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发表于 2008-3-14 15:09:51
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天声人語2 L: c4 |; X6 U8 b X0 o; Y. X
2008年03月14日(金曜日)付
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魚偏(うおへん)に雪と書けばタラ、冬だとコノシロ、では神は? 漢字にならって日本で作られた国字には、魚偏の文字が一番多いという。判じ物さながらの難読ぞろいだが、日本人と魚の深い縁を示す証しでもある▼大正の頃は「一大国民が食糧の主要なものを海にあおいでいる例は他にない」と、欧州の地理学者を驚かせた。ところが近年、かつてない「魚ばなれ」が食卓に起きている。さばくどころか、さわれない若い人もいるらしい。歯止めをかける取り組みが、各地で芽生えている▼東京の築地市場の一角では「おさかなマイスター講座」が昨秋から始まった。目利きや料理の仕方などを初心者も学べる。11回で12万円余と受講料は高めだが人気は高い。卒業生には、知識を周りに広める「語り部」の期待もかかる▼秋田での講座は、魚介を生物学的に学んだあと、料理をする。先月は秋田大の石井照久准教授がハマグリの心臓やエラの講義をし、酒蒸しにして参加者と食べた。「いただくものの命のさまを知ることは、人生の滋味になる」と、料理好きの石井氏は言う▼親が子に伝える「料理」をつづった、石垣りんさんの詩を思い出す。〈鰹(かつお)でも/鯛(たい)でも/鰈(かれい)でも/よい。丸ごと一匹の姿をのせ/よく研いだ庖丁(ほうちょう)をしっかり握りしめて…頭をブスリと落すことから/教えなければならない〉▼様々な魚偏が、人の命につながる。乱獲を戒めつつ舌鼓を打ちたい。ところで冒頭の「鰰」は秋田の特産ハタハタ。獲(と)りすぎによる激減の教訓を残した美味(うま)くて苦い魚である。 |
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