
「解夏」とは。。
古い仏教用語で「修行の終わる日」という意味で、視力を失っていくという辛い「行」に耐える修行僧に喩えた言葉なのではないかと思われます。ちなみに修行に入る日のことを「結夏(けつげ)」と言うそうです。
第一話
夏の長崎。観光客で賑わう街に、場違いな喪服姿の友川四季(菅野美穂)、浅倉亜衣(伊東美咲)、折原新吾(玉木宏)がいた。
石畳の長い坂道を登りながら、新吾はかつて安曇利也(岡田義徳)が実家から送って来たと言っていたカステラを買って帰ろうと四季たちに投げかける。
3人が向かっているのは、その利也の実家。ほかならぬ利也の葬式に向かう途中だった。
四季たちは安曇家の祭壇に手を合わせる。利也の母、良枝(八千草薫)が四季らに礼を述べる。
四季、亜衣、新吾、利也は大学時代からの友人だった。
お清めの席で、親戚たちは利也の兄、俊介(藤木直人)の噂。弁護士を目指していた利也に比べ、ファッションカメラマンという派手な職業についている俊介の評判はすこぶる悪い。
そんな中、中庭に出た亜衣と新吾は、亡き利也に改めて思いをはせる。亜衣は、四季が、死の直前に利也の姿を見たと言っていたことを話す。
その頃、四季は海岸にいて、最後に見かけた時の利也の姿を思い出している。と、突然間近でシャッター音。驚く四季の傍らには、カメラを構えた俊介がいた。
写真を送るから住所を教えて欲しいと、ナンパ口調で迫る俊介に嫌悪感を覚える四季。
四季が安曇家に帰ろうと俊介に背を向けた。
その日の夜。川辺に人々が集い、灯涣鳏筏肖铯欷皮い俊
四季は、その中に俊介の姿がないことに気づく。周囲を見回すと、俊介は離れた場所で携帯電話をかけていた。
四季が近づくと携帯を切る俊介。
利也の灯护猡Δ工傲鳏丹欷毪人募兢伽工取⒖〗椁膝膩Sを食べに行こうと言う。
四季が非常識を責めようとすると、俊介が問いかけてきた。
“恋人から自分の携帯に電話がかかってきた。恋人は飛行機に仱盲皮い啤㈤gもなく墜落すると言う。そんな状況になったら、恋人に何を言うか?”と。
答えを見つけられない四季は、逆にかけるべき言葉を俊介に問うが、答えは得られない。
安曇家に戻ると、利也の親戚が形見分けの品物を持ってきた。
四季はおもちゃのホイッスルを見つけ、手に取った。
四季や親戚たち弔問客が去ると、安曇家には俊介と良枝が残された。
1人で死んでしまった利也を嘆く良枝に、東京へ出てくるようにと俊介は勧める。
8ヶ月後。春を迎えた東京の文京中央病院小児科では、四季が慌ただしく働いている。
休詴r間に、疲れ果てた四季がへたり込んでいると、医局長の降谷圭輔(時任三郎)が現れた。
圭輔は小児病棟の大部屋へと四季を誘い、この病棟の担当になるように告げる。
四季、亜衣、新吾が居酒屋に集まった。
問わず語りに、話題になるのは利也のこと。四季は、未だに最後に見かけた時の利也の表情を忘れられずにいる。
店を出た3人は四季の家へ。
その時、四季の父、鉄雄(泉谷しげる)と弟の満雄(森山未來)は、取っ組み合いの真最中。四季が割って入り、友人が来たと告げるとようやく治まる。
亜衣と新吾が帰って満雄が寝てしまうと、鉄雄は、あまり頑張りすぎないようにと四季に忠告。
死んだ母親の保険金で医者になったからといって、無理は禁物と言う鉄雄。
小児科医としての四季は、目まぐるしい毎日を送っていた。
担当の病棟では、どうしても四季に心を開かない少年もいる。
四季が帰宅しようとすると見覚えのある人物を目にした。俊介だ。
四季が小児科の研修医と知った俊介は、頼みがあると言う。
四季が無視しようと行きかけたとき、彼女を手こずらせている少年が看護師から逃げてきた。
注射が嫌だと駄々をこねる少年だが、四季がクイズに答えられたら受けても良いという。
四季が適当に答えをやりすごして少年に注射を受けさせようとしていると、俊介が少年に耳打ち。「正解」と答えた少年は、俊介に、クイズの王様のしるしだといってシールを渡した。
帰りがけ、四季は携帯に亜衣からの連絡を受けた。
亜衣のアパートに行くと、娘の佳奈(松尾瑠璃)が熱を出していた。
佳奈の手当てをする四季。亜衣は、佳奈を女手ひとつで育てていた。でも、恋はするつもりだと言う亜衣。
四季が家に帰ると新吾が来ていた。
新吾は四季が仕事にかまけて恋をしていないと心配そう。
亡くなった利也も四季が好きだったと言う新吾は、自分も…と、続けるが、四季は冗談と受け流す。
翌日も、四季は大忙し。子供たちの気持ちは未だにつかめない。
そんな時、阿川万里(相武紗季)がお客さんから預かったと四季にファイルケースを手渡した。
ファイルには、無邪気な子供たちの写真ばかりが収められていた。
その日の夕方、俊介が上京してきた良枝をマンションに連れて行くと、四季から電話が入る。
俊介を呼び出した四季は、誤解していたと詫びる。でも、四季には灯涣鳏筏螘rになぜ電話などをしていたのかと尋ねる。
すると、俊介は自分の携帯電話を四季に渡した。
そこには、入院中の利也からの留守電が入っていた。
病院食に辟易する利也は、幼い頃に俊介と2人で食べたカツ丼をもう一度食べたいと語っていた。利也の病気を知らなかった俊介は、そのまま海外への仕事に出向いたことを後悔していた。
帰国した時には、利也は口も利けなかった。
そんな利也に何も言えなかった事、何もしてあげられなかったことを俊介は悔やんでいる。と、四季が利也のホイッスルを吹く。
自分も利也に対して悔いが残っていると四季。利也を忘れないためにホイッスルをもらったと。
そして四季は、カツ丼を食べに行こうと俊介を誘う。
四季と俊介が定食屋で頼んだカツ丼は3つ。
1つは利也のもの。
2人が食べ始めると俊介に電話がかかる。そのまま、俊介は帰ってしまった。
俊介を呼び出したのは高泉諒子(扔严悖
俊介は、諒子を助手席に車を走らせるが、突然目が霞んで…。
俊介がマンションに帰ると、良枝が利也の遺品を見ていた。
俊介も見ていると、旅行バッグが出てきた。中には飛行機の切符。
利也は、入院する直前に実家へ帰ろうとしていたのだ。
デパートの包み紙も出てきた。包装の下には、女性もののカーディガン。利也から良枝への最後のプレゼントだった。
四季は、子供たちに少しずつ打ち解けてもらえるようになってきた。一方、同じ病院の眼科には俊介が来ていた。
俊介が、医師から告げられたのはベーチェット病の疑いで…。 |