行役だ。
要するに、区切りとして使っている「おめでた」なのだ。
こんなに空虚な、こんなに上っ面の、こんなに心のこもってない「おめでた」が他にあるだろうか。
「おめでとう」はその当事者に捧げる言葉だと認識しなくてはならない。
ただし、結婚式で祝辞を述べた部長さんが「本日は本当におめでとうございました」でシメた場合、彼は知っているのかもしれない。
結婚がおめでたいのはその瞬間だけだということを・・・ |