|
|
发表于 2008-5-10 09:15:07
|
显示全部楼层
天声人語7 V o8 x/ ^: N6 n0 y5 G
2008年05月06日(火曜日)付
- ~6 H3 h$ J! H/ Z- [. o9 |& t, E* j7 v
* U2 X* k% s4 ~0 A, b+ p朝日歌壇でよくお見受けする大阪の長尾幹也さんに先日、次の作があった。〈おのずから足踏んばって電車待つ突如背中を押す奴のため〉。人は押されれば、簡単にホームから落ちるに違いない。だが私たちは普段、そんな理不尽はないと信頼して、無防備な背を他人に見せて電車を待つ▼世の中をつかさどる「暗黙の信頼」である。それを、岡山で3月にあった事件は揺るがした。疑心暗鬼を生ずれば、おちおち電車にも乗れない。歌の心境が他人事(ひとごと)ではない向きも多かっただろう▼ことの度合いは違うけれど、高級料亭「船場吉兆」で、また醜聞が噴き出した。客の食べ残しを別の客に出していたという。思えば料理屋の厨房(ちゅうぼう)は、客の目を隔てた「密室」だ。吉兆に限らず、やろうとすれば難しいことではあるまい▼だが私たちは普段、そんな不実など思いもよらず、料理を口に運ぶ。念を押すまでもなかった「暗黙の信頼」が、ここでも揺れた。まっとうな店への疑心も植え付けたとしたら、船場吉兆の罪は重い▼「もったいない」と前社長が指示したそうだ。だが、それを言い訳にしては「もったいない」に申し訳ない。食べ物を大事にする思いと、商売のそろばんは、顔つきは似ていても心根が違う▼いま「信」は細り、不信をこえて「崩信」の時代という。最近の本紙世論調査では「世の中は信用できない人が多い」は64%、「人は自分のことだけ考えている」は67%にのぼっている。悲観したくはない。だが、そんなものさと受け流せる数字では、もうないように思う。 |
|