*~のに
名詞 : な + のに
動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>
(注:接続詞は「それなのに」 )
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♪ 会話 ♪
山田:あの鼻持ちならない新入社員、ふん、ざまを見ろ。
百恵:何があったの?ねえねえ、教えて。
山田:英検一級だとほらを吹いていたくせに、アメリカ人の通訳をやらされて四苦八苦さ。ざまはないよ。
百恵:できないのにできるふりをするから、大恥をかくことになるのよ。自業自得ね。
♯ 解説 ♭
「~のに」は「~だから当然そうなるはずだが、しかし~」という因果の逆説なので、「~けれども/~が」とは異なっています。「~けれども/~が」は前項と後項が対立する関係にあれば広く使えますが、「~のに」は期待や予想に反する事態に直面した時に使われるので、不満・残念・失望の感情が表れます。
もう春だが(・なのに)、少しも暖かくならない。
日本人だが(?なのに)、英語が話せる。
例えば下の例で「日本人なのに」を使うと、因果関係=「日本人だから英語は話せない」、つまり日本人は外国語習得能力が低いということを暗示していますから、日本人は怒り出すでしょうね。→例題1)
なお、「~のに」系逆説に「~くせに」、「~にもかかわらず」、「~にしては/~わりに」などがありますから、各項を参照してください。
§ 例文 §
1.知っているのに知らんぷりをして、空とぼけてる。
2.本当はほしいのに、やせ我慢しなくてもいいんだよ。
3.僕のせいでもないのに、怒られたり、弁償させられたり、いやはや踏んだり蹴ったりだ。
4.警察ですらさじを投げた非行少女なのに、一教師のあなたの手に負えるはずがないわ。
5.だから言わないことはない。あれほどやめろと忠告したのにするからだ。
★ 例題 ★
1) 気をつけて(取り扱う/取り扱い)ように言った(が/のに)、こんなに壊れてはもう(直す/直し)ようがない。
2) やればできる(子→ )のに、いくら言っても自分から(やる→ )という気になって(くれる→ )。 |