天声人语 20130611 政治与病症

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政治与病症
2013-6-11
　現実がよく見えた人だった。なだいなださんは、ネット上の仮想政党「老人党」をつくり、政権交代を目指した。０９年、民主党政権ができる直前、日本政治の惨状を肺炎に見立てた。交代が実現しても「患者の熱が一時下がっただけのようなもの」と、本紙に語っている。
　　这是一个对现实有清醒认识的人。Nadainada（原名：堀内秀）在网上成立了一个虚拟政党“老人党”，目标是成为日本执政党。09年，就在在民主党即将夺取政权之际，他给日本政治的惨状下了肺炎的诊断。在写给本报的文章中，他写道即使更换执政党“病人也不过是暂时退烧而已”。
　政権交代を３回、４回と重ね、治療を続けてやっと肺炎は治っていく。政治が一挙に変わるかのような空気の中、この精神科医が下した診断は透徹していた。多才な文筆家でもあった、なださんが亡くなった。
　　政权轮换3、4次，治疗持续进行肺炎才能根治。在当时大家都觉得政治将会发生天翻地覆变化的气氛中，这位精神科医生所下的诊断可谓透彻。这名医生同时也是一名才华出众的作家日前去世。
　現実を見すえつつ楽観主義を貫いた。名著『権威と権力』では、〈絶望的な状況でも、希望を失わない人間〉に自身をなぞらえる。そして理想とは〈たどりつけるもの〉ではなく、〈見つめるべきもの〉である。
　　虽然对现实看得很透彻，但他始终抱着乐观主义心态。在其名著《权威与权力》中，他描述自己是“一个即使在绝望的状态下也不会失去希望的人”。他还说，理想不是用来“实现”，而是用来“仰望”的。
　権威も権力もない社会は来ないとわかった上で、状況への発言を続けた。第１次安倍政権のナショナリズムへの傾斜を「国家中毒」と批判した。いまのアベノミクスも疑い、先月末には〈浮いた気分も、もう終わりでしょう〉と書いた。
　　明知道没有权威也没有权力的社会永远不会到来，他还是坚持对政治现状发表见解。第一次安倍政权的时候，他就批评当时政府的民族主义倾向是“国家中毒”。对现在的安倍经济政策他也心存疑虑，在上月底的文章中他写道：“这吹起来的泡沫马上就会破的。”
　大切にした臨床での心得がいい。アルコール依存症は「治す」のではなく、患者と「つき合う」。医師の仕事は「人間というものがよく見えるし、自分自身のいいところ悪いところが鏡のように映る」。
　　身为医生，他从临床工作中得到很多体会。譬如对酒精依赖症患者不是“治疗”，而是“交流”。他认为医生的工作“能清楚认识‘人’这种生物，自己身上好的坏的地方都像照在镜子里一样一清二楚。”
　残り少なくなった日々、周りの家族のつらさを深々と気遣っている。ブログに〈結局死んでいくぼくが一番楽なのかもしれない〉と綴（つづ）った。「自分から一歩外に出て自分を見る」流儀を最後まで通して逝った。
　　在余下的日子已经不多的时候，他对在身边照顾的家人的辛苦深感内疚。他在博客里写道“结果也许走向死亡的我是最轻松的一个”。“从自己的身体走出来看自己”，他以一贯的风格走完了人生最后一程。