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楼主: Jennifer

[经验方法] 連載《天声人語》想看中文版请去看1590楼最新公告

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发表于 2007-11-18 12:21:53 | 显示全部楼层
2007年11月17日(土曜日)付
0 [+ F' q  {7 y" _3 E' [) o
/ G# P2 |& j0 ? 古代エジプト人の死生観について、作家の荒俣宏さんが書いている。「彼らは、生命は永遠に存在し続けると信じていた。死は完全な消滅ではなく、『霊的な旅』と考えられた」。ならば今ごろ、あの10人はどの辺を旅しているのだろう▼エジプトのルクソールで観光客がテロ集団に襲われ、62人が殺害された事件から今日で10年になる。逃げ場のない神殿広場で、4組の新婚を含む5組の日本人夫婦が巻き込まれ、男性1人を除いて亡くなった▼10人目は添乗員の草野冨己恵(ふみえ)さん(当時47)だ。福島県に暮らす草野さんの母、聖子(きよこ)さん(88)は、火葬の後に見つけた銃弾2個を小箱にしまった。一つは眉間(みけん)に、一つは右太ももに撃ち込まれた▼「観光地を恨んでもみたけれど、すてきな場所だからあの子も案内したのだと思い直した」。そう語る母親が「天国まで添乗して行くなんて」と悔やんだ娘。ツアー参加者は幸せの極みで生を絶たれ、見送りもなく予定外の旅に出た。ご遺族の衝撃は時も癒やせないだろう▼イスラム過激派の無差別テロはその後、世界中に広がった。政治や宗教のもめごとに無関係な、名もなき勤め人、旅行者が、望まない旅立ちを強いられている。警備を強化したエジプトでも、観光地への襲撃がやまない▼永遠の生を疑わない古代人は、魂の帰りに備えて死後の肉体を保存した。命の神秘と尊厳を踏みにじるテロが、本来、これほど似合わぬ地はない。10年でさらにもつれた憎悪の連鎖を嘆きつつ、悲しい顔の10人が空を翔(か)けているはずだ。
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发表于 2007-11-18 12:22:52 | 显示全部楼层
2007年11月18日(日曜日)付0 R% g! q& }& ~6 i4 U  M0 Y
" d8 C4 t; P% ?! Y5 B  E: v" A
 昭和5年(1930年)の秋も深まった11月21日、大阪の街で、「吉兆」はのれんを揚げた。10人で席が埋まるほどの店である。冷え込んだのだろうか。最初のお客は、銭湯帰りに湯豆腐で一杯やった人だったという▼はじめのうちは閑古鳥が鳴いた。主の湯木貞一(ゆきていいち)さんの妻は、何度もお稲荷様に願を掛けた。厳しさにぶつかりながらも湯木さんは、自分の店で料理が出来ることを、「なんと幸せだろう」とかみしめていたそうだ(『吉兆 湯木貞一のゆめ』朝日新聞社)▼日本料理に打ち込んだ先代の生涯は、つとに知られている。吉兆を指折りの料亭に育て、料理界で初の文化功労者に選ばれた。晩年には「商売はお金より、いいお客に恵まれることの方が大事だ」と話していた▼そんな遺訓など忘れたかのような、「船場吉兆」の醜態である。偽装表示はむろんだが、「現場の独断」でやったと、パートの女性らに責任を押しつけようとした疑いも浮かんでいる。彼女らは記者会見をして、涙まじりに「違う」と訴えた▼一昨日、とうとう捜査の手が入った。信用をえぐった深い傷は、容易には消えまい。「結構な老舗(しにせ)の身代を譲り受けながら、奢(おご)りなどで身上(しんしょう)を絶やすのは、盗人の百倍の罪にあたる」。江戸時代の商いには、そうした戒めがあったと聞く▼戒めは、家業は先祖からの預かり物ながら、世間からの預かり物でもある、というモラルに根ざしていたそうだ。いまで言えば、企業の社会的責務ということだろう。軽んじたツケの小さかろうはずはない。
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发表于 2007-11-19 08:28:45 | 显示全部楼层

2007年11月19日(月曜日)付

世界初の人工衛星、ソ連のスプートニクが宇宙に飛んで、この秋で半世紀が過ぎた。その名が、ロシア語で「旅の道連れ」の意味だったと、最近になって知った。地球と一緒に太陽を回るから、と命名されたらしい▼だが待てよ。それではお月様に申し訳なくないか。地球とは双子のように、太古から連れだって旅をしてきた。美しいおとぎ話や神話を人間に授けてくれた。せんだっては、昔話に名前をもらった月探査機「かぐや」から、みずみずしい地球の画像が届いた▼詩人茨木のり子さんの、「水の星」の一節が、頭をよぎる。〈生まれてこのかた なにに一番驚いたかと言えば 水一滴もこぼさずに廻(まわ)る地球を 外からパチリと写した一枚の写真 こういうところに棲(す)んでいましたか……〉▼それは、月を回るアポロが1968年に撮った地球だろう。漆黒に浮かぶ、奇跡のような姿だった。あくる年、米国は月に人を送る。小さな金属球にすぎなかったスプートニクから、わずか12年後のことだ▼めざましい宇宙開発はSF作家泣かせだったと故・星新一が書いている。たとえば、月はいつも片側の面を地球に向けている。「天地創造のときに天使たちが月の裏に落書きをした。神様が困って、人間に見えないようにした」。そんなアイデアを温めた▼だが書かなかった。じきに裏側が撮影され、面白くなくなると踏んだからだ。案の定だったという。進歩を喜びつつ、「心の片隅には一種の葬送曲が響いている」と、しんみりした思いも打ち明けている。
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发表于 2007-11-21 08:32:44 | 显示全部楼层

2007年11月20日(火曜日)付

東京に木枯らし1号が吹いた日曜日、新宿御苑を歩いた。このところの冷え込みで落葉が進み、芝生の日だまりに点描画ができている。黄、赤、茶。風のひと吹きごとに、サワサワと、いくつもの色を落とす木があった。桜である▼過日の本欄で、ハナミズキをほめた。春の花、秋の葉、赤い実と年に3回楽しめる多芸ぶりのことだ。引き合いに出した桜を「春の一芸」と書いたところ、「秋の桜も捨てがたい」とのお便りを何通かいただいた▼花木界の大スターだけに、春の「全国ツアー」に目を奪われ、葉色の移ろいには無頓着だった。だが、秋の余興を見逃さない人がいるものだ。一枚一枚が変化を競う不ぞろいの妙を、ある読者は「優しくて複雑な至芸。セザンヌの色づかい」と教えてくれた。近くで見上げ、その観察眼にうなずく▼北国から雪の便りが増え、きのうは九州でも初氷が張った。ようやく、寒暖の帳尻が合ってきたかに見える。温暖化に押されたままでなるものかと、地球が気合を入れ直したのか▼温暖化をめぐる国連の統合報告書は、これから20~30年の努力が分かれ目だと警告した。怠れば、取り返しのつかない海面上昇や生物種の絶滅につながる。事務総長は「世界の科学者は声を合わせた。次は政治家の番です」と訴えた▼異常気象の時代に、順番通り、きっちり四季が入れ替わるのは頼もしい。自然が復元力を残しているうちに浪費生活を改めなければと、つい、人間代表みたいな顔で反省する。季節の底力を感じる冬の入り口である。
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发表于 2007-11-21 08:33:55 | 显示全部楼层

2007年11月21日(水曜日)付

「けじめをつけさせていただきたい」と、額賀福志郎氏は首相に辞表を出した。あわてるなかれ、防衛庁長官として背任事件で引責した9年前の話である。今と同じ与野党逆転の参院から、問責決議を突きつけられての詰め腹だった▼約2年後、今度は経済財政担当相を辞める。汚職事件に絡んだ財団法人KSDから、多額の資金提供を受けた疑惑ゆえだ。辞任の前には「秘書が預かっただけ」「全額返した」と抵抗した▼さて、財務相は続けられるのか。軍需商社の元専務と、前防衛事務次官が「同席した」とする宴がある。額賀氏は「夜を徹して」調べたが、記録にも記憶にもないそうだ。逮捕された者と、国会に喚問された者。それなりに重い両者の言葉を覆すには、とことん説明するしかない▼額賀氏は02~07年、この商社に計220万円分のパーティー券を買ってもらった。欠席者も多い「パー券」は献金のようなものだろう。元専務の接待攻勢が発覚し、これまた全額返したという。それでも、軍需商社が防衛族の有力議員を支えた事実は残る▼額賀氏は商社系のゴルフ場で元専務とプレーした。車代や、口利き絡みの話もある。すべてに納得できる説明が必要だ。産経新聞記者として、報じる側に10年いた氏なら先刻ご承知であろう▼この夏、財務省での就任あいさつは幹部職員を驚かせた。「私は懐は深いが頭はからっぽ。どんどん洗脳してほしい」。人も金も来るものは拒まず、まずいと見ればさっさと返す。頭の中までは知らないが、懐は深すぎる。
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发表于 2007-11-22 08:28:19 | 显示全部楼层

2007年11月22日(木曜日)付

フランス料理の巨匠、アラン・デュカス氏に会った時のことだ。「星の数にさほどの興味はない」と語る氏に尋ねた。世界で手がける店は合計いくつの星を得たのか。即座に「14」と、短い答えが返ってきた▼料理界ではどんな大物も、星で店を格付けするミシュランガイドを意識する。掲載されるだけで一目置かれ、星の増減で客層や収益が激変するからだ。最高の三つ星ともなれば、世界の美食家が巡礼の列をなす▼本日発売の「東京版」で、このガイドはアジア進出を果たした。星はパリの倍、計191個の大放出、三つ星8店のうち5店を和食とした。「世界一の美食の都」(編集長)への賛辞とも、巨大な外食市場へのサービスともとれる▼三つ星「すきやばし次郎」は化粧室が店外で、パリの基準では星は微妙だ。高い評価は味のほか、業界の人間国宝とされるすし職人、小野二郎さん(82)への畏敬(いけい)だろう。商売道具の手を守るため、外出時に手袋を離さぬ人である。伝説が星を呼び、星が次の神話を生む▼懐石からラーメンまで、東京の16万店を同じ物差しで比べられるのか。調査員に和食の優劣が分かるのか。大もとの疑問は、「調査結果」の公表を境に昔話になりつつある。食都に現れた星空を見上げ、食通たちは「評定の評定」に忙しい▼デュカス氏がひと手間かけたポタージュと、小野さんが仕事をした穴子の握り。世の中、何がうまいかは星ではなく、己の舌と懐具合が決める。それで結局、いつものソース焼きそばが一番だったりするのだが。
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发表于 2007-11-23 08:43:06 | 显示全部楼层

2007年11月23日(金曜日)付

中国との関係を橋に例えたのは福田首相、といっても先代の赳夫氏である。78年、日中平和友好条約に調印後の発言が知られる。「日中共同声明でつり橋ができ、この条約で鉄橋になった。それで重い荷物を運び、交流を進めたい」▼アジア各国首脳との交流を終え、福田康夫首相がきのう帰国した。日中会談では、温家宝首相が「お父さんは中国で人気がある。30年前に……」と語りかけた。「靖国」で冷えた関係は修復に向いている。鉄の橋は、多少さびても朽ちはしない▼だがそれは、造りが万全であっての話だ。高速道路の橋に使う資材で偽装が発覚した。大阪の栗本鉄工所が、公表値より薄い鉄板でパイプ状の型枠を生産し、旧日本道路公団に納めていたという。強度試験のデータもうそだった▼この型枠が使われたかもしれない約9000カ所の橋が、緊急点検に入った。「創業100年、会社の常識は社会の非常識だった」と、社長が認める姿に目を覆う。偽装歴はかれこれ40年というから、日中の懸け橋以上の年季ではないか▼手抜き住宅と違い、橋は誰もが使う公共財だ。しばらくは、渡るたびに運転席で尻が浮く人が出よう。公団を継いだ高速道路3社は安全に問題はないと言うが、お菓子から土木工事まで、「ごまかし列島」冬景色である▼橋は、往来が難しい二つの地をつなぐ。外交でも道路でも、行き来を重ねてこそ両岸の交流は深まり、橋の重みが増す。極東の橋は政治の風に揺られもするが、命が日々行き交う場には寸分のズレも許されない。
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发表于 2007-11-24 12:02:44 | 显示全部楼层
2007年11月24日(土曜日)付/ ~) u$ ?3 j  m4 s# p5 b" Y
 子供の動作にすぐ反応が返るような状況を、保育学では応答的環境と呼ぶそうだ。五感はその中で豊かになる。「応答的」な遊び相手なら、思い通りに姿を変える粘土がもってこいだろう。手のひらや指先に、遠い感触がよみがえる▼「粘土には予想のつかない変化の力が働くので、意外な形になり、子どもは新しいイメージを次々に発見していきます」(中川織江『粘土遊びの心理学』)。小さな手の中で土くれは形になり、つかの間の命を与えられる▼医療の場に「夢の粘土」が現れた。ヒトの皮膚細胞に4種の遺伝子を入れたら、どのようにも育つ万能細胞になったという。細胞が七変化した末の皮膚という形を、白紙の可能性を秘めた「無形の粘土」に戻すことができた。京都大学、山中伸弥教授らの成果はノーベル賞級と聞く▼脊髄(せきずい)や心臓などを患う人には朗報だ。実用化にはまだ時間がかかるが、治療に必要な組織を自分の皮膚から育てる期待が膨らむ。万能細胞を起点に、再生医療への道が開かれるに違いない▼医学の日進月歩を思う。1億人を救う新技術が、明日の朝刊に載るかもしれない。1日生き延びれば、その病は治せるかもしれない。京都発の「世界的スクープ」はそんな希望を抱かせる▼再生医療には、生命倫理の視点が欠かせない。旧約聖書の創世記によると、神はアダマ(土)のちりで人間(アダム)を形づくり、その鼻から命を吹き込んだという。いま、人類は土を得た。とはいえ、神ならぬ身である。ここは大急ぎで、そして慎重に形にしたい。
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发表于 2007-11-25 10:59:54 | 显示全部楼层
2007年11月25日(日曜日)付# y# y5 r! g% p0 P1 K# s( ?3 s$ E
 渡り鳥の飛来で知られる宮城県の伊豆沼と内沼を先ごろ、寒波の厳しかった日に訪ねた。低い空から湧(わ)くように雪が降り、末枯(すが)れた野山を白く染めていた。水面は寒々と波立っている。土地の人によれば、例年より早い冬景色らしい▼ハクチョウは優美だが、列をなして飛ぶマガンは感傷を呼びさます。古来、雁(かり)とも、かりがねとも呼び習わされてきた。二つの沼への飛来は、今月初めに計6万羽を超えたそうだ。遠くカムチャツカなどから渡って来るマガンの8割強が、ここで翼を休め、春を待つ▼〈今日からは日本の雁ぞ楽に寝よ〉。弱いものへの慈しみを詠むことの多かった江戸期の俳人、小林一茶は、けなげな旅をねぎらった。現代人にも共通する思いだろう。だが「楽に寝られる」所は、減り続けているのが実情らしい▼かつては、関東などにも分散して冬を越していた。しかし開発で自然が損なわれ、伊豆沼周辺に集中するようになった。「ここの飛来数ばかり増えるのは、望ましいことではないのです」と、現地を観察して13年の嶋田哲郎さん(38)は言う▼13年前は2、3万羽だった。いまや2倍を超す。日の出を待って一斉に飛ぶ「総立ち」は、感動的でもある。とはいえ、ほかの越冬地の環境悪化が背景にあるのなら、喜んでばかりもいられない▼秋の空に飛来する雁は、古くから、懐かしい人の消息をもたらす使いだとされてきた。手紙のことを「雁書(がんしょ)」と呼ぶのは、それゆえだ。ひと冬のねぐらに事欠くのでは、風流の使者たちに申し訳がない。
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% _! C& P" `7 p! P1 _[ 本帖最后由 康成 于 2007-11-25 11:01 编辑 ]
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发表于 2007-11-26 08:13:38 | 显示全部楼层
2007年11月26日(月曜日)付" t, ^  }, ]+ B3 |+ A+ |
 サッカー日本代表のオシム監督(66)は、祖国ユーゴスラビアの解体や、ボスニア内戦といった辛酸をなめてきた。それゆえだろうか。口をつく言葉は奥が深い。民族の悲劇が、名将の人生に、深々とした陰影を刻んでいるように見える▼動じない精神力と、異文化への広い心が持ち味である。それを戦争体験から学んだのかと聞かれ、「(影響は)受けていないと言った方がいい」と答えたそうだ。「そういうものから学べたとするのなら、それが必要なものになってしまう。そういう戦争が…」(木村元彦『オシムの言葉』)▼内戦の死者は20万を数え、サラエボの街は破壊された。街の一角に、監督が生まれ育った地区がある。そこで起きた悲劇を描く映画『サラエボの花』が、近く東京の岩波ホールで上映される。内戦下の組織的レイプを見据えて、内容はずしりと重い▼この映画に、脳梗塞(こうそく)で倒れる直前のオシム氏が文章を寄せている。愛してやまない故郷を、「すべての者が共存し、サッカーをし、音楽を奏で、愛を語らえる場所だった」と誇らしげに思い起こしている▼その故郷を、「人類のモラルと良心がかき消された、世界史上に類のない場所になってしまった」と言い切るのは、辛(つら)かっただろう。燃えるような郷愁と、戦争への憎悪が渦を巻く、切ない一文である▼オシム氏の容体は予断を許さないと聞く。現役時代の氏は、ハンカチ一枚の隙間(すきま)があれば、3人に囲まれても突破したそうだ。危機を突破して、新たな言葉を聞かせてくれるよう願う。
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发表于 2007-11-27 11:31:40 | 显示全部楼层
2007年11月27日(火曜日)付
. p' p, E2 E) R2 ^  t
$ G6 X. o0 j( r6 h& |) c: C" y9 h6 i  R  I
 映画「卒業」の製作から40年だという。大学を出て帰郷したベンが、幼なじみのエレーンと恋に落ちる。訳あって、他の男と結婚式を挙げる彼女を教会から奪い去る場面は、サイモン&ガーファンクルの音楽とともに映画史に刻まれた▼ベンを演じたダスティン・ホフマンが、年を重ねた今の姿で教会へと車を飛ばすCMがある。曲は懐かしのミセス・ロビンソン。今度は花嫁の父親役で、連れ戻した娘に一言、「ママの時と同じだ」。出世作をパロディーにしたドイツ車アウディの広告(日本未放映)だ▼新宿の映画館で、夜を徹して世界のCM500本を見た。全国を回る有料イベントで、9年目になる。始発が動くまでの7時間、約千人が50カ国の創意を堪能した▼字幕いらずの爆笑編からエイズ予防の社会派まで、一つの映像として楽しめる作が多い。毎年、興行が成り立つ理由が分かった。ただ、日本のCMは15秒か30秒と短い。商品と芸の両方を見せるには窮屈なのか、物語の妙より旬の人気者に頼る傾向を感じた▼CMは見せ方次第で逆効果にもなると、先ごろの記事にあった。慶応義塾大学、榊博文教授らによる「山場CM」の調査だ。「驚きの結末はCMのあと!」といった中断は86%を不愉快にさせ、そのCMの商品も34%が買いたくないそうだ▼巨費を投じて嫌われては、広告主はたまらない。効果を冷徹に測る企業が増えているのは当然だろう。どう楽しませ、かつ買わせるか。時には、見る者の心を鮮やかに奪い去るような一本に出会いたい。
. T) g1 R# _8 I7 [+ y# s8 e% ]
% O' Z: T2 T8 t6 F7 ~5 S% I[ 本帖最后由 康成 于 2007-11-28 12:15 编辑 ]
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发表于 2007-11-28 11:25:01 | 显示全部楼层
2007年11月28日(水曜日)付# s4 g2 W; t5 ~7 l: k

- Q' o$ ^; i; C+ U 〈あったことか、なかったことか〉。ハンガリー民話はこう始まることが多いという。そして、例えば主人公の将来に触れて〈死んでいなけりゃ、生きてるだろうさ〉と結ぶ(岩波文庫『ハンガリー民話集』)。ほのぼのとした味わいだ▼ある一編は、居酒屋で飲んだ3人のかみさん。勘定は亭主をだませなかった者が払うと、店主に告げた。全員、まんまと夫に一杯食わせて店に戻ると、店主が「分かった。勘定はわしがもつ」▼あったことか、なかったことか、温室効果ガスの排出枠という見えない物を、日本がハンガリーから買うそうだ。京都議定書の約束を守るため、かの国が約束以上に減らしたいくらかを、日本が減らしたことにする。ありふれた気体で商いが成立するとは、昔人もびっくりだ▼ロシアや東欧には排出枠が余っている。すべて放出すれば、各国はそれを買うだけで京都の誓いを果たせるらしい。これでは、温室ガスを元から減らそうという気がしぼまないか▼もちろん一番ひどいのは、最大の排出国なのに議定書を離脱した米国だ。豪州も離れたが、議定書の批准を公約した野党が先の総選挙で政権奪回を決めた。ブッシュ大統領に近い指導者が次々に退く▼主要国が責任を果たさねば、温暖化のツケは「3人のかみさん」のように、地球という店がかぶることになる。海面はせり上がり、島国は領土を減らすだろう。海のないハンガリーの人々が将来、はるか東の列島をこう記すことのないよう祈る。沈んでいなけりゃ、まだあるだろうさ。
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发表于 2007-11-28 12:04:27 | 显示全部楼层
(*^o^*)    しぼ・む【×萎む/×凋む】 5 X1 A' A$ L9 L$ X
3 z3 R# X4 d7 t% ^$ t3 D
1 草花などが生気をなくしてしおれたり縮んだりする。「花が―・む」
/ s* f4 }& |# C' e2 L+ _8 _( t5 R2 h3 w
2 いっぱいにふくらんでいたものが張りを失い、縮む。「風船が―・む」
1 o( y) D  e1 e2 o' |4 l8 r$ G
; j7 u7 ?$ B$ l3 |3 好ましいものへの期待で大きくふくらんでいたものが、勢いを失って小さくなる。「気持ちが―・む」「夢が―・む」
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发表于 2007-11-29 08:52:46 | 显示全部楼层
2007年11月29日(木曜日)付
0 E, ]: T  j, v" |3 c" T1 a* r ゴルフのルールは自然を尊重する。例えば、モグラやウサギの巣穴に入ったボールは、拾い上げて近くに落とせる。これに対し、穴掘り動物ではない犬が遊びで掘った穴だと救済はない(日本ゴルフ協会)▼欲望の深穴に落ちた人間は、どんなルールでも救いようがなかったようだ。守屋武昌・前防衛事務次官が妻と共に逮捕された。軍需商社の元専務らにゴルフ旅行の接待を受けた、収賄の疑いだ▼疑惑はしかし、ゴルフざんまいの役人夫婦にとどまらない。政治家がうごめく防衛利権の闇を、今度こそ納税者の前にさらしてもらいたい。接待費とはケタ違いの税金が食い物にされている図が、そこにある▼小銃から戦闘機まで、自衛隊が買い入れる装備品は欧米の軍隊より割高だと聞く。なにしろ、性能も価格も素人の手に余るハイテク工業品である。元手は税金だから節約する気もうせ、売る側の言い値が通りやすい。そこに、巨利が生じる▼79年のダグラス・グラマン事件。後に検事総長となる伊藤栄樹は、国会で「捜査の要諦(ようてい)はすべからく、小さな悪をすくい取るだけでなく、巨悪を取り逃がさないことにある」と、政界中枢への波及を期待させた。だが、捜査は政治家に及ばず、防衛予算の森にモグラのように巣くう利権構造は温存された▼大食漢のモグラは、巣穴に迷い込むミミズや昆虫を端から食らう。穴それ自体が巨大な罠(わな)ともいえ、条件が良い巣穴は代々引き継がれるそうだ。検察がたたきつぶすべきは巨悪と、国庫の地下を縦横に走る病巣である。
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发表于 2007-11-30 09:17:17 | 显示全部楼层
2007年11月30日(金曜日)付
7 O9 \. q: o( ?$ X% G% H7 v7 i" G5 l# J, i! E1 f9 I+ n
 日差しは心細く、暮らしの端々に闇や陰を感じる時が増えてきた。藪(やぶ)の中の真相をめぐる11月の言葉から▼賞味期限を偽装した船場吉兆。「独断」を責められたパート女性が湯木尚治取締役の指示だと反論した。「そんなん日持ちするんやで。1カ月くらい延ばせ」と大声で言われたと。ブロイラーを地鶏と称した件で社長から「裏切られた」と嘆かれた鶏肉業者は「地鶏を注文されたことは一度もない」▼ミシュランの評価を拒んだ東京の和食店「麻布かどわき」の門脇俊哉さん。「接待で使う店、好きな女性と行く店など様々な料理があるはず。あらゆる目的に応えられる料理なんてつまらない」。隠密調査から三つ星8店が選ばれた▼その一つ、日本橋人形町の「濱田家」で1年前に酒食を共にした紳士たち。「居たはず」と指摘された額賀財務相は「不確定な材料で質問される立場になったことは本当に悔しい」と、アリバイ写真などを公表した。民主党の山岡国対委員長は「作ろうと思えば、数字はデジタルでいくらでも入る」▼入国する外国人に指紋採取と顔写真撮影が義務づけられた。「友人の友人がアルカイダ」の鳩山法相は「テロリストの怖いのが平気で日本をうろうろしている」。狙いはテロより不法滞在者という見方も▼保険金目あてに自分の母親と娘2人を殺したとして、死刑を求刑されていた男性に広島地裁が無罪判決。細田啓介裁判長は「非常に疑わしい点があり、シロではなく灰色かもと思うが、クロと断言はできなかった」と説明した。
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