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楼主: Jennifer

[经验方法] 連載《天声人語》想看中文版请去看1590楼最新公告

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发表于 2008-2-17 10:10:28 | 显示全部楼层

2008年02月17日(日曜日)付

今季の方針を聞かれ、プロ野球の監督が答えた。「自分の中では守備力重視です」。女子フィギュアの星が大会への抱負を語る。「自分の中では、トリプルアクセルを跳びたい」▼この「自分の中では」が、最近ちょっと気になる。各界の発言録ともいえる本紙を調べたところ、検索できる84年以降、約300本の記事に登場していた。9割は最近10年のもので、90年代半ばまではあまり出てこない▼たどれる最古の発言は87年、ビートたけしさんである。写真誌への殴り込み事件で有罪判決を受け、記者会見で神妙に語った。「6カ月もたったことなので、自分の中では解決したと思っている」と▼殴り込みはまずいが、これが本来の用法だろう。「自分の中では」は、当時のたけしさんのように気持ちの整理がついた状態など、微妙な胸中を説明する表現だった。それが昨今、飾りのように多用されている▼断言しては押しつけがましい、あるいは言い切るだけの自信がない時、私たちは「別の見方もあろうが」というニュアンスを飾りで加えたくなるものだ。意見対立や仲間外れを嫌い、場の空気を読むのに熱心な現代人の知恵だろうか。さりげなく張る予防線は奥ゆかしくもあり、軟弱にも聞こえる▼やりとりからトゲや毒、火種を取り除く工夫をボカシ言葉と呼ぶそうだ。「わたし的には」「~かな、みたいな」など多々ある。「自分の中では」も、その一つらしい。優しく、余白を残す言い回しは処世術だが、会話を弾ませる大切な熱を奪うような気がする。
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发表于 2008-2-18 08:54:53 | 显示全部楼层

2008年02月18日(月曜日)付

きのうの東京マラソンを皇居北のお堀端で見た。配られた読売新聞の小旗を毎日新聞本社前で振ることになった。後から来る走者ほど笑顔が目立つ。ウサギ、カエル、ウシのかぶり物、力士の着ぐるみもいた。競走とお祭りが、同じ道をゆく▼銀座に先回りして先頭集団を待つ間、この催しの魅力は都心の車道を走る「非日常感」だろうと納得した。行く手には車のない清潔な道が延び、歩道から見上げるのとは違う左右対称の空が広がる▼初回の去年より6万人多い15万人超が申し込んだという。博報堂生活総合研究所の嶋本達嗣さんは、本紙で「他者と適度な距離感を保ちつつも、ゆるやかな連帯を味わえる」と人気の背景を分析していた▼参加できた約3万人は、3万の思いを胸に走った。障害や病気を乗り越えた「証し」を求める人がいた。知り合いに雄姿を見せたい人もいただろう。そして、走ることの幸せが皆の背中を押していた▼五大陸を走破したフランス人、セルジュ・ジラールさんに聞いたことがある。走行中は脳がさえるので、計算を楽しむそうだ。女性ランナーの草分け、ゴーマン美智子さんは「レース翌日に暖かく着込んで、ゆっくりゆっくり走る時が最高」と語っている▼銀座から地下鉄に乗り、勝者のゴールは自宅のテレビで見届けた。道路網といい交通機関といい、東京は恵まれている。足と小銭を生かせる街ともいえる。青空のおまけもついた一日を振り返り、思った。都心に車のない、歩いてよし走ってよしの日がもっとあっていい。
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发表于 2008-2-19 09:13:22 | 显示全部楼层

2008年02月19日(火曜日)付

無地の食器は料理を引き立てる。自らの個性を封じ、背景に徹することで、食材の色が一つ前に出るのだろう。白い皿は何かを盛ることで生かされ、逆に、何も載せなければ物悲しいものだ▼器と料理は、媒体と情報の関係に似ている。古くは紙と文字。白地に黒い情報を盛られて、紙は新聞や本になる。CDと音楽、DVDと映画の関係もしかり。媒体や、それを動かす機械は「伝える中身」がなければ価値を生まない▼かれこれ6年となる次世代DVDの規格争いで、ソニーや松下電器が主導する「ブルーレイ」の勝ちがどうやら見えてきた。競う東芝は、事業からの撤退を発表するようだ▼世界標準の「皿」を目指した戦いは、「料理」を握るハリウッドの大勢と、米最大のスーパーを味方にした側が優位を固めた。巨費を投じ、技術を尽くした機器も、伝えるべき情報を元から断たれ、売り場を失えば倉庫で眠るしかない。まさに「美器を作らんとする者は美食に通ずべし」(北大路魯山人)である▼家庭用ビデオの「VHS/ベータ戦争」は決着に13年かかり、多くの消費者が泣かされた。「負け皿」をつかめば料理に不自由するという教訓から、今回は買う側も慎重だった。東芝が早めに見切れば、混乱はそれだけ小さくなる▼「勝ち皿」も安泰ではないらしい。インターネットからパソコンに、映像をじかに取り込む手法が広まれば、皿の価値は薄れていく。鍋から口へとはしを運ぶことを、礼儀作法では下品と言い、映像ビジネスの世界では進化と呼ぶ。
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发表于 2008-2-19 20:48:31 | 显示全部楼层
好强,我一句看不懂。。。
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发表于 2008-2-20 09:14:25 | 显示全部楼层

2008年02月20日(水曜日)付

ギリシャ神話の主神ゼウスは娘の女神アテナに、あらゆる邪悪と災厄から身を守る盾を授ける。アテナはこれに、見た者を石に変える魔物メドゥーサの首をはめ、攻める力を重ねた。盾の名はアイギス、英語の「イージス」である▼海の要塞(ようさい)にも例えられるイージス艦は、数百キロ圏内にある200の目標を同時にとらえ、必要とあらば破壊する。はるか上空から海面、水中までを見通す「全能の目」の持ち主も、平時には小舟一つに気づき遅れるものなのか▼海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」が漁船に衝突し、漁師の親子が不明となった。あたごはハワイでのミサイル試射を終えて横須賀へ、漁船はマグロ漁に向かっていた。長さ12メートルの出船に対し、入り船は165メートル。ひとたまりもなかったろう▼あたご乗員によると、両船とも衝突を避けようとしたそうだが、遅かった。海は穏やかで視界も良く、暗闇でも航海灯がある。ちゃんと見張っていれば起こりえない事故に思えてならない▼あたごは1400億円を投じた最新鋭艦で、自衛隊でも最強の一隻といえる。国民を守るべき高価な盾が、同胞に災厄を及ぼしては悲しすぎる。機械の目と、乗員の目。自衛隊は二つを大急ぎで磨き直すべきだ▼現場海域は東京湾に近く、多くの漁船や貨物船が行き交う。逃げも隠れもしない漁船を避けるのに、最先端の探知システムなどはいらない。わが巨体の周囲には民間の船がいるだろうという想像力と、「弱者」を見逃すまいとする海の守り手の責任感。それで足りる。
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发表于 2008-2-21 01:23:30 | 显示全部楼层

2008年02月21日(木曜日)付

「人間を動かす二つのテコは恐怖と利益である」(ナポレオン)。この二つで人と歴史を動かした男の実感だろう。では、老革命家を内から動かしたのはどちらのテコなのか▼キューバのカストロ国家評議会議長(81)が、国家元首を退く。「心理的にも政治的にも、私の不在に備えるのが義務だ」と。権力ではどうにもならない高齢と病気。その現実に押されての決断だ▼20世紀半ばのキューバは、砂糖などの基幹産業を米国資本が握る半植民地だった。怒れる青年弁護士カストロは武力蜂起に失敗し、亡命先のメキシコで盟友ゲバラと出会う。同志82人が中古のヨットで母国に潜入して以来、半世紀も国を率い、米国をいら立たせた▼カリスマ指導者の「引退」は、自由な報道と野党のない国では珍しい。うかつに権力を手放せば、政敵や民衆の反撃に遭うかもしれない。地位だけが今日の利益を生み、明日の恐怖を退ける。だが、こうして「内なるテコ」がいつまでも働かず、歴史のハンマーに葬られた者は多い▼ナポレオンは暗殺を恐れ、ひげは自分でそっていたと伝わる。自らも恐怖に動かされていたわけだ。それでも武運は尽き、島に流され、造らせた凱旋門を棺(ひつぎ)で抜けることになった▼並外れた権力者は、並外れて孤独だ。どうかすると側近や親族さえも信じられなくなる。カストロ氏は幸せにも、弟に譲るらしい。そして、自身は「一兵卒として戦い続ける」そうだ。「恐怖と利益」を吟味し、それだけが最晩年を安らかに過ごす道だと判断したのだろう。
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发表于 2008-2-22 10:43:58 | 显示全部楼层

2008年02月22日(金曜日)付

江戸の世に閉門という刑罰があった。武士や僧侶の屋敷の門を封じ、昼夜の出入りを禁じて謹慎させる。医者を呼ぶこと、火事から逃げることは認められていた▼世間に合わせる顔がないと恥じ入ったか、在日米軍が基地あげての「自主閉門」である。沖縄、岩国の将兵と家族ら5万5000人に終日の外出禁止令が出た。中学生暴行、飲酒運転、住居侵入と不始末が続いては、基地のゲートは内から閉ざすほかない▼きょう22日は、全国の米軍こぞって「反省の日」だという。外出禁止が長引けば、周辺の飲食店なども「閉」の危機を迎える。基地経済の足元から開門を望む声を待つ腹かと、勘ぐりたくもなる▼ここに、真っ先にこじ開けたいものがある。わが自衛隊の閉鎖体質だ。イージス艦に衝突された漁師の親族に、幹部は「報道陣には知らんぷりを」と求めたらしい。カメラの前で自衛隊をなじり、何度も泣かれてはかなわないという意味なら、ひどい▼事故の連絡が遅れたうえ、重要な情報がなかなか明かされないのも腹立たしい。見張りが漁船の灯火に気づいたのは、先に発表された衝突2分前ではなく12分前で、その後も自動操舵(そうだ)で直進していた。自衛隊に不利な証言が後から出てくるのはどうしたことか▼戦闘集団には秘密主義がつきものだが、それに振り回されては知る権利も文民統制もおぼつかない。大漁を信じる親子船を切り裂いた経緯に、隠すべき情報はなかろう。組織防衛と保身にばかり熱心で、国民には門を閉ざす「自分を守り隊」では困る。
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发表于 2008-2-23 13:43:49 | 显示全部楼层

2008年02月23日(土曜日)付

都会に住んでいると、近所づきあいは深まりにくい。マンションなら、両隣の家族構成がだいたい分かる程度だろうか。東京の真ん中に、近所づきあいもなく暮らし、それでいて全国の耳目にさらされる旧家がある▼そこの長男である皇太子さまが48歳を迎える会見で語った。「家族のプライベートな事柄ですので、これ以上立ち入ってお話をするのは差し控えたいと思います」。重ねての質問にも「これは本当に家族の内の事柄ですので」と拒まれた▼記者たちの関心は、皇太子ご一家が自発的に皇居を訪れる機会が少ないという、宮内庁長官の「苦言」である。天皇陛下の意をくんだものとされる。皇太子さまは「できる限り心がけてまいりたい」と述べるにとどめた▼東宮御所から皇居までは車で5分。ほど近い実家への訪問が年に2、3回というのは決して多くはないが、ご一家なりの事情もあろう。息子夫婦と談笑したい、孫と遊びたいのはどの親も同じ。そして、何か問題があるのなら親族間で解決するしかないのも、またしかり。周囲や国民が一喜一憂してどうなるものでもない▼旧家には時代を貫く伝統があり、天皇家では大半が公務の色を帯びる。継承すべき事柄も多い。されど「家族内の事柄」まであれこれ論じられる立場は、定めとはいえお気の毒でもある▼変えるべきもの、ならぬものとは別に、あるべき論を超えて変わっていくものがある。皇室もそうだろう。東京の真ん中で暮らす家族の姿は時を映し、時を重ねて伝統は深みを増してゆく。
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发表于 2008-2-24 10:24:21 | 显示全部楼层

2008年02月24日(日曜日)付

若い世代の漢字力を案じる一文を、1974(昭和49)年の当欄が書いている。教え子の高校3年生から便りをもらった先生が、一読びっくりしたそうだ。「秋も段々深まりました。姉も段々色づきました」。「柿」のつもりが「姉」に間違えたらしいと、当時の筆者は苦笑ぎみだ▼いまの筆者はその年に高3だった。柿を姉とは間違えなかったが、何かのおりに祖父を「粗父」と書いた。「年寄りを粗末にするな」とクラスで教師にからかわれ、頭をかいた覚えがある▼ベネッセ教育研究開発センターが、小学生の漢字力を調べた。それぞれの学年で、学習ずみの字に応じて、計約9000人を対象に「書く力」を試した。その全体の正答率「58%」を、不肖の筆者はどうとらえようか▼送り仮名はむろん、書くときの「とめ」や「はね」から点画まで、厳しく採点された。わが日常を省みれば、パソコンにほぼ丸投げの要素である。6年間に学ぶ漢字は1006字ある。正答率を「低い」としかって恥じない自信は、恥ずかしながらない▼日本語に精通する数学者ピーター・フランクルさんが愉快なことを言っている。故国ハンガリーはノーベル賞受賞者の輩出率が高い。その理由を、人々は「ハンガリー語が難しいから」と答えるそうだ(『望星』1月号)▼「子どもにとって母国語が難しいことは恵み」とは、戦後すぐの「漢字廃止論」と正反対の視点だろう。漢字を操ることが子どもの力を引き出す。そんなピーターさんの意見に、不肖ながら一票を投じたく思う。
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发表于 2008-2-25 15:11:36 | 显示全部楼层

2008年02月25日(月曜日)付

中国西域のタクラマカン砂漠を取材したとき「カラブラン」と呼ばれる風の恐怖を聞いた。訳せば「黒い嵐」となるその風は、砂を巻き上げて太陽を隠し、あたりを夜のように暗くする▼竜巻に近い風なのだろう。子どもやヤギが何十キロも飛ばされた、砂に埋もれて死にかけた、など怖い話がいくらでもある。〈故郷を埋め、愛する家族を生き別れにさせる……〉。ウイグル族の人々は恨み節を口に、風と砂を防ぐ植林に余念がなかった▼のどかに聞こえる日本の春一番も、正体は荒々しい風だ。海は大シケ、山では気温が上がり雪崩がとどろく。古くは、恐れをこめた漁師言葉だったらしい。150年ほど前には長崎県の五島沖で漁師53人が遭難した。痛ましい災難もへて、戦後に俳句の季語となって広まった▼おととい関東に吹いた春一番は土ぼこりを盛大に巻き上げた。クレーンを倒し、催事のテントを飛ばして、けが人を出した。ようやく止(や)むと、返す刀で、きのうにかけて北風が吹き荒れた▼「疾風に勁草(けいそう)を知る」と言う。「強い風が吹いて初めて、どの草が強いか分かる」という意味だ。逆に弱い草も分かる。よく止まる鉄道あたりが筆頭だろうが、安全優先ならやむをえない。満艦飾(まんかんしょく)の看板は、今にも飛びそうで不安が募る▼気象学の関口武さんによれば、日本には2000を超す風の名前があるそうだ。とみに死語化しているのは、風に無関心でいられる生活のゆえらしい。その無関心が、風の怖さへの鈍感であっては、手痛いしっぺ返しを食いかねない。
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发表于 2008-2-26 15:43:02 | 显示全部楼层

2008年02月26日(火曜日)付

少なくとも先週末まで「ミウラカズヨシ」といえば、きょう41歳となるサッカーのカズこと三浦知良さんである。若い世代は「ほかにもいたのか」と驚くだろう。ふた昔前の時の人が、ニュースの主役で戻ってきた▼「ロス疑惑」の三浦和義元社長(60)が、サイパン島で米当局に逮捕された。81年に妻一美さんを銃撃させたという殺人容疑だ。日本では無罪が確定しているが、事件の舞台である米国も独自に捜査や裁判を進めることができ、重罪には時効がない▼これほど呼称が変転した人も珍しい。悲劇の夫、三浦「さん」は自らも足を撃たれ、病院で涙ながらに状況を語った。4年後の逮捕で敬称が消え、次いで被告と呼ばれ、逆転無罪で元社長に変わる。万引きの容疑者にもなったが、司法や報道の人権侵害を語る講演では「氏」と紹介された▼銃撃3カ月前、知人に妻を殴打させたとする殺人未遂事件では懲役6年の刑が確定し、あれやこれやで、拘置所や刑務所に5500日いたそうだ。今、何度目かの容疑者に戻り、再始動させた人生が暗転の際(きわ)にある▼27年前の真相を追い続ける米捜査陣の執念には驚く。一国の最高裁が結論づけた事件を他国の司法が掘り返せる仕組みには、なおびっくりだ。米連邦捜査局(FBI)のいう新証拠とは万人が納得するものなのか▼ロスの駐車場で撃たれなければ、一美さんは昨日、55歳を迎えていたはずだ。母は「誕生日を前に少しだけ光が差してきた」と語った。人生、歳月、正義。様々を考えさせる仰天の報である。
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发表于 2008-2-27 09:07:40 | 显示全部楼层

2008年02月27日(水曜日)付

イージス艦の衝突事故で、海の交通ルールを初めて知った人も多いだろう。夜の船は左に赤、右に緑の灯火をつけ、交差時は「相手の赤を見る方」がよける。赤で止まり、緑で進む、陸の規則に通じる色分けだろう▼陸は陸でも、盛り場は赤い灯だらけだ。大小の提灯(ちょうちん)が足を引き留め、夜更けともなれば顔に赤ランプの酔客が行き交う。そんな街に、緑の提灯がじんわり増えていると本紙で知った。日本の食材を進んで使う店の目印という▼その一つ、都内の郷土料理店を訪ねた。車エビをさばく板前さんは「安さだけ追っていたら日本の食文化がダメになる」と言う。とはいえ客の懐も無視できず、おかみさんによるとマツタケは外国産だ▼今、全国で揺れる緑提灯は300個を超す。農業関連の研究所で働く丸山清明さんが「飲んべえの遊び」で発案した。食材の50%以上が国産と宣言した店に掲げてもらい、遊びついでに、星の数で国産率を示す。評価は店の良心に任せ、先の郷土料理は「80%」の四つ星だった▼提灯のお代は、有志の応援隊が出し合ってきた。隊則は〈赤と緑の灯が並んでいたら迷わず緑の店に入る〉のみ。これがネオンの海のルールになれば、4割に沈んだ食糧自給率が盛り返すかもしれない▼飲食店より力を持つのは家庭の食卓だろう。中国製冷凍ギョーザの中毒は、国産や手作りの価値を見直させ、食の安全に気を使う人が増えた。台所に国産応援の提灯を掲げぬまでも、売り場では心に緑の警告灯がともる。消費者のレーダーは鋭敏だ。
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发表于 2008-2-28 10:05:31 | 显示全部楼层

2008年02月28日(木曜日)付

おとといの東京都議会で、石原知事と議員が妙なやりとりを交わした。「発案者として当然、もろもろの責任を感じている」と知事。「もろもろとはどんな責任か」「もろもろとはまさにもろもろ」▼知事が3年前に作った「新銀行東京」が追い込まれた。都が出資した1000億円の大半は赤字に食われ、知事は財政から400億円の追加出資を決めた。さらなる血税投入には反対の声が多い。そもそも、各紙の社説がここまでそろうのは珍しい▼石原知事は失敗を認めよ(朝日)「石原銀行」は幕を閉じる時(日経)もう店じまいすべき(読売)撤退への道筋を描く時だ(毎日)手を引く時(東京)役割はすでに終わったといえないか(産経)。散々である▼中小零細企業を救う心意気はいいが、開業時には貸し渋りは消えかけていた。それでも存在理由を示すため、甘い審査で貸し付け、焦げつかせた。約1000億円の累積赤字は、プロも用心する小口融資のヤブに素人が分け入った結果だ▼知事や経営陣はもちろん、設立に賛成した都議会の責任は重く、追加出資を認めれば恥の上塗りだ。例えば地震対策にも使えた都税を、時代感覚に欠けたお役所流が食いつぶす。知事の面目のために公金を重ねてつぎ込めば、失敗は大の字つきで都政史に残りかねない▼もろもろの成功に彩られた人生の秋に、しくじりを認めるのは勇気がいる。だが〈過ちて改めざる、これを過ちという〉と論語にもある。改めぬ「もろもろ問答」の間にも、新銀行はぼろぼろの度を深めていく。
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发表于 2008-2-29 13:50:54 | 显示全部楼层

2008年02月29日(金曜日)付

地球が太陽の周りを回りきるには、365日と6時間弱かかる。端数が4年分たまって「きょう」になる。1日もうけたと思える人は充実した毎日を送っているのだろう。積み立て満期のような閏(うるう)の日に顧みる2月の言葉から▼橋下徹大阪府知事が初登庁。「大阪は破産状態。民間なら給料が半分に減るなんて当たり前」「僕と一緒に死んでもらう覚悟で、最後は死んで下さい」と、テレビ出演の乗りだった。幹部職員は「いきなり死ねと言われても」▼川崎市は、40年近い歴史がある公害部を環境対策部に再編する組織がえを発表した。公害認定患者の男性は「イメージばかりきれいになるが、市民が吸う空気はきれいになっていない」▼司法判断に従わず、日教組の教研集会に会場を貸さなかったグランドプリンスホテル新高輪に、東工大の橋爪大三郎教授が喝。「いったん約束したら、体を張っても客を守るのがホテルの責任……近所の迷惑とかと言い始める江戸時代の発想では困るのだ」▼瀬戸内の島々からなる愛媛県上島町の地域フォーラムで、お年寄りを訪ね歩いた女子高生が報告した。「おばあさんから『長生きの秘訣(ひけつ)はウソをつかないことと、人の話をあまり聞かないこと』と教えてもらいました」▼目の不自由な人が耳で楽しむ録音図書。福島で音訳を手伝うフリーアナウンサー、馬場二三子さんは「ラジオと違って淡々と読むのがとても難しかった」。小欄を朗読して下さる方もいる。筆者も何度か拝聴したが、文章は声に乗って味を増すと知った。
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发表于 2008-3-3 07:47:24 | 显示全部楼层
好东东!
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