「霜を履(ふ)んで堅氷至る」のことわざは中国古典から来た。霜が降りるという前兆があり、やがて氷が硬く張る。日中の関係も、尖閣諸島や歴史認識といった「霜」を踏んで、堅氷の中に凍(い)てついている。
“履霜,坚冰至”的谚语出自中国古代典籍。有了霜降的前兆,不久就会遍布坚冰。日中关系亦如是,踩到了钓鱼岛和历史观这样的“霜”,就会被冻在坚冰里。
首脳会談前、安倍晋三首相と握手する中国の習近平国家主席の表情も、氷像を思わせた。ようやくのトップ同士の顔合わせである。だが習氏の目も口も頰も、国内向けかもしれないが寸分も緩むことはなかった。
首脑会谈前,与安倍晋三首相握手的中国国家主席习近平的表情,也让人想到冰雕。好不容易高层之间碰面了,可是你看习:无论眼神、嘴角、面颊,许是为了面对中国国内,竟没有半分和缓。
安倍首相は「氷」と縁がある。かつて小泉純一郎首相が靖国参拝を続けて両国関係は冷え切った。次の首相に就いた安倍氏は最初の訪問国に中国を選ぶ。それを「氷を砕く旅」と好意的に呼んだのは当時の温家宝首相である。
安倍首相与“冰”有缘。曾经的小泉纯一郎首相参拜靖国神社引发了两国关系持续降温。其后就任首相的安倍选择中国作为首次出访的国家,这曾被当时的温家宝总理善意地称作“破冰之旅”。
温氏も「氷を溶かす旅」と称して訪日し、首脳往来は復活する。だが、双方の関係はまたも冷え込んだ。せっかく氷を砕いた安倍氏なのに、自らの靖国参拝もあって事態をいっそうこじらせた。
温总理的访日也被称作“融冰之旅”,恢复了首脑间的交往。但是双方关系又再次冷却。就是这位曾尽心破冰的安倍,竟因自己参拜靖国神社而进一步加剧了事态。
日中国交正常化の際、労を尽くした人たちを、「水を飲むときには井戸を掘った人を忘れない」と言ったのは周恩来元首相だった。以来42年がたち、双方の先達の苦労は忘れられがちだ。そして今は最悪の氷河期といえる。
在日中邦交正常化之际,先总理周恩来曾向为此尽心竭力的人们表示:“饮水不忘掘井人”。这之后过去了42年,两国先贤的辛劳不仅被遗忘,甚至可以说到了最严酷的冰河期。
先方を見れば、経済規模で世界2位とはいえ、13億人の格差は広がり、民主主義なき発展の矛盾は覆いようもない。政治体制の違いもあってつきあうのは難しい。しかし引っ越せぬ隣国同士、飲もうにも凍って汲(く)めない井戸は溶かすほかはない。ぴしり、と氷の割れる音は聞こえたか。
如果看看对方,且不论世界第二的经济规模、扩大中的13亿人口差距、不完善的民主制度和广泛的发展的矛盾也可先当作没有,政治体制也不同,交往何其难也。但是同样作为两个无法搬家的邻国,就算为了饮水,也必须把冻结无法汲水的井给融化开。“噼——里”我听到的是冰裂的声音吗? |