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楼主: Jennifer

[经验方法] 連載《天声人語》想看中文版请去看1590楼最新公告

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发表于 2007-12-1 07:49:27 | 显示全部楼层
2007年12月01日(土曜日)付: t: E/ T2 j: H" _+ g

3 H% S. O( m# F 全日空の機長だった作家の内田幹樹(もとき)さんが、客室乗務員を束ねるチーフパーサーの重要性を説いている。「彼女がしっかりしていると、こちらは安心して操縦できる」。逆だと、フライト全体の雰囲気がぎくしゃくするそうだ(『機長からアナウンス』新潮文庫)▼客室と操縦席、整備と運航、後方と一線。空陸の労働力が一つになって、雲上の旅はつつがなく完結できる。嗚呼(ああ)それなのに、である。日本航空の客室乗務員約200人が、最大の労働組合と会社に損害賠償を求める裁判を起こした。原因は「監視ファイル」だ▼この労組がこっそり集めた約1万人の個人情報にはたまげた。男好き/合コン狂い/流産2回/生理休暇を毎月とる/おでぶ/酒好き/スタイル抜群……。情報というより、下品な世間話の類(たぐい)だろう▼思想調査まがいの記述、上司しか知り得ない査定や病歴も含まれていた。会社は、労組に情報を流した管理職ら25人を処分したものの、組織ぐるみは否定する▼日航に八つもある労組の中で、訴えられた組織は会社寄りという。ファイルは組合員の相談や勧誘のためというが、会社に物言う他の労組を切り崩す、労使合作の作戦資料にも見える。裏で密告が飛び交う職場は寒々しい▼制服姿でビラを配る原告に、共感と若干の不安を覚えた。彼女たちは、上司や同僚への不信を抱えたまま飛んでいるのだろうか。乗客の命を預かる保安要員を、地上の雑念で「うわの空」に追いやってどうする。1年前、天国へと離陸した内田さんも嘆くはずだ。
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发表于 2007-12-2 09:30:51 | 显示全部楼层
2007年12月02日(日曜日)付
+ y/ g; B% }$ F, U 年齢を重ねるにつれて、光陰は、ますます矢の如(ごと)くに感じられる。気がつけば今年も、はや師走である。歳暮を贈り、賀状を書き、家のほこりも払わねばならない。勤め先では、年内が期限の仕事あり、忘年会あり。納めのあいさつに得意先をまわる人も多いだろう▼猫の手も借りたい師走が、たった2日しかなかった年がある。1872(明治5)年だ。旧暦から太陽暦に改暦され、あす12月3日が明治6年1月1日になった。つまり、きょうが「大みそか」だったことになる▼太政官布告で知らせたのは20日ほど前という。突然の改暦に国中が混乱した。唐突さの理由は、落とし話さながらだ。旧暦の明治6年には「うるう月」があった。役人の月給を13回払わなくてはならない。財政が火の車だった明治政府のお偉方は頭を抱えた▼そのとき、改暦すれば12回ですむと考えた知恵者がいたらしい。12月の月給も2日しかないからと棚上げし、2カ月分の人件費を浮かせたというから、敵もさるものである。政府に尽くし、民を惑わせる能吏の先駆けだったかもしれない▼明治6年以来の日時と曜日はいまも続いて、書店や文具店に新しい年のカレンダーがならぶ。時を見た人はいないけれど、それらは、来年という時間の「量」を視覚的に実感させてくれる▼しかしながら「質」は見えない。油断をしていると、手持ちの「時の財布」から、羽が生えたように、無為な時間が飛び去ってしまう。暦や手帳を眺め、新しい年を流れる時に思いをいたす師走でもある。
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发表于 2007-12-3 08:28:27 | 显示全部楼层

2007年12月03日(月曜日)付

風邪のはやる東京で昨日、出勤途中に電車内の「咳(せき)エチケット」を観察してみた。日曜だが、立っている人も多い。若い男性がつり革を握ったままゴホゴホやっている。口を手で覆わないから、前に座った人は頭の上から咳を浴びている▼大きく咳(せ)き込んだのは、端に座る高齢の男性だ。やはり口はノーガードだから、かなりの飛沫(ひまつ)があっただろう。目に見えなくても数メートルは飛ぶそうだ。咳のことを古く「しわぶき」と称したが、言い得て妙である。電車の中は、野放図なしわぶきが随分目立つ▼この冬、インフルエンザが異例に早く流行している。国立感染症研究所の感染症情報センターによれば、定点調査の患者は調査を始めた87年以降で最も多い。年内に本格的な流行になると心配されている▼かからない用心は無論だが、うつさない配慮も欠かせない。「咳エチケット」は、そのために厚労省が呼びかけた。咳の際はティッシュなどで鼻と口を押さえる。ティッシュはふた付きのゴミ箱に捨てる。症状があればマスクを着用する。三つの心得で効果は上がるそうだ▼インフルエンザの名を日本人が知ったのは、遠く明治の中ごろという。庶民はもっぱら「お染風(そめかぜ)」と呼んだ。『修禅寺物語』の作家岡本綺堂(きどう)は、「猛烈な流行性を持つ恐るべき病に、愛らしい名を与えたのは江戸っ子らしい」と随筆で回想している▼その綺堂も老父をインフルエンザで亡くした。お年寄りや子どもには今も怖い病気だ。うつさないのは、「配慮」というより「責任」だと心得たい。
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发表于 2007-12-3 11:20:45 | 显示全部楼层
每天大概有多少人浏览这个贴子呢?
+ a4 u1 E. O! `, d  g( @* O: _& O3 {2 W" x/ \( r2 @
[ 本帖最后由 康成 于 2007-12-4 09:34 编辑 ]
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发表于 2007-12-3 23:00:15 | 显示全部楼层
楼上重复了哦~~~" A  L; i5 D& q3 \7 t

, U" d- A' {5 x2 x) S; q4 W2007年12月04日(火曜日)付
/ w- E+ H; x+ H6 C( G+ @% H
- I5 m3 j: U" `$ ~% g1 }5 s アメリカといえば男女平等の鑑(かがみ)に思われがちだが、さほど単純ではない。制度上の差はなくても、男性の心の中には屈託もある。先日も、かの国のコラムニストが話題を紹介していた▼「女性が有能で交際相手より収入が多いとき、相手に知られると反感を買う。だから収入を隠すか、そんな問題が起きないように、かなり年上の男性と付き合う傾向がある」。そして、ヒラリー・クリントン上院議員も有能さを隠すべきか?と読者に投げかけた(ニューヨーク・タイムズ)▼米大統領選は、民主、共和両党の候補者指名レースの号砲まで1カ月を切った。注目の大一番で、大統領に最も近いと目されるのがヒラリー氏である。同じ民主党の候補も、敵する共和党も、彼女を負かそうと懸命だ▼その本命を悩ますのが、「ヒラリー嫌い」の多さだという。リベラルな政治姿勢は、右派には敵(かたき)のようなものだ。野心的、節操がない、などとレッテルも多い。加えて、女性上司に男が抱く類(たぐい)の屈託が、「嫌い」の温床になっているらしい▼「聡明(そうめい)な女性は生まれながらに数百万の敵がある」という格言を思い出す。言葉は、「それらはすべて愚かな男たちだ」と続く。愚かかどうかは置いて、自由の女神の下でも、理想に心が追いつくには時間がかかる▼民主党の候補者指名でヒラリー氏を追うのはオバマ上院議員。こちらはアフリカ系(黒人)だ。これまでの米大統領42人は白人男性が占めてきた。2人の登場で次の選挙は、そうでない大統領の誕生にかつてなく近づいた。" j; G% N5 K/ ^8 D

% Z* _5 W$ l7 j- S' B1 Z+ A& t[ 本帖最后由 森香 于 2007-12-4 08:39 编辑 ]
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发表于 2007-12-5 08:23:01 | 显示全部楼层

2007年12月05日(水曜日)付

関西に住む知り合いの詩人から、「生活語」でつづった詩集を送ってもらった。生活語とは耳慣れないが、土地土地の方言をはじめ、俗語や職業語など、暮らしの中で使われる言葉をさすそうだ。北から南まで、121人の詩人の作品を載せている▼〈此(こん)の家(ち)に嫁いで来んしたとき/まずは 玄関先で/一升ますの湯呑(のみ)の水を飲めんした/此の家の水の飲み始めですんにゃ/一生飲みますという/花嫁の誓いでごぜんす……〉(「敷居またぎ」岡崎純)。北陸は敦賀の言葉だという。共通語に言い換えれば消える、彫りの深い言葉が連なっている▼「(宮崎を)どげんかせんといかん」。宮崎県の東国原知事が叫び続けたお国言葉も、共通語にない魅力を宿していたのだろう。あれよあれよと人口に膾炙(かいしゃ)し、今年の「新語・流行語大賞」に選ばれた▼24回目になるが、方言が選ばれるのは珍しい。危機感にかられた窮余の言葉が、思いがけず羽ばたいた格好だ。ともあれ、「選ばれたのは地方からの魂の叫びが届いたから」と知事はご満悦だ▼だが悲しいかな、手持ちのパソコンで変換すると「度源河川(どげんかせん)と移管(いかん)」となる。共通語なら「どうにかしないと行けない」と、ほぼ正しく表示される。機械の中にも、中央と地方の“格差”があるらしい▼国語学の金田一春彦氏によれば、新来者にも分かるように努めて陰影を消したのが東京語、つまり共通語なのだという。それに収まらない豊かな一語一句を、冒頭の『続現代日本生活語詩集』でしみじみ味わわせてもらった。
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发表于 2007-12-6 08:24:01 | 显示全部楼层

2007年12月06日(木曜日)付

小学生のころ、木造校舎の理科室は、近づきたくない場所だった。遮光した薄暗がりにホルマリン漬けの標本がひっそり並び、何より、あの人体模型が突っ立っていた。オバケが出るという噂(うわさ)もあった▼あのころの理科室の光景が、同世代の「科学する心」にどう作用したかは知らない。今の理科室は明るく、設備も充実していると聞く。ところが日本の15歳は、科学への興味が世界でも際立って低いらしい。明るくない実態が浮かび上がっている▼経済協力開発機構(OECD)の国際学力テストの結果、日本は科学と数学の応用力、読解力のすべてで3年前より順位を下げた。57の国と地域が参加したが、先頭集団からは差をつけられてしまった▼学力にまして、興味や意欲はお寒い。「科学についての読書が好き」は最下位に甘んじた。科学に関してテレビや新聞、雑誌に接する率もビリである。興味という土壌が豊かでなければ、学力という果実の収穫は望めない▼日本の物理学は戦後、急速に伸びたという。ノーベル賞の朝永振一郎は外国人にわけを聞かれ、「戦争中の知的な飢えを満たそうとしたから」と答えたそうだ。いたれり尽くせりの情報で腹がいっぱいになると、好奇心は麻痺(まひ)するらしい▼いまや情報はあふれ、「なぜ?」の問いに手早く解答を得られる時代である。不思議への感性が乾いて、「なぜ?」そのものが減りつつあるともいう。予見してのことだろうか、朝永は教師の役目を、生徒を知識で満腹にさせないことだと言い残している。
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发表于 2007-12-7 08:22:41 | 显示全部楼层

2007年12月07日(金曜日)付

お金を拾った話でよく知られるのは、落語の『三方一両損』だろう。左官屋が三両を拾う。落とし主は大工と分かるが、「もう俺(おれ)の金ではない」と受け取らない。届けた方も「いらない」と言って喧嘩(けんか)になり、大岡越前守(えちぜんのかみ)の妙案で丸く収まる。そんな筋だ▼正直者に手をたたくのは、せち辛い現実の裏返しでもあろう。先ごろも茨城県で、1000万円の当たり宝くじを置き忘れた人がいた。報道されると、19人が名乗り出たそうだ。越前守ならぬ警察が吟味して、本当の持ち主を特定した▼こうした手間が、来週から増えるかもしれない。遺失物法がほぼ半世紀ぶりに改正され、拾得物がインターネットで公表されるからだ。落とした人は捜しやすくなる半面、偽者による「なりすまし」が心配されている▼昨年届けられた拾得物は1222万点、現金は139億円にのぼった。不心得を防ぐために、警察は「本人しか知らないこと」は公表を控えるそうだ。財布なら、色や大まかな形は明かすが、ブランドは明かさない。中身の額も伏せることになる▼とはいえ、それもこれも前提がある。まずは正直者に拾われなければ、ネットに載ることもない。139億円に集計されず、不実な懐に消えた額はいかばかりだろう▼大事なものをなくせば、だれでも不運を呪う。だが無事に戻ったとき、不運を帳消しにする人の情に感じ入るのも、経験することだ。軽い気持ちでも「なりすまし」は、届けた人の善意まで奪う企(たくら)みだろう。そのほうが、むしろ罪深いのかもしれない。
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发表于 2007-12-7 12:45:23 | 显示全部楼层
谢谢楼主~~刚考完二级,以后会常来这里看看的~~
2 C9 G* R9 M6 i2 p( s/ I& R9 h: z0 C  c" u很好的练习材料~~
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发表于 2007-12-8 08:57:34 | 显示全部楼层
天声人語8 U5 a1 J: u( R
2007年12月08日(土曜日)付, N1 f0 ]- {" t6 G9 w  W' D( E, ^8 H

! v. D8 ], C) [) c) C: O ジャネット・ランキンの名を知る日本人は多くないかもしれない。1880年に米国で生まれ、女性初の連邦議員になった。女性の参政権運動を率いたから、日本なら市川房枝さんのような存在である▼信念に満ちた平和主義者でもあった。66年前のきょう、日本軍は真珠湾を攻撃した。それを受けた議会の対日宣戦決議に、たったひとり反対票を投じた。議会は日本への憎悪を燃やし、上院は満場一致で可決した。下院は賛成が388、彼女だけがノーを唱えた▼この反対票で、ランキンは全米を敵に回す。非難が渦巻き、「売国奴」のレッテルを張られた。頼みの故郷からも、「あなたの味方なし」と電報が届く。その後、再選されることはなかった▼散ったかに見えた花は、しかし後世に種子を残す。数年前に故郷のモンタナ州を訪ねると、「信念の一票」を慕う女性たちが平和活動を続けていた。あの「一票」に、命を産む者の決意がこもっていると誇らしげだった▼〈徴兵は命かけても阻むべし母・祖母・おみな牢(ろう)に満つるとも〉。故・石井百代さんの歌が「信念の一票」に重なる。作者は多くの身内を戦争で亡くした人だ。当時、あっさり息子を差し出す気になった。その後悔を胸に、戦前回帰する風潮に決意をぶつけている▼石井さんは生前、小紙に「(戦争は)女親らしい、めめしさを持っちゃいけないと、ただそればっかり」だったと語っていた。勇ましいものに歯止めをかける。それはめめしさではなく勇気なのだと、2人の行動と言葉に思う。
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发表于 2007-12-9 17:53:43 | 显示全部楼层
天声人語/ J" d7 Y- h. g+ Q3 d
2007年12月09日(日曜日)付
& }$ O+ }! U3 |5 P4 ?8 z  L# i
9 y4 ~& Y% @4 C6 L1 R- _, S4 o: A+ n すす払いは一年の厄を除き、正月に備える習わしだ。〈煤掃(すすはき)に用なき身なる外出(そとで)かな〉松本たかし。黒い顔が動き回る間、老人や病人、子供らは別室や戸外に待避した。ずぼらなだけの「すす逃げ」もあったらしい▼冬晴れの午後、開け放った戸障子から外気が流れ込み、汗を冷やす。そんな肌の記憶で大掃除を思い出す人もいるだろう。機械も洗剤もない時代は、雑巾(ぞうきん)にバケツ、ほうき、たわしなどの小物が戦力だった▼たわしの先駆「亀の子束子(たわし)」が世に出て1世紀だという。女性が扱いやすいようにと、こぢんまりU字形に丸めた形が考案されたのは1907(明治40)年。東京の製造元は「発明100年」とする▼スポンジに主役を譲るまで、無数の亀の子が昭和の台所をピカピカにした。みかん色の包装には今も、天然素材、快適定番、品質本位と自信の4字が弾む。山を愛する同僚は、冬山必携の品だと言う。服や道具の雪払いに重宝するそうだ▼純な雪には程遠く、豊かな生活からにじみ出る汚れは毒気さえ帯びてきた。清める側も科学で武装した。その一つ、ダスキンが募った「大掃除川柳」に〈大掃除あしたあしたで大晦日(おおみそか)〉。どん詰まりでも、毎年するから意味がある。積年の汚れはいずれ「地色」になりかねない▼食品偽装、年金消滅、身内殺害、防衛利権……。ことしも、これを限りに一掃したい4字があふれた。社会の汚れ、政治のよどみは、人の手と亀の子ぐらいで足りるうちになんとかしたい。国民に「すす逃げ」はないと覚悟を決めて。
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发表于 2007-12-11 08:28:18 | 显示全部楼层
前日が新聞休刊日でしたので、この日の「天声人語」はありません。ご了承ください。
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发表于 2007-12-11 08:28:47 | 显示全部楼层

2007年12月11日(火曜日)付

漱石の『坊っちゃん』に「いか銀」という男が出てくる。四国の中学へ赴任した坊っちゃんが下宿した家の亭主で、素性のあやしい書画骨董(こっとう)を売ろうとたくらむ、うさんくさい人物だ▼珍妙なその名は、漱石が「いかさまの○○」を端折ってつけたのだろうと、いつか専門家に聞いた。その習いでいけば、「いか兆」とでも呼ぶべきか。高級料亭「船場吉兆」の産地偽装や不正表示は、実に41商品にのぼっていた。全部で60商品ほどだから、7割に近いことになる▼発覚後の経緯は、よくある筋書きをたどった。第1幕では、問題は認めるが大したことのないふりをした。2幕は、火消しのために嘘(うそ)と言い逃れを連発した。3幕目に進退がきわまって、フィナーレは降参。責任を全面的に認める報告書を、きのう農水省に出した▼偽装にもまして、記憶に残るのは経営側の言い逃れである。責任をパートの女性たちに押しつけようとした。だが実際は、会社が「不正マニュアル」を作っていたそうだ▼高価な穴子の佃煮(つくだに)は、ラベルに名産地の「高砂」を銘打っていた。偽装では、と問われると、「おめでたい意味で『高砂』を使った」と釈明した。思い出すのは、「消防署から」ではなく「消防署の方から来た」と言って消火器を売る詐欺まがいだ。相通ずるさもしさが、老舗(しにせ)ゆえに物悲しい▼〈偽装偽証偽善偽名に偽造あり偽偽、偽偽、偽偽と軋(きし)む日常〉と嘆く歌を、一昨日の朝日歌壇に見た。おれなどまだ序の口だと、本の中なら「いか銀」が兜(かぶと)を脱ぐかもしれない。
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发表于 2007-12-12 08:22:25 | 显示全部楼层

2007年12月12日(水曜日)付

蕪村門下の江戸期の俳人、高井几董(きとう)に〈やはらかに人分け行くや勝角力(かちずもう)〉の句がある。土俵の上の気迫みなぎる勝負は、むろん相撲の醍醐味(だいごみ)だ。だが勝負師の表情を消した力士のたたずまいには、春風駘蕩(たいとう)とした魅力がある▼勝負のあと、懸賞金に手刀を切る。その所作を広めたのは昭和初期の大関名寄岩だと、33代の立行司、木村庄之助さんの『力士(ちからびと)の世界』(文春新書)に教わった。「(手刀で)心という字を書いている。ありがとうございますの気持ち」と、仲間の力士に話していたそうだ▼横綱朝青龍の所作は、いささか違うように見える。懸賞金をつかむ身ぶりは大仰だ。勝ち誇り、戦利品でも分捕るような印象を残す。勝負のあと、荒ぶる心を鎮めて「やはらか」な力持ちに戻っていく。それが苦手なのだろう▼その朝青龍が他の部屋から、「出げいこ」を門前払いされる事態が起きた。先ごろの巡業で、胸を貸した若手にけがをさせた。力を見せつけるような荒わざを繰り出したためだ。そんな危うさが嫌われたらしい。横綱の出げいこを先方が拒むのは異例だという▼太宰治の『新釈諸国噺(ばなし)』に、乱暴者の相撲取りが登場する。相手を突き飛ばし張り倒し、けが人の山を築いて、「相撲は勝ちゃいい」とせせら笑う。だがついに自分も荒わざで転がされ、あばら骨を折って落ちぶれて死ぬ▼「勝ちゃいい」という悪童で終わってほしくないと、ファンは願っているはずだ。今回の騒動で心技体の「心」は育ったのか。一挙一動を多くの目が見つめている。
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发表于 2007-12-12 17:50:23 | 显示全部楼层
xiexie
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