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(1) IT革命と情報社会
+ y9 Y" w. C" V6 t* i① 情報技術分野での革命が、経済の新たな成長を担うとともに、国家・社会・企業などの組織を変えていく現象をIT革命と呼んでいる。IT革命背景にあるのは、エレクトロニクス[電子工学]の発達であり、コンピュータの高性能化、低価格化と通信の大容量化、高速化を二つの柱として、インターネット利用を急速に普及させ、ビジネス分野では電子商取引の比重を大きく高めている。
% t! Z, v7 [* o& I r: v② インターネット利用者の大半は自宅で毎日利用しており、そのうちのほとんどの人が、電子メールを利用したり、ホームページを見たり、共通の趣味のグループなどさまざまなグループを作り、楽しんだりしている。このインターネットがマス・メディアと異なる点は、ネットワーク型であり、情報発信ができるため、双方向のコミュニケーションを実現することにある。また、時間や場所の制約を受けず、世界中の人々と交流したり、世界中から情報を集めることが可能だ。* C2 E6 ]) l% L1 ?- ^
③ 電子商取引とは、インターネットを利用した商取引のことで、Eコマースとも言う、電子商取引には、企業間取引、企業体消費者間取引、消費者間取引の三つがある。この電子商取引によって、企業も消費者も、今まで取引にかかっていた手間や時間、経費などが節約できる一方で、代金を払ったが、商品が届かないといったトラブルも生じている。また、キャッシュカードの暗証番号などの個人情報をどう保護するかというセキュリティー(安全対策)の問題や、電子認証システムなどの問題が残されている。2 P# ?; J! `/ [8 }! A
④ 21世紀の初頭にはコンピューターや携帯電話などの情報機器と東ファイバーによる通信回線網を使って、ネットスクールによる在宅学習、在宅勤務、在宅医療なども実現すると言われている。その中で、今、不登校の子供たちの学習手段として期待されているのがネットスクールだが、自宅にパソコンさえあれば、学ぶ時間や学習進度、時間割れなどを、基本的には自分で自由に決めることができ、質問などは電子メールでいつでも送れるので、教師と連絡を取り合いながら学ぶことができる。9 N1 |' ^2 {6 w0 O
⑤ 通信、放送といった異なるサービス形態を融合して、音声、データ、画像などをデジタルで高速に送受信する仕組みをマルチ・メディアと呼ぶ。その代表がBS[放送衛星]を使ったデジタル放送で、デジタルテレビからインターネットへの接続や視聴者参加型の番組づくりが可能となった。0 X' g4 e# h3 H$ o# }8 f, H
- x) J% F0 n; A5 ]! n/ M4 w(2) 情報社会の抱える問題
/ y9 F9 w/ j X. u' ~9 U4 n* t① 情報リテラシーというのは、パソコンなど情報機器を扱う能力だけでなく、情報を分析し、評価、取捨選択し、利用する能力をさしている。現在、学校などで情報リテラシー教育が進められているが、その目的は、情報リテラシーを身につけている人といない人との間で広がりつつある情報格差(デジタル・デバイド)を解消し、パソコンの操作能力や、インターネットや電子メールを利用するときのマナーやルールなどを身につけさせることである。
Y, y" A, l r! }+ H% S② デジタル・デバイドとは、パソコンが使い子となせる人とそうでない人の間で生じる情報量の差のことである。今日ではインターネットを使って多くの価値ある情報を得られることから、それを得ることのできるかどうかで、個人の収入や昇級の差、また企業間の競争力格差を生んでいる。また、この情報技術力の格差は国の経済力の格差にもつながるため、南北格差の一層の拡大をもたらしており、沖縄サミット(2000年)でも国際的なデジタル・デバイド解消支援が議題となった。1 c8 E" r, g1 H- E
③ コンピューター・システムに不法に侵入してプログラムやデータを破壊する人をハッカーというが、ウイルスをまさ散らしたりするサイバー・テロ、銀行カードの偽造や、「なりすまし」「詐欺」などのカード犯罪も増加の一途である。その他、個人情報が企業への流出するなど、プライバシーの保護に関わる事件も頻発している。そのため、不正侵入防止策と予防・検知策や、個人データの保護策などを講じなければならないことになる。この安全対策のことを、サイバー・セキュリティーと呼んでいる。6 c- \- j) F- m# J
④ 急速な情報機器の発達と普及に伴い、デジタル著作物は複製が極めて簡単になった。各種ソフトや音楽作品がCDにコピーされ、海賊版が安価で売られるなど、著作権侵害問題が深刻化している。そこで、WIPO(国連の世界知的所有権機構)において、新たにWIPO著作権条約、WIPO実演、レコード条約が締結された。ただ、この知的財産(所有)権は先進国に優位な取り決めとなっており、例えば、先祖伝来の薬の製法や民間伝承の歌など、民族固有の伝統的知識や文化財産は外されている。
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(3) マスコミ
5 | h8 `$ m1 \( G. @① マスコミとは、新聞・雑誌・ラジオ・テレビジョン・映画などのマス・メディア[媒体]を通じて行われる大衆への大量的な情報伝達を言う。その特徴としては、以下のような点が挙げられる。1 X |9 [- z" V" _ W
A. 送り手は大規模に組織された集団(企業)である。
) G8 U1 O8 h6 {1 \0 I: fB. 機械的・技術的手段で情報を大量に複製する。
' H5 q \! A3 a3 m. UC. 情報を分散した不特定多数の受け手に伝達する。
. B: L8 g4 c8 f4 x: }/ n0 XD. 送り手と受けての役割の分化がはっきりしている。4 U- a* D) k( Y' B* i: z5 Z
E. 情報の流れは、送り手から受け手へと一方的である。
( }3 i1 @& O+ \$ t- A② マスコミには送り手の活動の自由(「報道の自由」)があるが、実質的には国民一人一人が国政に関する情報を知る権利を代行する役割を持っている。その他の社会的役割を挙げると以下のようになる。, ~3 l8 i: T* t) w1 C' R
A. 出来事についての情報を収集し、伝達する活動(報道活動)。
5 L i" M& C7 Q6 rB. その出来事について評価し、解説し、論評し、受けての行動を指示する活動(論評活動)。& G3 o& F+ p; j! `% o: I
C. 社会の価値を後世に伝達する活動(教育活動)。
7 R6 V* g6 v- y4 q: M1 o7 K8 v9 {D. 受けての娯楽を提供する活動(娯楽活動)。
9 n* W3 m% W! q$ {E. 広告を伝達する活動(広告媒体としての活動)もある。
8 ^* e1 J5 V$ ?③ テレビ、新聞、雑誌が事件報道にあたって被疑者を犯人扱いにする例が一向になくならない。「重要参考人」も「被疑者」も「犯人」ではない。法的には有罪確定までは「無罪推定権」がある。にもかかわらず、「被疑者」を「犯人」呼ばわりし、被疑者の過去、私生活などをあばきたてるなどの人権侵害が行われ、家族を巻き込むことさえある。こうしたマスコミの問題点には以下のようなことがある。
! a7 n8 o% N+ OA. マス・メディアの商業主義から、内容が低俗化したり、センセーショナリズムに流れやすい。8 q( @1 E8 \! [. x- r9 `4 j
B. 「報道の公正」をめぐる疑義。ニュース・ソースの偏り(主に西側情報が流れ、途上国の情報が少ないなど)が、マス・メディア企業自身の情報の取捨選択や事前規制の過程が生じる。
/ Z4 V8 X% L# w! I( \) I+ J$ A: SC. 「被疑者」を「犯人」呼ばわりし、被疑者の過去、私生活、性格などを暴きたて、読者・視聴者の憎しみをかきたてる傾向がある。(人権侵害→マスコミ裁判)
) Q7 M. T2 l$ v u( [D. 特バネ競争。加熱取材など、過度の取材活動に伴う名誉侵害やプライバシー侵害が生じやすい。
- S# M7 B4 {7 r1 O/ vE. 誤報の危険、またフイルム・ドキュメンタリーなどで、存在しない事実を捏造したり、演技をさせたりする「やらせ」が行われたりする。 |
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