日の色に染まる柚子湯 太阳染色的柚子浴 2015年12月22日05時00分 師走の街に赤と緑があふれるようになったのは、いつごろからか。クリスマスカラーに華やぐ季節だが、和風の赤と緑も負けてはいない。東京の西、いわゆる武蔵野を歩けば、ヤブコウジやセンリョウの赤い実が目に鮮やかだ。 12月的街道不经意间已遍染绯红翠绿。虽是繁华圣诞色的季节,日式风格的红绿也自不弱。如果走在东京西边的武藏野,最醒目的是鲜红的紫金牛果。 深い緑の葉との組み合わせが、色の乏しくなった林間を彩っている。暖冬ながら、師走も下旬となれば葉を落とした裸木が目立つ。木々の枝が青い空に自在の抽象画を描く。季節風が裸のこずえを鳴らして吹けば、年の瀬の感慨はいっそうつのる。 配着墨绿色的叶,红色果实妆点着收敛了色彩的树林。因为是暖冬,即便到了12月下旬,掉光叶子的树也少得醒目。树枝在蓝天里自在地画着抽象画。寒风吹响光秃的树冠,更曾年华之叹。 冬ざれへと向かう季節だが、感じ方は年齢で変容するらしい。作家の井上靖は「最近は花の咲くのを見ているよりも、葉を振り落とすのを見届けてやっている方が、気持に合っているように思う」と述べていた。69歳のときの一文だ。 在迈向枯寂深冬的时节,思绪总会遛到年龄上。作家井上靖69岁时在文章中说:“最近觉得与其看花,还是看着叶落更合乎心情”。 経済学者の河上肇は、晩年近くにこんな漢詩をつくった。「拾い来たりて微細に見れば/落葉 花よりも美なり/始めて識(し)る 衰残の美/風に臨んで白鬢(はくびん)斜なり」。どちらも、虚飾を脱ぎ捨てたような冬木立への共感を、秘めているかに思われる。 经济学家河上肇晚年时做过这样的汉诗“拾来见细微,落叶美胜花。始知残衰美,白鬓临风斜。”这两者都让人想到胸怀对摆脱虚饰的冬日落木的欣赏。 きょうは短日が極まる冬至。一陽来復(いちようらいふく)で日は伸びるけれど、寒気は逆に厳しさを増してくる。日の色に染まった柚子(ゆず)を湯に浮かべれば、これは老若にかかわらず、香気の湯けむりが邪気を払ってくれる心地になる。 今天是白昼最短的冬至。虽是一阳复来白日渐长,寒冷却会更加深重。浴池热水里漂浮着被太阳染色的柚子,无论老幼都会在香气四溢中感受到却病除邪的好心情。 冬至を過ぎれば師走の日々はもうまっしぐらに、仕事納めから大みそかへと急ぐ。木々は深い眠りに入る。慌ただしさの中に、今年を見送ってたたずむ思いが入りまじる。 冬至过后的日子会飞速而过,从工作总结到除夕都会急急到来。树木陷入深深冬眠。喧嚣中不由得想让即将告别的一年停住。
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