2013.8.10 07:00 (1/5ページ)[中国トンデモ事件簿]

ドラ息子の不祥事が次々と明らかになった国民的歌手の李双江氏(AP)
中国人民解放軍に所属する国民的歌手の“不肖の息子”による犯罪が、中国社会を揺るがしている。急速な経済発展で貧富の差が拡大するなか、富裕層の子弟「富二代」たちの傍若無人ぶりを示す象徴的な事件となり、世間の怒りを増幅させ続けているのだ。
「110番してみろ」
首都北京市の中でも、北京大や清華大など有名大学が集まる文教エリアの海淀区。ここが、ふたつの犯罪の舞台となった。
国営新華社通信が運営するニュースサイト新華網などの報道を総合すると、一連の騒動の発端となった傷害事件の概要はこうだ。
2011年9月6日午後9時ごろ、住宅団地に住む夫婦と子供が乗った乗用車が団地入り口で減速したところ、後続の高級外車BMWとアウディを運転していた若者2人と口論になった。
若者らは夫婦を追いかけて殴るなどし、暴行は3分間におよんだ。目撃者は「若者たちはいずれも身長約180センチと大柄で、小柄な夫婦は一方的に殴られっぱなしだった」と記者の取材に答えている。車の後部座席にいた夫婦の子供は、恐怖のため泣き叫んでいたという。
「110番できるもんなら、やってみろ」
犯人はこう叫びながら暴行を続けた。
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