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[其他翻译] 「ダンス ダンス ダンス」の翻訳(1)

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发表于 2016-2-20 22:12:22 | 显示全部楼层 |阅读模式
ダンス  ダンス  ダンス
村上春樹

一九八三年三月
1(1)
よくいるかホテルの夢を見る。
夢の中で僕はそこに含まれている。つまり、ある種の継続的状況として僕はそこに含まれている。夢は明らかにそういう継続性を提示している。夢の中ではいるかホテルの形は歪められている。とても細長いのだ。あまりに細長いので、それはホテルというよりは屋根のついた長い橋みたいにみえる。その橋は太古から宇宙の終局まで細長く延びている。そして僕はそこに含まれている。そこでは誰かが涙を流している。僕の為に涙を流しているのだ。
ホテルそのものが僕を含んでいる。僕はその鼓動や温もりをはっきりと感じることができる。僕は、夢の中では、そのホテルの一部である。
そういう夢だ。

目が覚める。ここはどこだ?と僕は考える。考えるだけではなく実際に口に出して自分自身にそう問いかける。「ここはどこだ?」と。でもそれは無意味な質問だ。問いかけるまでもなく、答えは始めからわかっている。ここは僕の人生なのだ。僕の生活。僕という現実存在の付属物。特に認めた覚えもないのにいつの間にか僕の属性として存在するようになったいくつかの事柄、事物、状況。隣に女が眠っていることもある。でも大抵は一人。部屋の真向かいを走る高速道路のうなりと、枕もとのグラス(底に五ミリほどウィスキーが残っている)と、敵意をもった――いや、それは単なる無関心さなんだろうか――塵だらけの朝の光。時には雨が降っている。雨が降っていると、僕はそのままベッドの中でぼんやりとしている。グラスにウィスキーが残っていれば、それを飲む。そして軒から落ちる雨垂れを眺めながら、いるかホテルのことを考える。手脚をゆっくりと伸ばしてみる。そして自分がただの自分であり、何処にも含まれてなんかいないことを確かめる。僕は何処にも含まれてはいない。でも夢の中の感触を僕はまだ覚えている。そこでは僕が手を伸ばそうとすれば、それに呼応して僕を含んだ全体像が動く。水を利用した細かい仕掛けのからくりのように、ひとつひとつゆっくりと注意深く、段階ごとにほんの微かな音を立てながら、それは順番に反応していく。僕が耳を澄ませれば、それが進行していく方向を聞き取ることができる。僕は耳を澄ます。そして誰かの静かな啜り泣きの声を聞き取る。とても静かな声。闇の奥の何処かから聞こえてくる啜り泣き。誰かが僕のために泣いているのだ。

いるかホテルは現実に存在するホテルだ。札幌の街のあまりぱっとしない一角にある。僕は何年か前にそこに一週間ばかり泊まったことがある。いや、きちんと思いだそう。はっきりとさせておこう。あれは何年前だ?四年前。いや、正確に言うと四年半前だ。僕はその時はまだ二十代だった。僕はある女の子と二人でそのホテルに泊まった。彼女がそのホテルを選んだ。そのホテルに泊まろうと彼女が言ったのだ。そのホテルに泊まらなくては、と彼女は言ったのだ。もし彼女が要求しなかったら、僕はいるかホテルになんてまず泊まらなかっただろうと思う。
それは小さなみすぼらしいホテルで、僕らのほかには泊まり客の姿は殆ど見あたらなかった。僕がその一週間の滞在中にロビーで見掛けた客は二人か三人かそれくらいだったし、それだって泊まり客なのかどうかわかったものではない。でもフロントのボードに掛かった鍵がところどころ欠けていたから、僕らの他にも泊まり客はいたはずだと思う。それほど多くないにしても、少しくらいは。幾らなんでも仮にも大都市の一角にホテルの看板を掲げ、職業別電話帳にだってちゃんと番号が出ているのだ、まったく客が来ないということは常識的に考えてありえない。しかしもし僕らの他に客がいたとしても、彼らはおそろしく物静かでシャイな人々だったはずだ。僕らは彼らの姿を殆ど見掛けなかったし、その物音も聞かなかったし、気配も感じなかった。ボードの上の鍵の配置だけが毎日少しずつ変わった。彼らは息をひそめたぶん薄い影のように壁を這って廊下を行き来していたのだろう。ときどきかたかたかたかたというエレベーターの走行音が遠慮がちに響いたが、その音が止むと、沈黙は前よりかえって重くなったように感じられた。
とにかく不思議なホテルだった。


  我经常梦到海豚宾馆。
  在梦中我被蕴涵在那里。就是说,我表现为某一种连续状态被蕴涵在那里。那梦很明确地提示了那种状态的连续性。在梦中海豚宾馆的楼已经歪了。变得那么细长。因为过于细长,说是宾馆,看上去它更像是配带有屋顶的长桥。那座桥从太古延伸过来细长细长地延续到宇宙的终结。而且我被蕴涵在那里。在那里有谁流着泪。而且是在为我流着泪。
  宾馆其本身就蕴涵着我。我清楚地感觉到了其心跳和温暖。在梦中我已是那宾馆的一部分了。
就是那样的梦。

睡醒了。我就使劲想:这里是什么地方呢?不仅仅是在想,而是说出口对自己自身提出了问题:“这里是什么地方呢?”当然那是无意义的提问。虽还没有问完,答案从开始就明白了。这里就是我的人生,是我的生活,所谓我就是现实存在的附属物。虽然没有特殊的确认的记忆,作为我的属性无论什么时候都存在,包括事情、事务、状况等。在旁边有女人睡觉这事也有。当然其实就一人。那房子对面的高速路上的骚音、枕头旁边的玻璃杯(在杯底只剩下五厘米的威士忌)、带有敌意——这大概是单纯的无关心造成的吧——充满灰尘的早晨的光线等等。有时候在下着雨。一旦一下雨,我就浑身不动躺在床上。若杯子中还剩有威士忌,就把它喝了。然后就瞧着从屋顶流下来的雨水,思考着海豚宾馆的有关事情。就这样舒舒服服地休息。好在确认一下,我自己还是我自己,并没有被蕴涵在什么地方。自己并没有被蕴涵在什么地方。可是我还在记着梦中的那些感触。在那里我若要伸手做什么,与其相呼应蕴涵我的那个整体就有动作。就像利用水动力的精细装置那样,一点一滴在慢慢地加深注意力,在每步都发出微弱的声音,按着顺序逐一反应下去。我若支楞起耳朵,能探听到其前进的方向。我的耳朵很灵敏。接着能听到了是谁的轻弱的抽泣声。非常轻弱的声音。从黑暗的深处传来的能听得见的抽泣。是谁在为我而哭。

  海豚宾馆是现实中的确存在的宾馆。座落在札幌大街上不太显眼的一个角落。几年前我曾经在那里只住了一个星期。不,能够想起来,那是很清楚的想起来。那是几年前?四年前。不,更准确地说应该是四年半前。在那个时候我还二十多岁。我和一个女的两人一起住在那里。是她选择了那个宾馆。就住在那个宾馆吧。她曾经这样说的。必须要住在那个宾馆。她还这样说。假如她不提出要求,我想首先就不会住在那个海豚宾馆。
  那是个小的很寒碜的宾馆,除去我们之外几乎看不到其他住宿客人的身影。在住宿的那一周中我在客厅也只看到了两、三人,而且还不确定他们是不是住宿客人。在服务台后墙板上掛着的钥匙有几个地方空着,所以就认为除我们之外还应有客人。尽管没那么多,但少量的人总还是有的。无论如何假如在一个大都市的一角落掛着宾馆的广告牌,或者在职业栏电话薄上登有电话号码的话,一般情况下不会认为不会没有客人会来。但是假如在我们之外有客人,那他们也应该是文静腼腆的人。我们几乎看不到他们的身影,也听不到他们的什么响动,也感觉不到他们存在的迹象。只是在后墙板上掛着的钥匙的排列每天都有些变化。他们发不出什么声息,就像那薄薄的影子贴到壁上在走廊走来走去。偶尔电梯很客气地发出“叮咣叮咣”那样的升降声音,一旦那声音停下来,沉默的气氛比以前更严重。

  真是不可思议的宾馆。
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 楼主| 发表于 2016-2-20 22:13:24 | 显示全部楼层
从今天开始阅读、学习翻译村上春树的
《ダンス ダンス  ダンス》


欢迎指正、批评。
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 楼主| 发表于 2016-2-20 22:14:10 | 显示全部楼层
一位朋友非常关心我在此之前翻译的《羊をめぐる冒険》。现在继续他支持我的学习和翻译,而且为我提供日文原版的录入。
这为我的学习和翻译提供了很大的帮助,节约了很多时间。
在此非常感谢!
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