宇宙のはじめに、大爆発があった。このビッグバンの直接証拠を宇宙の電波観測でとらえた米国の学者ふたりに、今年のノーベル物理学賞が贈られる。素人の身には、ビッグバンの前は何がどうなっていたのかといった問いも浮かぶ。妙な言い方だが、近づけば近づくほど遠ざかるような謎と魅力が、宇宙にはあるようだ。
宇宙初始,曾发生过大爆炸。通过宇宙电波观测,获得此大爆炸直接证据的两位美国学者,荣获今年的诺贝尔物理学奖。身为外行,笔者不禁心存疑问,宇宙大爆炸前,究竟为何等模样。这或许是种奇怪的说法,越接近宇宙,越觉得离其遥远,这种不解之谜与魅力,似乎只在宇宙存在。
ノーベル物理学賞といえば、あのアインシュタインは、受賞の報を日本に向かう途上に聞いた。1922年、大正11年の晩秋に来日し、「相対性博士」として各地で大歓迎を受けた。
说起诺贝尔物理学奖,爱因斯坦,在来日本途中听说了自己获奖的消息。他在1922年,大正11年的晚秋来到日本,作为“相对性博士”在各地大受欢迎。
この訪日の時に博士が残したという言葉を先日、安倍首相が国会の演説に引用していた。「日本人が本来もっていた、個人に必要な謙虚さと質素さ、日本人の純粋で静かな心、それらのすべてを純粋に保って、忘れずにいてほしい」
前几日,安倍首相在国会演说中,引用了爱因斯坦博士在那次出访日本时曾说的话语 “希望日本人不要忘记,并一直保持着所有那种,日本人原本拥有的、个人所必须的谦虚俭朴,以及日本人那种纯粹宁静的心态”。
これとは別に、帰国の直前に述べた言葉がある。「地球上にもまだ日本国民のごとく……謙譲にしてかつ実篤の国民が存在していることを自覚した」。そして、山水草木は美しく、日本家屋も自然にかない、独特の価値があるので、日本国民が「欧州感染」をしないようにと希望した。
此外,爱因斯坦在回国前还说过这样的话“我想地球上也还存在着如日本国民一般……谦虚诚实的国民”。日本的山水草木美丽怡人,日本房屋可与自然媲美,这一切都有其独特价值,因而我希望日本国民不要“欧洲化”。
しかしその後の日本は、欧州の列強に感染したかのように外国を侵略し、敗戦に至った。戦後は、開発で多くの美しい山水草木が失われ、昔風の日本家屋も姿を消していった。
可此后的日本,犹如被欧洲列强感染似地侵略外国,直至战败。战后,由于开发,日本失去了众多美丽的山水草木,同时还失去了传统风味的日式房屋。
アインシュタインの希望した「美しさ」とは逆の方に進んでしまった。こうした歴史への反省をしっかりと示さないせいか、首相の繰り返す「美しい国」は、なかなか焦点を結ばないようだ。
日本前进的方向与爱因斯坦所期待的“美丽”背道而驰。许是因为没有表现出对这段历史的深刻反省,首相所反复强调的“美丽之国”似乎总也找不到其中心所在。 |