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发表于 2006-6-15 10:13:04
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テーブルにコップを置く。ビールをつぐ。その時、泡が多少勢いをもってあがるくらいにする。泡が落ち着いたら、今度は静かにつぎ足してコップを満たす。かなり前、指揮者の岩城宏之さんが、おいしいビールのつぎ方をテレビで実演していた。試してみると、いつもより細やかな泡に包まれたビールは、味わいがぐんと増していた。
将杯子放到桌上,倒上啤酒。让啤酒产生一定的泡沫,自动蔓溢。当泡沫平息下来时,再慢慢加满。很久以前,音乐指挥家岩城宏曾经在电视上亲自表演过美味斟酒法。我试了一下,确实,泡沫比往常的要细腻,口感好了很多。
現代音楽を積極的に初演するといった本業の他に、軽妙な随筆でも知られた岩城さんが、惜しくも73歳で亡くなった。柔和な風貌(ふうぼう)が魅力的だったが、音楽への傾倒はすさまじく、一昨年からは、大みそかにベートーベンの九つの交響曲すべてをひとりで指揮する「フル(振る)マラソン」コンサートを開いていた。
岩城先生一直致力于演奏现代音乐,在此本行之外,还常写一些轻快的随笔,可惜73岁就离开了人世。他的魅力在于其柔和的风范,而他对音乐的痴迷更让人钦佩,从前年除夕开始,举办“指挥马拉松”,一个人全程指挥贝多芬9首交响曲.。
05年度の朝日賞を受け、今年1月の贈呈式で述べた。「ベートーベンの音楽も当時は過激でした……あと10年間ぐらい続けますけども、これもベートーベンの前衛精神に挑戦するつもりです」。ここ15年ほど、がんとの付き合いが続いていた。
获05年度朝日奖。在今年1月举办的颁奖仪式上,他说,“贝多芬的音乐在当时看来也是非常激进的…….我要再坚持10年,这也是我对贝多芬前卫精神的挑战吧”。近15年,岩城先生一直在和癌症抗争。
中学1年の時に終戦を体験した。空襲で東京の町を逃げ回り、焼け出される。「鬼畜」と呼んでいた米英を、戦後一転して民主主義の鑑(かがみ)ともちあげる教師を見て、大人たちへの強い反発を抱いた。
「いまだに大人になることを拒否し続けているんです」(『男が語る 人生これから』)。
中学1年级时经历了二战结束那一段苦难。为躲避空袭在东京街上東奔西逃,因为房屋被烧毁无家可归。曾经骂做“魔鬼,畜生”的英美,战后却变成了民主主义的老师,奉若神明。年幼的岩城对大人抱着强烈的反叛心里。“直到现在我还是拒绝变成大人”(《男人谈 人生才开始》)。
「自分ではいまでも大きくなったら何になろうかって思っているようなところがある」。いつまでも少年の心を持ち続けた、偉大な指揮者だった。
“直到现在,我有时还会想,长大以后要做什么呢”。这个伟大的指挥家,一直保持着这份少年情怀。
昨夜は、その死を悼みながら、岩城さん流についだビールで献杯した。
昨天晚上,我用岩城斟酒法倒了一杯啤酒,献给大师,悼念大师之死。 |
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