咖啡日语论坛

 找回密码
 注~册
搜索
查看: 734|回复: 2

[其他翻译] 「羊をめぐる冒険」の翻訳(153)

[复制链接]
发表于 2015-8-29 11:17:09 | 显示全部楼层 |阅读模式
3  十二滝町の夜
管理人との交渉は金を払ったことで実にスムーズに運んだ。管理人は明るく朝の八時に我々を旅館に迎えに来て、山の上の牧場まで送ってくれることになった。
「ま、羊の消毒は午後からで間に合うだろう」と管理人は言った。実にきっぱりとしていて現実的だった。
「でもひとつだけ気になるんだ」と彼は言った。「昨日の雨で地盤が弱くなっててね、一ヵ所車が通れないところがあるかもしれん。で、その時は歩いてもらうことになるよ。それは俺のせいじゃないからね」
「いいですよ」と僕は言った。

帰りの山道を歩きながら、僕は鼠の父親が北海道に別荘を持っていたことをやっと思い出した。昔、鼠がそれについて何度か僕に話してくれた。山の上、広い草原、古い二階建ての家。いつも僕はずっとあとになってから大事なことを思い出す。最初に手紙を受け取った時にそれをすぐ思い出すべきだったのだ。最初に思い出してさえいれば、いくらでも調べようはあったのだ。
僕は自分にうんざりしながら、刻一刻と暮れていく山道をとぼとぼと町まで歩いた。一時間半のあいだに三台の車に会っただけだった。二台は木材を積んだ大型トラックで、一台は小型のトラクターだった。三台とも下がりだったが、誰も乗っていかないかと声をかけてはくれなかった。もっともその方が僕にとってもありがたかった。
旅館に辿りついたのは七時過ぎで、あたりはもう真暗だった。体が芯まで冷えていた。シェパードの仔犬は犬小屋から首を出して、僕に向ってくんくんと鼻を鳴らした。彼女はブルージーンに僕の丸首セーターを着て、入口の近くにあるゲーム室でテレビ?ゲームに夢中になっていた。ゲーム室は応接室を改装したものらしく、なかなか立派なマントル?ピースが残っていた。薪を焚く本物のマントル?ピースだった。部屋にはテレビ?ゲームが四台とピンボールが二台あったが、ピンボールはもう手のつけようもないくらい古い安物のスペイン製だった。
「おなかがすいて死にそうよ」と彼女は待ちくたびれたように言った。
僕は食事を頼んでおいてからざっと風呂に入り、体を乾かしているあいだに久し振りに体重を測ってみた。六十キロ、十年前と同じだ。わき腹につきかけていた贅肉もこの一週間ばかりでさっぱりと落ちていた。
部屋に戻ると食事の仕度(したく)ができていた。僕は鍋ものをつまんでビールを飲みながら綿羊飼育場と自衛隊あがりの管理人の話をした。彼女は羊を見逃したことを残念がった。
「でもこれでやっとゴールの手前まで来たみたいね」
「だといいけれどね」と僕は言った。



我々はテレビでヒッチコックの映画を観てから、布団にもぐり込んで灯りを消した。階下の時計が十一時を打った。
「明日は早いからね」と僕は言った。
返事はなかった。彼女は既に規制正しい寝息をたてていた。僕はトラベル?ウォッチの時間をあわせ、月あたりの下で煙草を一本吸った。川の水音の他には何も聞こえなかった。町全体が眠り込んでしまったようだった。
一日移動していたおかげで体はぐったり疲れていたが、意識がたかぶって、どうしても寝つけなかった。耳ざわりな雑音が頭の中にこびりついていた。
静かな闇の中でじっと息をこらしていると、僕はまわりで町の風景が溶解していった。家々は朽ち果て、路線は見るかげもなく錆びつき、耕地には雑草がはう生茂っていた。そのようにして町は百年のその短い歴史を終え、大地の中に没していった。まるでフィルムを逆送りするように時間が退行した。えぞしかや熊や狼(おおかみ)が大地に姿を現し、いなごの大群が黒く空を覆い、熊笹の海が秋の風に揺れ、うっそうとした針葉樹林が太陽を隠した。
そのようにすべての人の営みが消え去ったのちにも、羊たちだけは残っていた。闇の中で彼らはきらりと瞳を光らせ、じっと僕をみつめていた。彼らは何も語らず、何も思わず、ただ僕をみつめていた。何万という数の羊だった。かたかたかたというの平板な歯音が地表を覆っていた。
柱時計が二時を打つと羊たちは消えた。
そして僕は眠った。

  因为给了钱,和管理人的交涉取得了圆满成功。管理人在明天早上八点到旅馆接我们,把我们送到山上的牧场。
  “这个,羊的消毒从下午就开始。”管理人说。若果断做的话就可以完成。
  “还有一点注意。”他说。“因为昨天的雨,地面变软,有一个地方车是过不去的。所以到那个时候就要你们自己走路,那可不是我的原因。”
  “那没有问题。”我说。

  在回去的山道上走路的时候,我突然想起了老鼠的父亲在北海道有别墅这件事。以前,老鼠曾几次给我说过这件事。在山上,有广阔的草原,还有老式的二层建筑房子。我总是在事后很久以后才想起这么重要的大事。最初应该在收到信时立刻想到这件事。若是在那时能把这些事想出来的话,还需要这么多的调查?
  我一边讨厌自己,一边无精打采地走过逐渐黑下来的山道,来到镇上。在这一个半小时的时间里也只遇到了三辆车。两辆是装满木材的大货车,一辆是小型货车。谁也没有发出“要不要乘车”的声音。说心里话,这对我是所渴望的。
  到宾馆时已过了七点,周围已经完全黑了下来。寒气已经渗透到体内完全变成冰凉。狗从窝中探出头,对我发出鼻声。她在蓝色衣服的外面穿着我的圆领毛衣,在靠近入口一游戏室内沉浸在游戏中。游戏室像是用旧会客室改造而来的,还留有很气派的壁炉台。是那种燃烧木材的壁炉台。在那个房间有四台游戏机和两球台,那球台又老又便宜,时西班牙制造的,已经不能玩了。
  “真是要把我饿死了。”她等得很疲劳不耐烦地说。
  给宾馆说过准备晚饭之后我粗略地洗了澡,在擦干身体的时候测了一下很久没有测量过的体重。60公斤,和十年前相同。腹部的赘肉在这一周内已经彻底没有了。
  回到房间饭已经准备好。吃着火锅喝着啤酒还讲了在饲养场和参过军的管理人的事。她很后悔错过了能看到羊这个机会。
  “看起来这终于要到终点了。”
  “也可能会是这样的。”我说。

  我们从电视上看过美国导演拍摄的电影之后,钻进被窝关了灯。楼下的钟报时十一点。
  “明天要早一点。”我说。
  并没有回话,她已经发出正常睡眠的呼声。我调好旅行时间,在月光下吸了一支烟。除了河水的声音之外什么也听不见,镇已经完全进入了睡眠状态。
  因为一天的走动,身体已精疲力竭,而精神却兴奋中怎么也不能入睡。入耳的杂音在脑中回响着。
  在宁静的黑夜之中屏住呼吸,在我的周围浮现出镇的风景。房子朽烂,道路破旧不堪,耕地杂草丛生。这样的话这个镇的百年短暂历史将要结束,将被埋没到大地之中。就像回放电影似的时间在倒退。鹿、熊和狼又出没在这里的大地上,蝗虫又把天空遮黑,小竹海在秋风中摇动,茂盛的针叶林遮住了太阳。
  人们的所有生息消失之后,也只剩下了羊。在黑暗中它们闪着目光,凝视着我。它们无语、无思,只是盯着我。有几万只的羊。喀哒喀哒单调的磨牙声覆盖了地表。
  掛钟打响了早上两点钟的时候羊消失了。
  我睡了。
回复

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2015-8-29 11:18:43 | 显示全部楼层

主人公在责备自己。本该早能知道的事,却在很久之后才明白。
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2016-10-15 20:56:40 | 显示全部楼层
日语原文中有如下修改:

明るく朝の八時に

明くる朝の八時に

三台とも下がりだったが、

三台とも下(くだ)りだったが、

綿羊飼育場と自衛隊あがりの管理人

緬羊飼育場と自衛隊あがりの管理人

月あたりの下で煙草を一本吸った。

月あかりの下で煙草を一本吸った。

僕はまわりで町の風景が溶解していった

僕のまわりで町の風景が溶解していった

耕地には雑草がはう生茂っていた

耕地には雑草が生い茂っていた

大地に姿を現し、

大地に姿を現わし、

かたかたかたというの平板な歯音

かたかたかたというあの平板な歯音
回复 支持 反对

使用道具 举报

您需要登录后才可以回帖 登录 | 注~册

本版积分规则

小黑屋|手机版|咖啡日语

GMT+8, 2025-5-6 19:37

Powered by Discuz! X3.4

© 2001-2017 Comsenz Inc.

快速回复 返回顶部 返回列表