広州市で連日続いた降雨により、洪水の被害が相次いでいる。同市黄埔区に工場を構える広州本田の第1工場と、東風本田発動機は、工場内に水が侵入したことから生産を一時停止。本田技研工業(中国)投資有限公司・広報部によると、現在、被害状況の確認や設備の点検などを行っている状態という。【広州・大野草太】
広州市では2日夜、1時間に130ミリを超える激しい雨が降り続いた。この影響で、市内では54カ所で洪水が発生し、交通にも大きな影響が出た。特に天河区崗頂、広汕路、大観路などで被害が大きく、市内各地で壁の崩壊や、地下駐車場が水浸しになるなどの被害が報告されている。
4日付南方都市報によると、広州本田の第1工場では同日午後9時15分ころ、工場北部分の壁が約80メートルにわたり崩壊。まもなく工場内にも水が浸入してきたという。水量が警戒ラインを超えたため、同社では電源を落とし、従業員を避難させるとともに、排水や設備移動などの作業に追われた。同様に、東風本田のエンジン工場でも水が浸入、生産は一時ストップしている。
同社工場の洪水は、付近を流れる烏涌河の水位が上昇したことが原因という。同社広報部によると、これまでも何度か洪水が発生したことはあったが、生産ラインにまで影響が出たのは今回が初めてという。南方都市方によると、工場内で700台の新車が水浸しになるなどの被害も出ており、被害は過去最大との見方が強い。
市水務局は3日、会見を開き、洪水の被害が最も大きかった崗頂と広州本田黄埔工場の2カ所を優先し、年内にも対策を講じる方針を明らかにした。特に広州本田の工場付近では、川幅を広げることで烏涌河の水位を下げるほか、崗頂では、下水管と雨水を分けるなど、配水管を再整備することで洪水の回避を図るとしている。<広東> |