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发表于 2008-6-24 10:10:08
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2008年6月24日(火)付: W% t5 H; P$ Z9 m& O, {+ G; G
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電話口で「心がピシピシッと音を立てて氷結していくのがわかった」という。05年、06年と続けて架空請求の詐欺に遭った日向野(ひがの)利治さんだ。体験が『実録詐欺電話 私はこうしてだまされた』(すばる舎)にある▼妻に先立たれた寂しさから、ある種のサイトをのぞいたことがあった。だから、どすの利いた声に脈拍は上がり、全身から汗が噴き出したそうだ。ご本人は経済評論家。「不名誉」は人知れず片づけたいとも考えた▼先週末、振り込め詐欺の被害者救済法が施行された。裁判をしなくても、金融機関が凍結した口座からお金が戻ってくる道が開かれた。とはいえ、まずは電話への備えを巡らせたい。なにしろ、70歳に近い日向野さんにして「人生でいちばん怖くて長い時間」なのだ▼息子や孫になりすますオレオレ詐欺では、警察官や弁護士役が入れ替わり出てくる劇団型も多い。警視庁の調査では、被害者の約3割が銀行員らの警告を振り切って送金していた。それほどの演技なのだろう▼増えているのは還付金詐欺。役所を名乗る人物から税金や保険料を返すと言われれば、誰しも前のめりになる。去年の年金、今年の高齢者医療。社会不安を巧みにとらえた話術が、善人を無人ATMにいざなう▼虚栄、親心、お金、異性、健康。どこを突かれても大丈夫な人はそういない。不意の電話に「氷結」した心は、だまされやすくもなる。これだけの被害情報を前に、呼び出し音にすら身構える人が多いのではないか。なのに、毎日約1億円が冷たい穴へと消えている。 |
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