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[其他翻译] 「羊をめぐる冒険」の翻訳(7)

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发表于 2014-10-10 14:01:07 | 显示全部楼层 |阅读模式
第二章  1978/7月



1 十六歩歩くことについて(1)

走16步

エレベーターのドアが閉まるジュウッというコンプレッサー音を背中に確かめてから、おもむろに目を閉じる。そして意識の断片をかきあつめ、アパートの廊下をドアに向かって十六歩歩いた。目を閉じたまま正確に十六歩、それ以上でもそれ以下でもない。ウィスキーのおかげで頭はすりきれたネジみたいにぼんやりとして、口の中は煙草のタールのにおいでいっぱいだった。
  等到确认听到背后的电梯关门的声音后,我就慢慢地闭上了眼睛。然后把已有意识的片断搜集在一起,面向我的房门在公寓楼道里走16步。就那样闭上眼睛正确地走16步,不多也不少。威士忌酒把我的脑袋弄得晕晕糊糊,像磨损的螺丝那样。嘴里充满了烟的焦油味。


それでも、どんなに酔っ払うっていても、目を閉じたままものさしで線を引いたみたいにまっすぐ十六歩歩くことができる。長年にわたる意味のない自己訓練の賜物だ。酔っ払うたびに背筋をしゃんと伸ばし、顔を上げ、朝の空気とコンクリートの廊下の匂いを思いきり肺に吸い込む。そして目を閉じ、ウィスキーの霧の中をまっすぐ十六歩歩く。
  别管是酒醉到多么严重的程度,闭上眼睛就像用尺子拉线那样保证能笔直地走16步。这是长年毫无意义的自我训练的结果。每当喝醉时,都端正身体伸伸后背,抬起头,把凌晨的空气和水泥楼道的味道痛快地吸入到肺里。然后闭上眼在酒气的迷雾中笔直地走16步。


その十六歩的世界にあっては、僕は「もっとも礼儀正しい酔っ払い」という称号を与えられている。簡単なことだ。酔っ払ったという事実を事実として受容すればいいのだ。
  因为有了16步这件事,我被授于“绝对懂礼仪的醉汉”这个称号。这很简单。把喝醉这件事当成事实,能认可这一点那是很光彩的。


「しかし」も「けれども」も「ただし」も「それでも」も何もない。ただ単に僕は酔っ払ったのだ。
  “但是”、“但是”、“可是”、“尽管如此”等也没必要说这些,也只不过仅仅是我喝醉而已。


そのようにして僕は最も礼儀正しい酔っ払いになる。いちばん早起きをするむくどりになり、いちばん最後に鉄橋を渡る有蓋貨車になる。
  并且由此,我更加做好“绝对懂礼仪的醉汉”。成为第一个早起的白头翁鸟,成为最后一位走过铁桥的有盖货车。


五、六、七……
  五、六、七……


八歩めで立ちどまって目を開け、深呼吸をする。軽い耳鳴りがした。錆びた鉄条網のあいだを抜けていく海の風のような耳鳴りだった。そういえばしばらく海を見ていないな。
  走到第八步停下来睁开眼,深呼吸。有轻微的耳鸣。像是海风穿越生了锈的铁链网格那样的耳鸣。虽这么说,但是好长时间看不到海了。


七月二十四日、午前六時三十分。海を見るには理想的な季節で、理想的な時刻だ。砂浜はまだ誰にも汚れてはいない。波打ちぎわには海鳥の足あとが、風にふるい落とされた針葉のようにちらばっている。
  7月24日早上6:30,是看海的理想季节,也是理想的时刻。沙滩还没有被谁污染。在水边的沙滩上有海鸟的脚印,它就像被风吹落的针叶那样零乱分散着。


海、か。
  这是大海吗?


僕は再び歩き始める。海のことはもう忘れよう。そんなものはとっくの昔に消えてしまったのだ。
  我重新迈开步走起来。已经把海忘掉了。那样的事早已消失在久远的过去了。


十六歩めで立ち止って目をあけると、僕はいつものように正確にドアのノブの前にいた。郵便受けから二日ぶんの新聞と二通の封書を取り出し、小脇にはさむ。そして迷路のようなポケットからキー?ホルダーをとり出し、それを手に持ったまま冷やりとした鉄ドアにしばらく額をつけた。耳の後ろ側でかちんという小さな音がしたような気がした。体が綿のようにアルコールを吸い込んでいるのだ。比較的まともなのは意識だけだ。
  走完16步停下来睁开眼,我和平常一样正确地站在门把手的前面。把从邮局送来的两天的报纸和两封信夹在腋下。像迷路那样从口袋里摸索找出钥匙链,手里拿着钥匙链,用额头顶住冰凉的铁门。感觉耳后有哗啦的小声音。身体就像海绵那样吸足了酒精。也只有这一点比较清醒的意识。


やれやれ。
算了,算了。

ドアを1/3ばかり開けてそこに体をすべりこませ、ドアを閉める。玄関はしんとしていた。必要以上にしんとしていた。
  把门也只打开三分之一,身体从那门缝溜进去,然后把门关上。门口很安静。安静得让人不舒服。


それから僕は足もとの赤いパンプスの存在に気づいた。見慣れた赤いパンプスだった。それは泥だらけのテニス?シューズと安物のビーチ?サンダルにはさまれて、季節はずれのクリスマス?プレゼントみたいに見えた。その上に細かいちりのような沈黙が浮かんでいた。
  我注意到了脚的旁边有一双女红鞋的存在。那双红鞋眼熟。它被沾满污泥的网球鞋和便宜的凉鞋夹在中间,看上去像是远离时节的圣诞的礼物。细小的灰尘浮在上面,静静地呆在那里。

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 楼主| 发表于 2014-10-10 14:01:45 | 显示全部楼层
那双红色的鞋有什么来历呢?
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