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2008年04月30日
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5 ]! C& y: F7 Z, }6 f1 E) S0 C/ f 水木 楊 作家、元日本経済新聞論説主幹 7 ]# y, O; v- }+ I. P
, ]" W2 I8 _ W( Z: K& W見出しの「に・へ・も・か」は語る
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テレビと比べた場合、新聞の特色のひとつに一覧性があります。紙面を開けば、どのようなニュースがあるか、またそのひとつひとつの記事について、どのように価値判断をしているかなどが、ひと目で分かります。6 v8 ?. l( q: a1 o# h* ]5 X3 t
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テレビの場合は、最初にどのようなニュースがあるかを項目だけ並べることが最近のやり方になっているようですが、自分の知りたいニュースを観たり聞いたりするためには、その順番が来るまで待たなければなりません。1 d& M0 o4 O. }' R. t; R- e
, p- h8 L; ^& C+ M& C: k6 } 新聞の一覧性を支えているのが見出しです。ほとんどの読者は見出しをさっと眺めて、その記事を読むかどうか決めます。読者の全ては「見出し読者」なのです。見出しは記事の入り口です。魅力があるかどうかで読者は中に入るかどうかを決めます。中には、夕刊紙にときどき見られるように、「岡ちゃん(サッカーの日本代表監督)、辞任」などという大見出しをつけ、下に虫眼鏡で見ないと判らないほどの小さな字で「か」を付けていたりするケースもありますが、これは邪道でしょう。
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そこで、今日は見出しの最後の文字、平かなの1文字で、その記事の性質を判断する、ちょっとした手がかりがあるのをお教えしましょう。
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具体的な例で申し上げます。まず平かなの1文字は「も」。4月26日の朝刊で言うなら、読売新聞の経済記事「ホンダ1500億円の申告漏れも」がそれに相当します。<自動車大手の「ホンダ」が中国での乗用車の生産・販売を巡り、東京国税曲から法人所得の海外流出を防ぐ「移転価格税制」の調査を受けていると発表、数年間で1500億円の申告漏れを指摘される可能性がある>という記事です。この「も」は、記事中の「可能性がある」とう部分を1文字で示したもので、これから起きるかもしれない事態を予測したのでした。「も」は英語の「too」を表す場合もありますが、大抵は可能性とか見通しを示しています。
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1 e9 Q: ^8 q4 ?5 z2 I/ a ちなみに朝日は同じ記事の見出しが、「ホンダ1400億円申告漏れか」でした。「も」ではなく「か」だったのです。日経は「も」も「か」も用いず、ただ「ホンダ所得1400億円海外移転」でした。
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$ C& l) i1 Z/ \5 j# n 「も」や「か」に似て、これからの見通しや可能性、あるいは予定、事実上の決定などを示す言葉に、「へ」と「に」があります。日経に「中国政府 ダライ・ラマ側と対話へ」、読売に「野村HD9年ぶり赤字 サブプライム損失2600億円に」とありました。
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では、「も、か、へ、に」の違いはどこにあるのか。見出しをつける組織に整理部という部があります。そこの記者だった友人に聞くと、「か」は可能性が半分より多い場合。「へ」は8割。「も」は「へ」より可能性が低いとのことでした。「も」に似た言葉に「有力」というのがありますが、これは注目されている事柄が、どれになるのがわからなかった段階から5割以上になったときなどに使うことが多いとのことでした。
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' R. r/ I- E+ l7 D& f8 l r いろいろな例外もあるので一概には言えないかもしれませんが、事柄が起きる可能性の高い順から並べるなら、「に、へ、も、か」となるでしょうか。$ \! e2 L Q& l; T8 U3 F; `" x# q/ C
7 f: E, q" w+ T/ g5 K8 k; Q さて、この「にへもか」はどれくらい見出しとして使われているのか。再び26日の新聞で眺めるなら、「に」は日経11箇所、朝日4、読売1、「へ」日経8、朝日4、読売7、「か」日経なし、朝日9、読売3、「も」日経5、朝日4、読売3でした。
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分母となる記事数が違うので、どこがどれをたくさん使っていたかは論じることができませんが、この2か月、ずっと観察してきた結果を申し上げるなら、「にへもか」は意外に多い。中には、ひとつの新聞の1ページに「も」が4つも登場している日もありました。
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( U; {1 m& R' k6 L' q/ e 新聞記事には、それだけ見通しや可能性など未来を示している要素が多く含まれているということでしょう。未来のことなど知りたくない、起きたことだけ知りたいという読者は「にへもか」を飛ばして読めばいいし、未来のことに関心があるというのなら、「にへもか」だけを拾う手もあるというものです。 |
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