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楼主 |
发表于 2011-9-5 11:41:09
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彼女は、薬品を担当の寺田に使ってみようか、と言いました。
熱血学園ドラマ(見たことないのだが、イメージとして)に出てくるようなキャラクターに鬱陶しさは感じても、殺意を抱くことはなかった。それに、彼女は下村の件でK札から事情聴取された際、かなり寺田を追いつめるような証言をしている。それでも、まだやり足りない様子に疑問を抱いた。自分などは、偶然担任を持ってしまったというだけで、下村が起こした事件を、まるで誘導したかのように扱われ、少し同情してやってもいいと思ったくらいだ。
「寺田のどこがそんなに気に入らないの?」
この質問に、彼女は最悪な答えを返してきた。
「直くんは私の初恋の人だから……。あ、でも、今は修哉のことが好きだから」
自分と下村が同系列に扱われている。これ以上の屈辱があるだろうか。
「サイテー、馬鹿じゃねえの?」
心の中で思っただけだと思っていたら、実際、口に出していたみたいだ。ついでにルナシーかぶれのことも馬鹿にしてやると、逆上した彼女は、自分を「マザコン」と罵ってきた。
この手記の冒頭に書いたことの一部を話したことはあったが、それをこんなくだらない言葉で表現されるのは心外だった。反論しかける自分に彼女はさらに追い打ちをかけてきた。
「ママは自分を愛していたけれど、夢を追いかけるために、苦渋の決断で出て行った。なんて思ってるかもしれないけど、結局、あんたを捨てただけじゃない。そんなにママを待ちこがれてるなら、自分から合いに行けば?東京なんて日帰りで行けるし、どこの大学にいるかのわかってるんでしょ。ぐだぐだ言いながら待ってるのは、あんたに勇気がないからよ。自分から会いに行って、拒否されるのが怖いんじゃない?ホントはもう、自分がママに捨てられてることに、とっくに気付いてるんでしょ」
これ以上の冒涜があるだろうか。彼女は自分だけでなく、母親までも汚したのだ。気が付くと、細い首に手をかけていた。殺意を伴う殺人に、凶器など考える余裕はなかった。この殺人の向こう側には何もない。つまり、ここが最終地点、結果としての殺人だ。彼女の死もまた、泡がはじけるよりもあっけなかった。
未成年がひとり殺したところで、たいした騒ぎにならないということは、下村の件ではっきりしている。彼女の死を利用するつもりはない。
死体は、「研究室」の大型冷蔵庫の中にしまってある。一週間も戻らないのに誰も探してくれない可哀想な彼女を、できることなら、明日、爆弾で一緒に吹っ飛ばしてやりたい気もする。何故なら、爆弾は彼女が買いそろえた薬品で作ったからだ。ここに置いておく方がそれっぽいでしょ、と彼女が自分で「研究室」に持って来ていたのだ。だが、命は泡より軽くても、死体は鉄のかたまりより重く、学校まで運んでやるころは、あきらめた。
しかし、誤解しないでほしい。爆弾を仕掛けたことと、彼女を殺したことは、まったく関係ない。
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