この国もまだいけそうだと少し安心した。東洋大学が全国から募った第21回「現代学生百人一首」である。中高生らが寄せた約6万首から100首が入選した▼〈両親の働く姿に胸打たれそっと終わらすマイ反抗期〉中3・樋口絢美(あやみ)。家族への思いと温かい観察眼に驚かされる。〈ほうれん草のおひたし最近水っぽい握力落ちた母の細腕〉高3・千葉幸。〈仲間とのそば打ち語る父の顔白髪頭の少年がいる〉高3・馬場史織▼柔らかな視線の先は親だけではない。〈おじいちゃんみんなの話題と違うけど私はちゃんと聞いてるよ〉高3・岸友佳里。〈帰るねと言ったら急に話し出す祖母の顔見てまだいようかな〉高2・内田菜月▼〈おばあちゃんさっきも言ったよその話忍びよる影そっと肩抱く〉高3・関口亜沙実。精いっぱいの愛情表現だろう。三十一(みそひと)文字の受け皿を得て、心底の優しさが紡ぎ出されたかのようだ▼恋や勉強、職業訓練の歌には実感がこもる。〈大好きな君に会えるの期待して今朝もいつもの各駅停車〉高2・長谷亜也。〈片隅に積み上がってる参考書夏物語るマーカーのあと〉高3・野呂友里恵。〈初めての機械実習緊張の心の角を切り飛ばしてる〉高1・泉田純次▼去年の猛暑は意外にも、家庭を見つめ直す作品を残した。〈エアコンで家族が集う夏の居間異常気象がもたらす絆(きずな)〉高1・小玉千陽(ちはる)。その絆さえあれば、会わずとも思いは飛んでゆく。気持ちはつながる。〈受験費用心配しなくて良いからと父のメールに涙こらえる〉高3・小林麻未。1 [6 P, Y$ X# U$ L" N
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