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エピローグ(2)
翌日の昼食は飛行機の中で食べた。飛行機は羽田に立ち寄り、それからもう一度飛び立った。左手にずっと海が光っていた。
ジェイはあいかわらずじゃが芋をむいていた。アルバイトんの若い女の子が花瓶の水をかえたり、テーブルを拭いたりしていた。北海道から街に帰ると、まだ秋は残っていた。ジェイズ?バーの窓から見える山は綺麗に紅葉していた。僕は開店前のカウンターに座ってビールを飲んでいた。ピーナツの殻を片手で割るとぱりっという気持の良い音がした。
「そんな風に気持良く割れるピーナツを仕入れるのも大変なんだよ」とジェイは言った。
「へえ」と僕はピーナツをかじりながら言った。
「ところでまた休暇なのかい?」
「やめたんだ」
「やめた?」
「話すと長くなる」
ジェイはじゃが芋を全部むき終えると大きなざるで洗い、水を切った。「それでこれからどうするの?」
「わからないよ。僕の退職金プラス共同経営権の買い取りぶんが少し入る。たいした金じゃないけれどね。それからこういうのもある」
僕はポケットから小切手を出して金額を見ずにジェイに渡した。ジェイはそれを眺めて首を振った。
「凄(すご)い金額だけど、どことなくうさん臭そうだね」
「実にそのとおりさ」
「でも話すと長くなるんだろう?」
僕は笑った。「それをあんたに預けとくよ。店の金庫に入れといてくれよ」
「金庫なんてどこにあるんだい?」
「レジでいいじゃないか」
「銀行の貸金庫に入れといてやるよ」とジェイは心配そうに言った。「でもこれをどうするんだい?」
「ねえ、ジェイ、この店に移る時に金がかかったんだろ?」
「かかったよ」
「借金は?」
「ちゃんとあるよ」
「その小切手ぶんで借金は返せるかい?」
「お釣りがくるよ。でも……」
第二天的午饭是在飞机中吃的。经停羽田机场后继续飞行。在左侧一直是大海在闪闪发光。
洁伊没有什么变化,正在剥着红薯。打工的女孩不停地给花瓶换水,擦着桌子。从北海道回到老家这里,还留有晚秋的味道。透过洁伊小吧的窗户所看到的山有美丽的红叶。营业之前我坐在柜台旁喝着啤酒。用一只手剥着花生皮,发生动听的声音。
“采购到这么好的花生,剥起皮来精神爽朗。”洁伊说。
“是的。”我一边嚼着花生一边说。
“到这个时候了还在休假?”
“没有工作了。”
“没工作了?”
“说来话长。”
洁伊把红薯全部剥完后用大箩清洗,然后把水关了。“那样的话今后有什么打算?”
“我还不清楚。我的退休金和原共同经营权的出卖,钱倒不少。今后就这一点。”
我从兜里把支票拿出来也没看数额交给洁伊。洁伊看了看摇摇头。
“钱真不少,但这钱太可疑。”
“这可是真钱。”
“不是说说来话长吗?”
我笑了笑。“请你保管起来。请放到你店的保险柜里。”
“什么保险柜?根本就不存在。”
“就是收款台呀。”
“你放到银行的出租保险箱吧。”洁伊很担心地说。“这个你想怎么处理呢?”
“这个,洁伊,你把店移到这里的时候花钱没有?”
“花了。”
“借的钱?”
“有定期的。”
“用这个支票来还钱如何?”
“这样还有多余,可是……” |
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