天声人语 20131018 面包超人之父

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面包超人之父
2013-10-18
　年に４回の季刊誌には、世の中の多忙に追われぬ落ち着きがある。鎌倉市にあるかまくら春秋社が発行する「詩とファンタジー」をいつも楽しみにしていた。だが、明日発売の２４号は少し切ない。創刊以来の責任編集者だったやなせたかしさんの、遺言のような詩が載る。
　　一年4期的季刊杂志，有一种远离世间忙碌的从容感。由位于镰仓市的镰仓春秋社发行的杂志《诗与幻想》一直是笔者的心头所好。然而，该杂志明天发行的第24号却让人有些许的哀伤，因为里面刊登了杂志创刊以来一直担任责任编辑的柳濑藁先生一首相当于遗言的诗作。
　９４歳で亡くなったやなせさんは遅咲きの人だった。「アンパンマン」を生んだのは５０代も半ばになってから。売れなかった時代は「一寸先は光」という言葉を心の杖にしたそうだ。一寸先が闇でなくて光なのは、人を励ます作風に通じている。
　　以94岁高龄辞世的柳濑先生是个大器晚成之人。他的成名作《面包超人》诞生时他已经50多岁了。据说他在自己的作品无人问津的时期，一直把“前面一寸就是光明”这句话作为激励自己的信条。前面一寸不是黑暗而是光明，这与他的作品总是鼓励人的风格一脉相承。
　高知で育った子ども時代、出かけた帰りに電車賃を落とした。遠路を歩いてへとへとになったとき、知り合いのおじさんにあんパンをもらって元気が出た。ひもじい人に顔をちぎって食べさせるヒーローは、そんな思い出が下敷きにあった。
　　小时候，生活在高知的柳濑有一次外出，回家的路上把买车票的钱丢了。当他步行了很长的路肚子饿得咕咕叫的时候，一位相识的伯伯送了他一个红豆馅面包充饥，让他精神重新饱满起来。那个把自己的脸撕下来让饿坏了的人充饥的小英雄，其形象蓝本就来自他童年的这段记忆。
　アンパンマンは相手を一方的にやっつけはしない。絶対の正義などないという持論は、先の戦争での出征体験による。声高な正義はうそ臭い。本当の強さとは優しさだと、物語は気づかせてくれる。
　　面包超人不会把对手赶尽杀绝。柳濑一贯主张没有什么绝对的正义，这是他从之前战争的出征体验中得出的结论。喊得震天的正义很有可能是谎言。他通过他的作品告诉我们，真正强大的东西是善意。
　漫画家ながら詩もつくり、詩集と名のつく本を何十冊も出した。季刊誌には、「ところであなたは？」という問いかけで終わる巻頭の詩をいつも載せていた。
　　柳濑作为一名漫画家的同时也创作诗作，陆续出版过几十本诗集。文章开头提到的季刊杂志的每一期都会刊登由他所写的，以“那你呢？”这一问句作结束的卷头诗。
　絵筆ひとつで童心と行き交い、老いていっそう輝きを放った。３・１１の後は病気を押して子らを勇気づけた。「かっこ良くない正義のヒーロー」を生んだ人の生き方を見て思う。かっこ良いとは、こういうことを言うのだろうと。
　　柳濑以一支画笔与童心交流，上了年纪后愈发熠熠生辉。在311东日本大地震后，他不顾身体的不适，坚持给孩子们打气。回顾这位“不那么酷的正义英雄”之父的一生，笔者不禁觉得，其实，这才是真正的“酷”吧。